ニュースリリース
2020年8月26日
セイコーエプソン株式会社

Arm®Cortex®-M0+プロセッサー搭載 低消費電力32ビットマイコン『S1C31W65』を量産開始

‐ 1.8~5.5V駆動で105℃温度保証対応の液晶ドライバー内蔵シングルチップマイコン –


『S1C31W65』(パッケージタイプ:P-LQFP100-1212-0.40)

製品ページ

セイコーエプソン株式会社(以下エプソン)は、このたび、Arm®Cortex®-M0+プロセッサーを搭載した低消費電力フラッシュマイコン『S1C31W65』を開発しました。本製品は、液晶ドライバー内蔵シングルチップマイコンとしてご好評をいただいているS1C31Wシリーズで、初めてセグメント液晶ドライバーに対応した汎用マイコンです。2020年8月より量産開始、月産20万個を予定しています。サンプル価格は、QFPパッケージタイプで600円(税別)です。

近年は、産業機器や民生機器において、システムのIoT化や高機能化が進み、消費電流を増やすことなく高性能処理を行うことが求められています。このような市場要求に対応するため、エプソンは強みとしている低リーク・低消費電流技術に、Arm®Cortex®-M0+プロセッサーを採用し、低消費電流と高性能化を両立したS1C31ファミリーの製品の拡充を進めております。

『S1C31W65』は、最大で33MHzの高速動作と同ファミリーの中でも最大のパフォーマンスを持ち、スリープモード※1でわずか0.3µA、動作電流130µA/MHz※2と低消費電流を実現しています。また、エプソンマイコンの特長である表示駆動技術を生かした最大416セグメントの液晶ドライバーを搭載しています。そして、液晶パネルの駆動に必要なバイアス電源を内部電源回路によって生成可能※3なため、電池残量に影響されない表示品質を実現できます。加えて、ソフトウエアによる駆動電圧調整を有しており、LCDコントラスト調整や電圧の異なる液晶パネルに対応しています。

本製品は、この他にも、リアルタイムクロック(RTC)、各種タイマー、R/F変換器※4、A/D変換器、温度センサーなど豊富な周辺回路を搭載しています。また、最大105℃の動作温度に対応し、動作電圧も1.8V~5.5Vと広範囲なため、産業機器やセンシングを必要とする民生機器にも最適です。

エプソンは、省エネルギー、小型化、高精度を実現する「省・小・精の技術」により、お客様の製品のさらなる性能向上に貢献してまいります。

■本製品の特長

1.お客様製品の多機能化と部品点数の削減に同時に貢献する豊富な内蔵回路

  • 自己書き換えが可能なフラッシュメモリー
  • 電源回路を内蔵した液晶ドライバー
  • リアルタイムクロック
  • 外部の電源監視ICを必要としない電源電圧検出回路
  • R/F変換器、A/D変換器、温度センサー/基準電圧生成回路
  • UPMUX(ユニバーサル・ポート・マルチプレクサ):入出力端子の機能割付けをソフトウエアで変更

2.さまざまな動作環境に対応

  • 動作電圧範囲 1.8V~5.5V
  • 動作温度範囲 -40℃~105℃
  • 最大33MHz高速動作
  • ブートクロック 最大2µsの高速起動※5
  • 低消費電流32.768kHz水晶発振/32kHz内蔵発振回路

【関連リンク】

製品の詳細情報は下記ウェブページをご参照ください。
www.epson.jp/prod/semicon/products/micro_controller/armcore/

『S1C31W65』のデモンストレーション動画は、下記ウェブページをご参照ください。
https://youtu.be/NztgedgJZyM

【お客様お問い合わせ窓口】

セイコーエプソン株式会社 デバイス営業部 デバイス国内営業グループ
ウェブサイト URL:www.epson.jp/prod/semicon/information/support.htm

※1 Cortex®-M0+プロセッサーのディープスリープモードに相当します。

※2 VD1電圧モード:mode1の場合

※3 バイアス電源の外部印加モードにも対応しています。

※4 CR発振方式のA/D変換器。抵抗成分を周波数に変換します。基準抵抗とセンサーを同一条件で発振させてその差を得ることにより、誤差の少ない高精度な計測を実現します。

※5 システムクロック32MHz、スリープ状態からCPUがベクタテーブルを読み出すまでの時間

■本製品の概仕様

製品型番 S1C31W65
CPUコア 32ビットRISCプロセッサー Arm®Cortex®-M0+
フラッシュメモリー容量 128Kバイト
RAM容量 16Kバイト
動作電圧 1.8V~5.5V
動作周波数 最大 33MHz(VD1電圧モード:mode0)
最大 2.1MHz(VD1電圧モード:mode1)
LCDドライバー 最大 416ドット(52セグメント × 5~8コモン)
最大 224ドット(56セグメント × 1~4コモン)
シリアルインターフェース UART:2ch / SPI:2ch / I2C:2ch
R/F変換器 CR発振型、24ビットカウンタ、DC発振モード
1ch
A/D変換器 12ビット逐次比較型
外部信号入力:最大7本
内部信号入力:1本 温度センサー出力を接続
温度センサー/基準電圧生成回路 センサー出力をA/D変換器で計測可能
2.0V、2.5V、VDDまたは外部印加からA/D変換器の基準電圧選択可能
電源電圧検出回路 VDDまたは外部電圧
32レベル(1.7V~5.0V)
タイマー 16ビットタイマー:8ch、16ビットPWMタイマー:3ch
ウオッチドッグタイマー
リアルタイムクロック
入出力ポート 入出力ポート:Max. 63ビット、出力ポート:1ビット
ユニバーサル・ポート・マルチプレクサ:32ビット
消費電流(標準値)

スリープモード:0.3µA

RTCモード:2.1µA

RUNモード:

195µA/MHz(VD1電圧モード:mode0)
130µA/MHz(VD1電圧モード:mode1)

動作温度 -40℃~105℃
出荷形態 P-LQFP100-1212-0.40(端子ピッチ0.4mm)

ArmおよびCortexは、Arm Limited(またはその子会社)のUSまたはその他の国における登録商標です。

以上

記載されている情報は発表日現在のものです。予告なしに変更になる場合がありますので、あらかじめご了承ください。