コロナ禍により、消費者意向は「外食」から「中食」へと変化してきている。それに伴い、売上維持・売上領域拡大のため、テイクアウトに力を入れる飲食店が増加。キッチンカーの出店も相次いで増加傾向にある。
一方で出店が増えるにつれ、キッチンカーの競争は激化。開業後3年続いている事業者は3割程度に留まっている。
キッチンカー『Bonds』のオーナー・佐藤一典氏
コロナ禍により、消費者意向は「外食」から「中食」へと変化してきている。それに伴い、売上維持・売上領域拡大のため、テイクアウトに力を入れる飲食店が増加。キッチンカーの出店も相次いで増加傾向にある。
一方で出店が増えるにつれ、キッチンカーの競争は激化。開業後3年続いている事業者は3割程度に留まっている。
このような中、オープン1年足らずで常連が絶えないキッチンカーへと成長させた人気店もある。千代田区、世田谷区などの都内を中心に出店を行う『Bonds』だ。看板メニューは、「ローストビーフ」(900円)。やわらかい食感としっかりとした味わいが魅力だ。1日50〜60食を売り上げ、土曜以外の週6日営業で月に約120万円を売り上げている。
オーナーの佐藤一典氏は、20歳で飲食業界へ入り、都内でチェーン展開する居酒屋にて店舗展開やメニューの開発などに従事。その後、恵比寿の『カルネジーオ イースト』などで料理長を務めた、この道20年のベテランだ。
佐藤氏がキッチンカーに興味を持ったきっかけは、コロナ禍でテレビの特集を目にしたことだった。
「都内で実店舗を持つとなると家賃の高さがネックでしたが、キッチンカーなら初期費用やランニングコストも安価で始めやすい。コロナ禍で人となかなかコミュニケーションが取れない中、自分から発信する手段としても楽しそうだと思ったんです」
「Mellow」はオフィス街から公園まで、さまざまな場所を対象にキッチンカーのマッチングを行っている
キッチンカー出店にあたって利用したのがモビリティビジネス・プラットフォームの「Mellow」だ。空きスペースとキッチンカーのマッチングをメインに、キッチンカー開業や運営にあたっての事業者へのサポートなども行っており、佐藤氏も「Mellow」の協力を得て車両のリースを受けた。
佐藤氏がキッチンカー運営で欠かせないというのが、メニューやPOP、チラシなどの販促物だ。
「実店舗と違ってキッチンカーのお客様は、座ってゆっくりメニュー表をご覧になれるわけではありません。そのためファーストインパクトでわかりやすいメニュー表、POPを作ることがキッチンカーの売上を大きく左右すると感じています」
特に販促物はわかりやすいデザインに仕上げ、どのような味わいなのか一言文章を添え、行列になっても見やすい位置に設置することが大切だと佐藤氏は言う。
POPでトッピングをしっかりとアピール。お客様との会話のきっかけにもなっている
さらに、キッチンカーの経営を軌道に乗せるために佐藤氏が行ったのは、無料のトッピングサービスだった。多様なニーズに対応するなど顧客満足度を高めるだけでなく、トッピングのご案内がお客様とのコミュニケーションのきっかけになると読んだのだ。他にも4種類の自家製のソース、日替わりスープもサービスし、お客様との話題のきっかけを各所に忍ばせている。
そんなキッチンカーの販促物作成に役立ったツールのひとつとして佐藤氏が挙げるのが、プリンターだ。
「キッチンカーの場合、自分でメニュー表やPOPを用意しなくてはなりません。これまではデザインしたものをコンビニなどへ出向いてプリントしていたのですが、実際に印刷されたものを見て『イメージと違う』ということがよくあって。再度修正して、またコンビニに行って、印刷し直すのがとても面倒でした。私の場合、一人でキッチンカーの運営をすべて行っているので、販促物1枚のためにそこまで時間を割けないというのが正直なところで、後手後手になっていました」
販促物の印刷に課題感を抱えていたと佐藤氏は吐露する。しかし、プリンターを自宅に導入すると、
「使いたいメニューやPOPなど、すぐに自宅でテストプリントして確認できるようになり、格段に時間効率が良くなりました。プリントされたものがイメージと違ってもすぐにその場で印刷し直せるのがいいですよね。印刷にかけていた手間や時間を、料理人として本来注力したかった食材の仕込みやメニュー開発などに時間を使えるようになり本当によかったです」
とプリンターの有用性を明かす。また、キッチンカーは屋外での営業のため、販促物も雨風で劣化しやすく取り替える頻度も高い。その際にもプリンターが活躍するのではないかと佐藤氏は推測する。
「メニューを頻繁に入れ替えるお店や、割引キャンペーンを行う機会があるお店であれば、プリンターの登場回数はさらに増えると思います。そんなときにいちいちコンビニまで印刷しに行っていては時間も手間もかかってしまいますよね。そういった点で、プリンターはキッチンカーに必要なアイテムなのだと実感しています。今後自分のお店でも新メニューを出したり、キャンペーンを行ったりしていきたいので、その際にもプリンターが活躍するのではないかと思っています」
今回佐藤氏が使用したプリンターは、エプソンのエコタンク搭載モデル。コンパクトなサイズだが、カラーでA4サイズまで印刷でき、しかもインクの残量を気にせず大量に印刷することができる。特に佐藤氏は、タッチパネル操作が分かりやすく、プリンターをWi-Fi®に繋ぐことでスマホから印刷できる点も便利だったと言う。
「キッチンカーをきっかけに実店舗のオープンも目指していきたい」と佐藤氏
佐藤氏は、今回エプソン販売(株)が、Mellowのサービスに加入している飲食店に向けて実施した「中食応援企画」に参画し、プリンターをレンタルしたという。また、この「中食応援企画」では、佐藤氏の要望に則した販促物のデザインを、バンタンデザイン研究所の生徒が担ってくれた。
「『Bonds』のロゴはそのままに、キッチンカーのイメージで、親しみが持てるデザインにして欲しいと依頼しました。自分は料理人であり、デザインは素人なので、販促物については得意な方にデザインしてもらってから、自分でも勉強していきたいと思っていたので、今回とてもいい機会になりました」
ウィズコロナ時代のいま、出店が相次ぐキッチンカーだがその競争は激しさを増している。その中で売上を伸ばすためには、販促物を工夫するなど他店との差別化を行うほか、限られた時間の中で効率的に販促物を作成する必要があるようだ。この課題を解決する一助となるのがプリンター。1台あれば、包装紙、箸の袋、テイクアウトメニュー、ラベルのほか、ショップカードやポイントカードの印刷まで可能とあり、キッチンカーの販促に必要不可欠と言えそうだ。
(注)本媒体上の他者商標の帰属先は、商標についてをご確認ください。
コスト削減
店舗運営
集客
開業
集客
店舗運営