<ロボット活用で労働生産性向上!>
4社共創で実現した箱詰めパッケージソリューションでお客様に価値を届ける

  • 生産性向上
  • 共創
<ロボット活用で労働生産性向上!>4社共創で実現した箱詰めパッケージソリューションでお客様に価値を届ける
4社共創でパッケージ化した「食品箱詰め工程の自動化装置」

日本の食品製造業は深刻な人手不足に加えて品質管理・安全性要求の高まり、原材料・人件費・物流費の高騰など、さまざまな問題に直面しています。少子高齢化の影響で労働力の確保が困難となり、特に製造ラインの作業員や技術者が不足しています。そのため、効率的な生産や品質管理が難しくなっています。

エプソンは志を同じくするパートナー企業との共創により、食品製造業で実現が難しかった箱詰め工程の自動化ソリューションのパッケージ化を実現しました。

4社共創 お客様の課題を解決したい想いでスタートした「食品箱詰め工程の自動化装置」プロジェクト

エプソンは2023年11月にロボットハンドメーカーであるSMC株式会社と「食品箱詰め工程の自動化装置(以下、食品箱詰め装置)」の開発プロジェクトをスタートさせました。両社は経済産業省の委託事業を推進するために結成された組織「食品TC(テクニカルコミッティー)」のメンバーで、惣菜の盛り付けロボットの開発に参画しています。

惣菜の盛り付け工程を自動化する中で、盛り付けの後工程にあたる包装後の商品を箱に詰める作業が手作業で行われていることに気づきました。この作業の自動化が多くの食品製造工場で共通の課題であると認識し、プロジェクトの発足につながりました。

さらにアルミフレームメーカーのエヌアイシ・オートテック株式会社、システムインテグレーター(SIer:エスアイアー)の株式会社フレアオリジナルに参画いただき、約半年というスピードで食品箱詰め装置の設計・開発を実現し、2024年6月の「FOOMA JAPAN2024(SMC株式会社ブース)」にてお披露目となりました。

「食品箱詰め装置」のパッケージ化による導入障壁の低減へ

ロボットによる自動化を実現する場合、一般的にお客様の工程ごとに設計・開発することになるため、導入コストが膨大になります。そのため、人手不足がより深刻な中小規模製造業の自動化が進みにくいことが問題になっています。また食品製造業の自動化に際しては、扱う食材の形が定まらない・柔らかいなど特有の前提もあり、難易度が高いと言われています。そして導入後に自動化ラインをメンテナンスできる技術人材がいないことも障壁になっています。

この4社共創プロジェクトでは、自動化に必要な工程をパッケージ化することでお客様が導入しやすい形、価格帯でお届けすることを目指しています。

<パッケージ化とは>

装置の仕様に汎用性を持たせることで、開発コストを下げ、開発リードタイムを大幅に削減したもので、お客様にとって導入コストや導入のしやすさといった面でメリットがあります。

「食品箱詰め装置」のパッケージは装置だけでなく、導入後も安心してご利用いただけるようにサービス・サポート、保守サービスも含めたソリューションです。お客様の用途に合わせてカスタマイズすることも可能で、例えば、ハンド部分は吸盤で吸い付けるタイプや、空気を吹き出すことで吸い付けるタイプなど、食品に合わせて複数種類から選択でき導入前の検証もサポートします。

「食品箱詰め装置」実現に向けた工夫

「食品箱詰め装置」の実現に向けては、お客様の「使い勝手」に比重を置き、共創企業4社の技術力・開発力を合わせてさまざまな工夫を施しました。

まず、お客様を家族経営の中小企業と想定し、使い勝手やサイズを慎重に検討しました。装置の高さについては、目線の高さや使いやすさを考慮し、エレベーターに収まるサイズや移動のしやすさ、圧迫感のない設計を目指しました。また、限られたスペースを有効活用するために天吊りロボットを採用したり、コストを抑えたいお客様にはコントローラー一体型のロボットを採用するなど、さまざまな工夫を凝らしました。

コントローラーの格納には、下部スペースが限られているため、非常に苦労しました。

「食品箱詰め装置」のシステム構成

フレアオリジナルの設計装置

<パッケージの特長・お客様価値>

  1. ①限られたスペースでの稼働に適したエプソン製スカラロボットにより装置のコンパクト設計を実現(横幅:950mm 奥行:1,100mm 高さ:1,650mm)
  2. ②キャスター付きで簡単に移動が可能なため、場所を選ばず、臨機応変に利用が可能。
  3. ③装置の導入支援・安定稼働のためのサービス&サポートを含めた装置価格500万円~(税別)の低価格による導入のしやすさ
  4. ④お客様の用途(少量多品種&生ものの食品など)に合ったハンドが選択可能。

導入に向けた支援

一般的に同様の装置を個別設計した場合、約1,000万円を超えると言われています。今回実現した「食品箱詰め装置」は、どんな規模の企業でも導入しやすいように、500万円からの価格帯を目安にパッケージ化し、販売を検討しています。またパッケージ化することで、購入後すぐに使用できる利便性も提供します。

共創パートナー様からのコメント

・SMC株式会社 課長 秋山武史氏

SMC株式会社 課長 秋山武史氏

ロボット関連の機器メーカーやSIerが中心となり、理念を共有するメンバーが協業することでプロジェクトを発足することができました。個社では難しいことも、協業することで各社の得意技を寄せ合って、実際にお客様の手に届くロボットシステムを開発することができました。

仲間を増やして広く普及を図り、食品産業の人手不足という大きな社会課題の解決に貢献していきたいです。

・エヌアイシ・オートテック株式会社 FA営業部 副部長 明元賢登氏

エヌアイシ・オートテック株式会社 FA営業部 副部長 明元賢登氏

このプロジェクトでは全員が協力的であり、「三方よし」の考え方を軸に同じベクトルを向いています。そこが魅力的で一緒に取り組ませていただいています。特定のニーズに焦点を当てた取り組みにも魅力を感じており、今後、新たなニーズを見つけ、新しいシリーズを出していきたいと思っています。

・株式会社フレアオリジナル 社長 田中陽一郎氏

株式会社フレアオリジナル 社長 田中陽一郎氏

今までパッケージのようなものを作りたいと思ってきましたが、自分だけでは作れません。

これからもシリーズとして新しいものを作っていきたく、お客様が導入しやすいパッケージ化したものを広げていきたいと思っています。

・エプソン販売株式会社 課長 山崎未鈴

エプソン販売株式会社 課長 山崎未鈴

今回のパッケージは、仲間がいたからこそ、実現できたと思います。お客様の社会課題を解決したい共通の想いがこの活動の原動力です。より良いソリューションに仕立てていくために、さらに仲間を集めていきながら、社会に貢献していきたいと思います。

お客様と共創パートナー様と共に、さらなる課題解決へ

お客様や社会課題の解決に貢献したいという理念に基づき、共創パートナー様と食品製造業の箱詰め工程の自動化装置を開発しました。食品製造業では他にも多くの工程がありますが、まずはお客様が導入しやすい「箱詰め」の自動化から始めることで、他の工程の自動化へもつなげていきたいと考えています。

今後は、実際にお客様にご利用いただき、現場検証などを含め、パッケージとして完成度を高めていきます。そして、この自動化パッケージを広く普及させることで、食品産業の労働生産性向上という大きな社会課題の解決に貢献していきます。

「初めての自動化を検討されるお客様へのサポート」や、「限られたスペースでの生産性向上」にもお応えしますので、ぜひエプソンにご相談ください。
お問い合わせ | 産業用ロボット | エプソン (epson.jp)新規ウィンドウが開きます

エプソンロボットに関する活用事例や展示会の情報をお届けするメールマガジンを定期配信していますのでご登録ください。
エプソンロボット メルマガ会員登録 (epson.jp)新規ウィンドウが開きます