IMUの姿勢制御・推定、位置制御・推定などに関する用途例・採用例

IMUの利用用途例

小型人工衛星

宇宙空間の厳しい環境に耐えながら、小型(24×24×10mm)、軽量(10g)、低消費電力(53mW)な高精度IMUを提供し、打ち上げコスト削減や宇宙空間での姿勢制御を可能としています。

アンテナ

常にターゲットを捉え続けるためにキャリブレーションされた高精度(角度ランダムウォーク 0.03°/√h)なIMUを提供し、追尾誤差低減のための姿勢制御を可能としています。

ジンバル

リアルタイムで美しい撮影を行うために、低位相遅延(23°@150Hz)・高レンジ(ジャイロセンサー:450°/s, 加速度センサー:16G)の高精度IMUを提供し、ぶれ補正のための姿勢制御を可能としています。

姿勢制御、姿勢推定にIMUを使う例

姿勢推定とは?そのメカニズムとは?

姿勢推定とは、対象物体の姿勢を推定する技術です。例えば、車の姿勢を推定する、ロボットの手先の姿勢を推定する、カメラの姿勢を推定する、といったことが姿勢推定の例です。

姿勢推定は、大きく分けて以下の2つのステップから構成されます。

  1. 姿勢の測定
    姿勢の測定には、ジャイロスコープや加速度センサーなどの慣性センサが用いられます。ジャイロスコープは、対象物体の回転を測定します。加速度センサーは、対象物体の加速度を測定します。
  2. 姿勢の推定
    慣性センサの測定値には、積分誤差やノイズの影響を受けるため、単独では正確な姿勢を推定することはできません。そこで、姿勢推定では、慣性センサの測定値と他の情報を組み合わせて、対象物体の姿勢を推定します。他の情報としては、GPSや地磁気センサーによる方位情報や、地図情報などが用いられます。

姿勢推定の手法

姿勢推定には、カルマンフィルタやEKF(拡張カルマンフィルタ)などの手法が用いられます。カルマンフィルタは、センサの測定値と他の情報を組み合わせて、対象物体の状態を推定する手法です。EKFは、カルマンフィルタの拡張版であり、非線形なシステムの状態推定に用いることができます。

姿勢制御とは?

姿勢制御とは、対象物体の姿勢を目的とする姿勢に保つ技術です。例えば、ロボットの手先が指定された姿勢を維持するように制御する、カメラが水平を保つように制御する、といったことが姿勢制御の例です。

姿勢の制御

姿勢の測定から得られた情報に基づいて、対象物体の姿勢を目的とする姿勢に保つように制御を行います。姿勢制御では、ジャイロスコープと加速度センサーの測定値を組み合わせて、カルマンフィルタなどを用いて対象物体の姿勢を推定し、制御にフィードバックします。この制御にはPID制御などの手法が用いられます。PID制御とは、偏差をフィードバックして制御を行う手法です。偏差とは、目的とする姿勢と現在の姿勢の差です。PID制御では、偏差を比例(P)、積分(I)、微分(D)の3つの要素に分解して制御を行います。

位置制御、位置推定にIMUを使う例

位置推定とは?そのメカニズムとは?

位置推定とは、対象物体の位置を推定する技術です。例えば、ロボットの現在位置を推定する、ドローンの現在位置を推定する、といったことが位置推定の例です。

位置推定は、大きく分けて以下の2つのステップから構成されます。

  1. 位置の測定
    位置の測定には、GPSやLiDARなどのセンサが用いられます。GPSは、衛星からの信号を測定して位置を測定します。LiDARは、レーザー光線を照射して対象までの距離を測定して位置を測定します。
  2. 位置の推定
    センサの測定値には、積分誤差やノイズの影響を受けるため、単独では正確な位置を推定することはできません。そこで、位置推定では、センサの測定値と既知の情報を組み合わせて、対象物体の位置を推定します。既知の情報としては、GPSによる位置情報や、地図情報などが用いられます。

位置推定の手法

位置推定にも、カルマンフィルタやEKF(拡張カルマンフィルタ)などの手法が用いられます。カルマンフィルタは、センサの測定値と既知の情報を組み合わせて、対象物体の状態を推定する手法です。EKFは、カルマンフィルタの拡張版であり、非線形なシステムの状態推定に用いることができます。

位置制御とは?

位置制御とは、推定した位置情報を用いて対象物体の位置を目的とする位置に保つ技術です。例えば、ロボットの手先を目的とする位置に保つ、ドローンを目的とする位置に保つ、といったことが位置制御の例です。

位置の制御

位置の測定から得られた情報に基づいて、対象物体の位置を目的とする姿勢に保つように制御を行います。位置制御では、ジャイロスコープと加速度センサーの測定値を組み合わせて、カルマンフィルタなどを用いて対象物体の位置を推定し、制御にフィードバックします。この制御にはPID制御などの手法が用いられます。PID制御とは、偏差をフィードバックして制御を行う手法です。偏差とは、目的とする姿勢と現在の姿勢の差です。PID制御では、偏差を比例(P)、積分(I)、微分(D)の3つの要素に分解して制御を行います。