＜マンガを受け継がれていくべきアートに＞
集英社と共に創り上げるマンガアート市場

エプソンは、2021年より株式会社集英社様との間で共創活動を展開しています。この取り組みは、マンガの原画を「美術」だけでなく「技術、技法」をも含むアートとして捉え直し、集英社マンガアートヘリテージのビジョン「マンガを受け継がれていくべきアートに」を具現化するものです。集英社様が長年にわたりアーカイブしてきた高精細なマンガの原画を、アートとして世界に向けて発信する。この新事業の実現に向け、エプソンは長年培ってきたインクジェット技術を駆使し、アート作品としてのクオリティを追求する集英社様の強力なパートナーとして、アート作品制作の一翼を担っています。

SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE
（集英社マンガアートヘリテージ）

2021年3月、集英社様は「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」を立ち上げ、アートとしてのマンガを数量限定で販売する新事業を開始しました。この事業では、「Real Color Collection」、「The Press」、「The Millennium」などのレーベルを展開しています。エプソンは、特にカラー作品の制作過程において、カラーマネジメントの技術支援および原画の色を忠実に再現したマスターデータの制作、「Real Color Collection」の制作を担っています。使用されるプリンターはエプソンの大判プリンターSureColorシリーズ、用紙はコットン100%のエプソンのVelvet Fine Art Paper（ベルベット ファイン アート ペーパー）で、エプソン独自の高度な色再現力により、オフセット印刷では再現が難しい原画に忠実な色彩表現を実現しています。

使用する顔料インクは耐光性^（注1）を備え、原画に使用された染料カラーインクが色あせてしまうような光の下でも、オリジナルの色彩を保ち続けることで、紙の原画を超える耐光性・耐久性を持った作品を表現できます。

• （注1）屋外や直射日光があたる場所など、強い光の下での耐光性・耐久性を保証するものではありません。ご注意ください。

専用ECサイトの「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」では、原画を原寸でプリントしたA2サイズと、A1サイズに引き伸ばした2種類のプリントをセットにして販売。東京・麻布台ヒルズ内に開設した集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリーでは店舗限定作品としてA0サイズも販売しています。

＜SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE（集英社マンガアートヘリテージ）のラインアップ＞

「Real Color Collection」

コミックスやマンガ雑誌で用いられるオフセット印刷では再現できない「リアルな色」をインクジェットプリントで表現

出典：VISION - SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE（集英社マンガアートヘリテージ）(mangaart.jp)
ONE PIECE © Eiichiro Oda / Shueisha Inc.

「The Press」

1960年代製造のハイデルベルグ印刷機による印刷

「The Millennium」

「MA」のロゴが透かしで入るオリジナルの美濃紙に顔料インクを用いてプリントを行うコロタイプ印刷

出典：LABEL - SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE（集英社マンガアートヘリテージ） (mangaart.jp)
BLEACH © Tite Kubo / Shueisha Inc.

集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリー

東京・麻布台ヒルズに開設された集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリーでは、専用ECサイトを超える体験を提供し、実際の作品を見て触れることができる空間を創出しました。ギャラリー内では、エプソンの大判プリンターで制作された「Real Color Collection」シリーズの作品や、その他のレーベル作品の展示販売を行っています。

【集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリー】

住所：105-0001 東京都港区虎ノ門5−8−1 麻布台ヒルズ ガーデンプラザA B1
アクセス：地下鉄日比谷線「神谷町駅」5出口より、徒歩約1分
営業時間：11:00~20:00

自由にご観覧可能なギャラリースペースと予約制ラウンジの2つのスペースをご用意しています。
詳細な解説、作品のご購入をご検討中のお客様は、ラウンジにて専任のスタッフがご案内しますので、こちらよりご予約ください。
ご予約サイト

インクジェット技術によるさまざまな空間で鑑賞する新しいアート展示

エプソンは2023年11月、エプソンスクエア丸の内エプサイトギャラリーにて、田名網敬一氏と赤塚不二夫氏のマンガとのコラボレーション展示「TANAAMI!! AKATSUKA!!／Ultra Tea Ceremony」を開催しました。この展示は、「SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE」の共創活動を基に、昇華転写インクプリンターを用いて製作された茶室テントを中心に、UVインクでプリントした飛び石やちゃぶ台など、お茶会には欠かせない、さまざまな作品が展示されました。これらの作品は、折り畳み可能で移動や展示が容易なため、さまざまな空間での鑑賞や体験が可能となり、インクジェット技術による新しいアート展示の形を提示しています。

＜集英社様からのコメント＞

アーティストからの「こうしたことができると面白い」というアイデアを、現実に作品にする。

今回、「テントみたいな茶室を作りたい」というお話を田名網敬一さんから伺ったとき、まず頭に浮かんだのはエプソンの昇華転写プリントのことでした。テント、ちゃぶ台、飛石。そして屏風。布、アクリル、紙、と、異なる素材に鮮やかなカラーでイメージを定着させる。テストプリントをスタジオにお持ちし、取り出して見ていただくとき、常に新鮮な驚きと喜びがありました。こうしてできあがった作品を、日本だけでなく、ニューヨークやロサンゼルスでも多くの方々に見ていただき、驚きを共有できることを、素晴らしく思っています。今後、「TANAAMI!! AKATSUKA!!」のさまざまな作品は、麻布台ヒルズの集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリーをはじめ、世界のさまざまな場所で展示していきます。2024年8月に新国立美術館で開催される回顧展「田名網敬一 記憶の冒険」では、「着物」の作品も展示いたします。ご期待ください。

集英社 新規事業開発部／SHUEISHA MANGA-ART HERITAGE ディレクター 岡本正史氏

これらの取り組みを通じて、エプソンと集英社様はマンガアート市場を創造し、マンガをアートとして新たな価値を持たせる道を切り開いています。