位置推定と位置制御とは?ドローンやロボットの現在の位置を推定し制御する仕組み

位置推定とは?

位置推定とは、対象物体の位置を推定する技術です。例えば、ロボットの現在位置を推定する、ドローンの現在位置を推定する、といったことが位置推定の例です。

位置推定は、大きく分けて以下の2つのステップから構成されます。

  1. 位置の測定
    位置の測定には、GPSやLiDARなどのセンサーが用いられます。GPSは、衛星からの信号を測定して位置を測定します。LiDARは、レーザー光線を照射して対象までの距離を測定して位置を測定します。
  2. 位置の推定
    センサーの測定値には、積分誤差やノイズの影響を受けるため、単独では正確な位置を推定することはできません。そこで、位置推定では、センサーの測定値と既知の情報を組み合わせて、対象物体の位置を推定します。既知の情報としては、GPSによる位置情報や、地図情報などが用いられます。

位置推定の手法

位置推定にも、カルマンフィルタやEKF(拡張カルマンフィルタ)などの手法が用いられます。カルマンフィルタは、センサーの測定値と既知の情報を組み合わせて、対象物体の状態を推定する手法です。EKFは、カルマンフィルタの拡張版であり、非線形なシステムの状態推定に用いることができます。

位置制御とは?

位置制御とは、推定した位置情報を用いて対象物体の位置を目的とする位置に保つ技術です。例えば、ロボットの手先を目的とする位置に保つ、ドローンを目的とする位置に保つ、といったことが位置制御の例です。

位置制御の方法

位置の測定から得られた情報に基づいて、対象物体の位置を目的とする姿勢に保つように制御を行います。位置制御では、ジャイロスコープと加速度センサーの測定値を組み合わせて、カルマンフィルタなどを用いて対象物体の位置を推定し、制御にフィードバックします。この制御にはPID制御などの手法が用いられます。PID制御とは、偏差をフィードバックして制御を行う手法です。偏差とは、目的とする姿勢と現在の姿勢の差です。PID制御では、偏差を比例(P)、積分(I)、微分(D)の3つの要素に分解して制御を行います。

エプソンのIMUで位置推定や位置制御を行うメリット

エプソンのIMUの概要

内蔵プロセッサーにより各種補正を実施している

実環境下では実装基板の反り、実装誤差、振動、温度変化などさまざまな影響を受け出力データの精度が劣化しますが、エプソンのIMUは誤差を低減する各種補正機能*を搭載しており、高精度センシングデータを安定的に出力します。

* アライメント補正、感度補正、オフセット補正、温度補正

小型・軽量な1インチサイズのプラットフォームを採用

1インチサイズの小型プラットフォーム*で、外形・インターフェース共に互換性があり、容易に性能のアップグレードが可能です。また、小型・軽量・低消費電力の特長により、お客様製品の小型・軽量化に貢献致します。

* サイズ24x24x10 mm3、重さ10g、消費電力53 mW(防塵防水タイプは除く)

エプソンのIMUを活用して位置推定や位置制御を行うメリット

小型・軽量でありながら短期安定出力を実現しており、高い安定性により位置誤差を極小化する事が可能です。また、お客様がどの程度の精度で位置推定や位置制御を行いたいかによって、ラインナップの中から必要とするスペックの製品をお選び頂けます。

エプソンのIMUは他社製品に比べ半分以下の消費電流で同等の性能を発揮します。また、高湿環境で使用する際に他社製品は構造次第で湿度の影響からバイアスが変化する可能性がありますが、エプソンのIMUはほとんどバイアスに変化は見られません。
さらに、強い衝撃を与えた際、他社製品はバイアスが大きく変化する可能性有りますが、エプソンのIMUはほとんど変化は見られません。