飲食店にとって、新規の顧客獲得だけでなく、お客様を増やしていくには、リピーターづくりも大切です。「黙っていても、リピーターが勝手に増えていく」というお店はまれ。何らかの工夫をして、お客様の再来店を促す必要があります。
それでは、お店を繁盛させるには具体的にどのようなことに取り組めばよいのでしょうか?飲食店の立ち上げから運営までに携わる、起業コンサルタントの中野裕哲さんにお話を伺いました。
飲食店にとって、新規の顧客獲得だけでなく、お客様を増やしていくには、リピーターづくりも大切です。「黙っていても、リピーターが勝手に増えていく」というお店はまれ。何らかの工夫をして、お客様の再来店を促す必要があります。
それでは、お店を繁盛させるには具体的にどのようなことに取り組めばよいのでしょうか?飲食店の立ち上げから運営までに携わる、起業コンサルタントの中野裕哲さんにお話を伺いました。
また、ホットペッパーグルメ外食総研が行った調査によると、男女ともに、外食の際は「初回利用」よりも「リピート利用」、つまり、「なじみのお店」に行く人が圧倒的に多いという結果が明らかになりました(図1参照)。
中野「この(図2)の調査結果で注目したいのが、リピートしている店舗の多くが、ファストフード店をはじめとした、いわゆるチェーン店であること。外食時のリピート利用には、店舗のブランド力が大きいことが明らかになっています。大々的な宣伝が難しい個人経営の飲食店では、料理がおいしいといった本質的な魅力に加え、お客様に『また来たい』と思わせるような取り組みを実施していくべきでしょう」
中野「ユーザーの中には、スマホがアプリだらけになってしまったり、登録に手間がかかったりするという理由で、アプリをあまり使わない方も少なくありません。そういう意味では、紙のスタンプカードやクーポン券は未だに根強い人気があり、実施する価値は大いにあります。とくにプリンターが店舗にある場合は、手軽に必要な分だけかつ低コストでつくれるのも魅力です」
中野さんいわく、とりわけクーポン券の集客力は侮れないのだそう。その理由は、飲食店にとって最もハードルが高い「2回目の来店」に繋がる可能性があるからです。
中野「飲食店では、新規のお客様が2回目に来店してくれる割合は40%、3回目以降はそのうち80%だといわれています。つまり、2回目の来店にさえつなげれば、以降は何度も来てくれる常連さんになる可能性が高いのです。とくに効果があるのが、『5%オフ』や『トッピング無料』など、2回目の来店ですぐに利用できるクーポン券の配布。財布に入っていれば『安くなるならまた行ってみようかな』という心理が働きます」
スタンプカードやクーポン券は、お店の印象を左右する広告としての役割も果たします。例えば、QRコードを記載してお店のSNSやホームページに誘導し、興味を持ってもらう。半永久的に使えるクーポン券を「会員証」と称することで、お店への愛着を感じてもらう。また、店舗アプリがすでにあるお店でも併用し、キャンペーンに応じて効果的にスタンプカードやクーポン券を活用することで、お客様に飽きることなくお店に通ってもらう効果も期待できるでしょう。
スタンプカードやクーポン券に限らず、ショップカードやメニュー、POP、チラシも、プリンターさえあれば手軽に内製することができます。必要なときに必要なだけ作成でき、内容の変更にも臨機応変。既製品ではなく手づくり感を全面に打ち出すことでお店の特色をアピールできるといった点でも、内製化のメリットが大きいことは言うまでもありません」
最近では、スマートフォンでもアプリを使えば簡単にクーポン券やチラシ、ショップカードなどをデザイン・作成し、そのままプリンターで印刷できるので、一度試してみてはいかがでしょうか。
スマホで簡単に名刺サイズのショップカードがつくれるアプリ「Epson 名刺プリント」
名刺からショップカードまでアプリでカンタンに作れる!
「背景」「フレーム」「スタンプ」「写真」「文字」の5つの要素を自由に組み合わせることによりビジネス名刺はもちろん、ショップカードやアクセサリー台紙も作成できます。
中野「大手にはない個人経営の飲食店の強みは、地道な施策から生まれるコミュニケーション。例えば、新規オープンの際や、キャンペーンを実施する際には、チラシやクーポン券を持って、ご近所さんの挨拶回りに行ってみてはいかがでしょうか。地道な取り組みに見えますが、直接顔を見て挨拶してもらうと、『今度行ってみようかな』という気持ちになりますよね。紙を使った取り組みは、人と人とのコミュニケーションツールにもなるのです。ウェブ施策が重視される時代だからこそ、こうした点をうまく活用することが、個店の勝機につながるのではないでしょうか」
(注)本媒体上の他者商標の帰属先は、商標についてをご確認ください。