物流の2024年問題の有効手段として共同配送を実施
複合機メーカー11社が「競争」から「共創」へ
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物流業界は「物流の2024年問題」として、労働時間の短縮に伴うドライバー不足、低い積載効率、月末に物量が集中する波動問題などに直面しています。また、トラックによる温室効果ガスの排出も環境問題として重要視されています。私たち生活者も、置き配の利用、まとめ買い、配送日時の指定による再配達防止などの工夫をすることで、社会全体で物流の効率化に貢献し、2024年問題の影響を少しでも軽減することが求められています。
このような社会問題を解決するために、エプソン販売は、2021年より一般社団法人ビジネス機械・情報システム産業協会(以下JBMIA)が複数の会員企業と推進する複合機の「共同配送」プロジェクトに参画しました。
本プロジェクトは、物流に対する事務機業界各社が抱える問題、物流業界が抱える問題に対して業界として解決するため、物流を「競争」から「共創」領域と捉え、共同配送というソリューションで社会問題を解消することを目指しています。
プロジェクトの意義と成果が高く評価され、2024年(令和6年)12月には経済産業省および国土交通省主催の「令和6年度物流パートナーシップ優良事業者表彰」において、「物流DX・標準化表彰」(経済産業省)を受賞しました。
物流業界が抱える2024年問題への挑戦と環境貢献
従来は各メーカーの単独車両でそれぞれ顧客の希望する日時で荷物を配送していましたが、エプソン販売および複合機メーカー全11メーカー<富士フイルムビジネスイノベ-ション、東芝テック、理想科学工業、京セラドキュメントソリューションズ、ブラザー工業、沖電気工業、キヤノン、リコー、コニカミノルタ、シャープ(敬称略)>が一体となって検討し、共同車両を使い、空いている希望日で同一地域へ荷物を配送するようにしました。

この活動により、物流業界の長年の課題である「ドライバー不足」や「低積載配送」、「月末集中による波動問題」に取り組み、2023年4月から2024年3月までの北海道エリアにおける実績では以下の成果が確認され、物流効率の向上、環境負荷の低減に貢献しました。
<本プロジェクト 北海道エリアでの成果>

・車両台数削減:年間938台(19.8%削減)
・積載率向上:4.8%向上
・CO₂排出量削減:年間62.5トン(16.4%削減)(注1)
- (注1):改正省エネ法のトンキロ法を用いた簡易計算で算出。
CO₂排出量=輸送重量×輸送距離×トラックのトンキロ当たりの燃料使用量×CO₂排出係数
全国展開と未来への期待
2024年には北海道、北陸が完了し、2025年には東北、九州エリアへの展開を予定しています。エプソン販売をはじめとした本プロジェクトに参加する会員企業は共同配送を通じて物流の安定性とコスト削減を実現するとともに、労働環境の改善にも貢献しています。
<エプソン販売担当者コメント>
実現にあたっては、お客様、販売店、社内の営業部門との共同配送スキームの調整に苦労しました。また、各社共通の基盤を活用するため、社内のオペレーション変更やシステム対応が難しい部分への工夫も求められました。
私たちは深刻な物流労働力不足の中でも「お客様に商品を届け続けること」を最優先の使命としています。今後もJBMIAの参加企業の皆さまとともに共同配送を推進していきたいと考えています。
持続可能な社会実現のために
今回の取り組みは、経済産業省や国土交通省の「フィジカルインターネットの実現に向けた取り組み」(注2)と連携しており、業界の垣根を超えた新しい物流モデルとして注目を集めています。今後、事務機業界の挑戦が物流業界全体の革新を牽引していくことを目指します。
エプソンは、今後も各社と共創して共同配送のエリア拡大に取り組み、社会課題解決と環境負荷低減に貢献し、持続可能な社会実現へ努めていきます。