日本赤十字社医療センター様
導入製品:TM-C3400
業種:病院
カラー検体ラベルと、リストバンドの改良による
業務効率化と医療の安全性を向上
日本赤十字社医療センター様
導入製品:TM-C3400
業種:病院
カラー検体ラベルと、リストバンドの改良による
業務効率化と医療の安全性を向上
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高度な先進医療に取り組む
病院外観
日本赤十字社医療センター様は、2009年に病院の建て替え工事が竣工し、「がん」「周産期」「救急・災害」の3領域を主軸に、高度な医療活動を展開しています。世界で初めて成人間生体肝移植に成功した幕内雅敏院長が率いる同センターは、ロボットアーム型放射線治療器サイバーナイフの導入をはじめ、最先端のがん治療に取り組んでいます。一方、周産期医療では日本で初めて助産師外来を設置した病院であり、長年にわたる母乳育児への取り組みにより、2000年にWHO・ユニセフから「赤ちゃんにやさしい病院」の認定を受けました。年間分娩件数は国内トップクラスの2,800件超を数えます。
カラー化することで、さらなる安全性を
同センターでは、以前から各病棟にラベルプリンターを設置し、電子カルテシステムと連動させて、患者さんの検体スピッツに貼付するラベルを発行しており、中央検査部でのバーコードによる照合作業に使用していました。しかし、従来使用していたプリンターはモノクロ印刷のため、印字内容の重要な部分が直感的に分かりづらい、といった意見が度々現場から寄せられたといいます。そこで、さらに安全性を向上させるために視認性の高いカラー化を検討。電子カルテシステムの更新に合わせ、エプソンの業務用カラーインクジェットラベルプリンターTM-C3400への入れ替えを決断しました。
今回のプリンターの見直しは、管理局経理部管財課長の角(かく)公彦氏が2008年に国際モダンホスピタルショウを訪れた際、出展されていたTM-C3400に目を止めたことがきっかけでした。「これまでは、印字部分の耐水性・耐薬品性などを考慮して熱転写方式のラベルプリンターを使用していたのですが、インクリボンカセットとラベルがセット売りになっていたため、コストをなかなか削れませんでした」(角氏)。また、使用済みのインクリボンカセットは印字部分以外の未使用エリアをかなり残したまま捨てることになり、不経済であることや、転写後のリボンに患者氏名などが残ってしまうため廃棄方法に特別な注意を要することなど、運用上様々な問題があったといいます。「一昔前までは、インクジェットで印字されたバーコードはとても使い物になりませんでしたが、ヘッドとインクの進化により、印字精度や耐水性が大きく向上したことから、ようやく検討対象になりました」(角氏)。さらに、急性期医療を担う同センターの病棟では、日常的にすばやい判断が要求される場面が多く、そこで懸念されるヒューマンエラー対策にも、TM-C3400の導入は非常に効果的と判断。「人の行うことに絶対はありません。だからこそ安全性向上は常に求めていかなければならないのです」(角氏)。検体ラベルをカラー化し、視認性を高めることによって、採血時のスピッツの取り間違いを防止するなど、より安全性を高められるということに期待しました。
過酷な環境テストをクリアした印字耐久性とバーコード認識の確実性を高く評価
日本赤十字社
医療センター管理局
経理部 管財課長
角 公彦氏
日本赤十字社医療センター様では、ラベルプリンターの入れ替えに合わせ、患者さんの本人認証用リストバンドと、それを発行するプリンターも他社製品へ切り替えることを考えていました。従来は、柔らかく厚みのある素材に熱転写方式でプリントしていましたが、コストが高く、印字がきれいに乗らないという問題がありました。そこで、リストバンド素材を見直すとともに、TM-C3400で実用的なリストバンドを印刷できるかどうか検討を開始。同時に、TM-C3400で試験的に印字したラベルやリストバンドを様々な環境下に置き、同センター独自の印字耐久性テストを実施しました。
まず、リストバンドは2週間程度の入院期間中、患者さんが連続装用する状況を想定し、実際に職員が装着して2週間余り日常生活を送り、風呂の湯に浸けたり、太陽光にさらしたり、あえて強くこすってみたりするなど、様々なテストを繰り返しました。また、皮膚アレルギーのある患者さんを想定して、同様の症状を持つ職員が装着してテストを行うなど、使い手の立場に立ったテスト内容も盛り込まれました。
一方、ラベルは検体スピッツだけでなく、滅菌材料や調乳ボトルなどにも使用できる汎用性を確保するため、テストには非常に過酷な条件を揃えました。最も厳しい環境は、高温・高圧の蒸気で滅菌するオートクレーブの処理でした。「医療現場で使うラベルは、凍結保管や高温での消毒、薬品や体液の付着もある現場に対応でき、剥がれず、滲まず、印字内容を正確に読み取れなければなりません」と角氏は語ります。結果、TM-C3400と専用ラベル・専用リストバンドはすべてのテストをクリアし、採用されたのです。
日本赤十字社
医療センター管理局
業務部 医療情報課
主事 山下 典男氏
管理局業務部医療情報課主事の山下典男氏は「電子カルテシステムの更新作業に与えられた期間は6ヶ月。そのうち2ヶ月をかけて、実際に使用する各部署のスタッフにヒアリングし、現場の懸念やこだわりを徹底的に収集しました。その後も、膝詰めで意見交換を重ねながら、視認性の高い印字レイアウトを作り上げていきました」と語ります。そして、2011年12月31日に運用をスタート。安定した稼働で、現在半年が経過しています。
リストバンドは従来よりも薄く、軽くなり、装着感が改善しました。また、印字が確かでスムーズにバーコード認識ができるようになったことが高く評価されています。
さらに、メンテナンス面でもメリットが。「インクカートリッジの交換は前面のカバーを開けるだけで行え、装填作業も簡単です。これまでは、インクリボンを印字ヘッドに通す作業が分かりにくく、装填ミスによるトラブルが頻繁にあったのですが、今ではほとんど無くなりました。また、操作に関する問い合わせが減ったことで、心理的にも時間的にも負担が軽くなりました」(山下氏)。「医療従事者の努力はもちろんですが、間違いが起こりにくいシステムの活用で、今後もより安全性の高い医療を提供していきたいと思います」(角氏)。
「日本赤十字社医療センター」様
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