長野県 広丘事業所に、イノベーションセンターB棟が竣工

セイコーエプソン株式会社（社長：碓井 稔、以下 エプソン）は、このたび、2018年秋より建設を進めていた広丘事業所（所在地：長野県塩尻市）内の新棟（イノベーションセンターB棟）が竣工したことをお知らせします。

イノベーションセンターB棟は、延床面積約39,634m²、1～2階をインクジェットデジタル捺染機の試作・量産工場およびデジタル捺染ソリューションの展示エリア、3～4階をオフィスエリアとする4階構造で、2020年4月からの稼動に向け準備を進めています。これにより、成長領域である捺染分野における研究開発力・生産能力を強化するとともに、プリンティングソリューションズ事業の関連部門集約による事業運営の強化・効率化を図ります。

エプソンは長期ビジョン「Epson 25」に基づき、捺染分野において従来の刷版によるアナログ方式から、高生産性かつ低環境負荷のデジタル印刷環境への移行を目指しており、デジタル化の余地が大きいことから「成長領域」のひとつに位置付けています。

そのため、本日竣工したイノベーションセンターB棟で、インクジェットデジタル捺染機に関し、試作・量産体制を整えるとともに、研究開発力・生産技術力を強化します。さらに展示エリア、組立工程の見学スペースを設けることで顧客接点の強化を図り、捺染分野における売上拡大を目指します。

加えて、プリンティングソリューションズ事業の戦略・営業・開発・設計・生産技術など関連部門をイノベーションセンターや近隣オフィスに集約し、事業運営の強化・効率化を図ります。

エプソンは、これからも独自の技術を磨き続け、独創のコアデバイスを基にした製品・サービスにより、デジタル印刷の世界を広げ、インクジェットによるイノベーションをさらに加速させていきます。

■イノベーションセンターB棟の概要

投資金額	約160億円
稼働時期	2020年4月
延床面積	約39,634m²
建築構造	鉄骨4階建て

■広丘事業所の概要（2020年3月4日時点）

所在地	〒399‐0785 長野県塩尻市広丘原新田80
事業内容	プリンティングソリューションズ事業における開発・設計・生産、および エプソン全体における新事業開拓、新製品の研究開発
敷地面積	219,315m²
操業年	1970年

■広丘事業所について

広丘事業所はプリンティングソリューションズ事業に関する事業統括拠点、コアデバイスの研究開発拠点、生産拠点として、国内および海外の販売・生産拠点と密接に連携しています。またコアデバイスの開発・生産を通じて得られる先端の生産技術・ノウハウをエプソンの海外生産拠点へも展開することで、グループの総合的なものづくり力の向上に貢献しています。このたび広丘事業所に竣工したイノベーションセンターB棟、および2018年6月に竣工した9号館（『PrecisionCoreプリントチップ』の生産工場）によって、さらにプリンティングソリューションズの研究開発・生産基盤が強化され、事業拡大に向けた活動が加速されます。

■商業・産業印刷のインクジェット化について

デザインの多様化による多品種少量生産の普及を背景として、商業・産業印刷市場では着実にデジタル化が進んでいます。エプソンは、商業・産業印刷の中でも、サイネージ、捺染（テキスタイル）、ラベルの領域を、デジタル化の余地が大きい「成長領域」として位置付け、さらなる事業拡大を図っています。

商業・産業分野ではデジタル印刷への転換をエプソンが主導するため、多様なお客様ニーズに対応した商品・サービスを効率的に展開するプラットフォーム化の取り組みを進めています。マイクロピエゾ技術の特長を活かし、より高品質で高速かつ多様なメディア・素材に対応できる商品を順次ラインアップしていきます。同時に、印刷の色合わせの統一的なソフトウエア技術である「Color Control Technology」を核としたアプリケーションを提供し、置き換えや増設、さらには、分散印刷の需要に応えていきます。

また、テキスタイル領域では、アジア地域の活発な需要をうけ、2019年6月に富士見事業所（所在地：長野県諏訪郡富士見町）にテキスタイル・ソリューションセンター「TSCアジア」を開設しました。日本とイタリアの2拠点からグローバルに製品・サービスを提供し、デジタル印刷へのシフトを加速させています。

以上