西部ガス長崎株式会社
長崎工場 様
用途:設備点検などの遠隔支援
使用機種:BT-45CS
西部ガス長崎株式会社は、西部ガスホールディングスの地域会社として2021年に発足。長崎地区で、都市ガス、LPガス、電気などの事業を展開する。同社長崎工場では、都市ガスを生産・供給しているが、2024年3月にエプソンのスマートグラスを導入。導入の経緯や効果などについて、同社の大谷さん、中牟田さん、松尾さんの3名にお話を伺った。
導入製品
オートフォーカスカメラを利用した遠隔支援などで活用できる。防塵防水/耐衝撃性により、ハードな現場にも対応。
型番:BT-45CS
価格:オープンプライス
導入課題
- 管理コストの低減や省力化を推し進めたい
- 現場作業における保安面の信頼性を向上させたい
- 新人に技術・技能を効率良く継承させたい
導入効果
- 少ない人数でも効率的に点検や検査、訓練などが行える
- 遠隔支援により、現場で必要な資料などを素早く確認できる
- 現場に新人が向かっても、遠隔で指導が受けられる
15年に一度行われるというガスホルダーの非破壊検査を取材させていただいた。担当者が遠隔支援を受けながら、ガスホルダー内の検査を管理しつつ、MOVERIOの映像を記録(撮影用に、フラッシュ発光しています)。次回は15年後とのことで、記録した映像により、どのように検査したかを将来役立てられる。従来は、文章による記録が中心だったという。
使用アプリはこちら
Atlas Direction株式会社製 Atlas Remote
撮影、録画、画面共有、チャットに加え、ポインタ表示で直感的に指示を伝えたり、画面ミュート、画面表示サイズ変更、外付けカメラ連携、他アプリ連携といった、現場の作業を支援するのに特化した機能を持っています。
導入背景
「業務や新人教育が効率的に行え、現場作業の正確さも向上しました」
業務効率化や製造原価低減に寄与するため、デジタル技術を積極導入
当社グループ生産部門には「保安の確保」と「安定供給」に加え、製造原価の低減が求められています。これらの両立のため、デジタル技術を積極的に導入検討しています。中でも長崎工場は、規模としては大きくはなく、日々のメンテナンス業務などを少人数で効率的に行う必要があります。
とはいえ、これらの業務に長けたエンジニアの数は限られており、人手不足が深刻化する昨今、スマートグラスなどを用いた遠隔支援の必要性を感じていました。遠隔支援ができれば、経験の少ないエンジニアであっても、管理室などにいるベテラン技術者らのアドバイスを受けながら作業でき、効率的な工事の記録や技術・技能の伝承に繋がると考えたのです。
遠隔支援は、コストを抑えるのであればスマートフォンなどを活用する方法も考えられます。しかし、両手で作業をする必要があるケースがほとんどであり、その点から、スマートグラスを導入することに決定しました。
左:西部ガス長崎株式会社 長崎工場 マネージャー 大谷政和さん
中央:西部ガス長崎株式会社 長崎工場 中牟田章彦さん
右:西部ガス長崎株式会社 長崎工場 松尾裕将さん
長崎工場の球形ガスホルダー。都市ガスを一時的に貯蔵するもので、幾何容積:2007立法メートル、高さ:17.1メートル。15年に一度、ホルダー内のガスを抜いた状態で検査を行い、安全性を確保する必要がある。
導入理由
エンジニアが見ているものと現場側の映像のズレ(視差)が少ない。導入したアプリも秀逸
MOVERIOの導入にあたっては、他社製品も含めて実際に試用しました。採用の決め手となったのは、カメラがグラスの中心部に搭載されており、実際に現場のエンジニアが見ているものと現場側の映像のズレ(視差)が少ないこと、映像に十分な解像度があり、色再現が比較的忠実で画質面でも優れていたことでした。
加えて、アプリ「Atlas Remote」との親和性が高かった点があります。アプリ自体も使いやすく、電波状況などに合わせて解像度などを素早く変更できたり、ワンタッチでスマートグラス内の映像を点け消しできたりするなど、実際の業務に柔軟に対応できることから、MOVERIO BT-45CSとAtlas Remoteの組み合わせで導入することにしました。
西部ガス長崎株式会社 長崎工場の全景。長崎市の一部と時津町、長与町に都市ガスを供給しており、約40,000㎡の敷地がある。工場は少人数で運営しており、遠隔支援の必要性を強く感じていたという。
活用
現場側と支援側の情報共有が容易で映像記録が残せる点も魅力
スマートグラス使用により、現場側と支援側で情報の共有が容易になり、これまで以上に正確な作業が可能になりました。加えて、支援側がベテランであれば現場側は新人でも対応可能で、新人への技術・技能の伝承も行いやすくなりました。これらは、以前であればベテランと新人の2人が現場に行って教える必要がありました。管理コストの低減や省力化が求められるシーンではスマートグラスの導入が最適な選択の1つであると感じます。
スマートグラスに期待していたことの1つである、保安面の信頼性向上に関しても、先述の情報共有などによる正確な作業が可能になったことで達成可能と考えています。さらに、今回取材していただいたガスホルダーの検査のように、長いスパンで行う検査などを映像記録として残しておけるのもメリットが大きいと感じます。実際の現場でも「現場側と支援側のコミュニケーションがスムーズに行える」「アプリもアイコンなどが分かりやすく、直感的に誰でも操作できると感じる」(中牟田さん)、「映像がクリアで支援する側も指示が出しやすい」(松尾さん)と好評で、今後活用シーンをさらに広げられたらと思います。
現場側(作業者)は、スマートグラスを使用することで支援側からの指示に加えて、資料などを映像として確認でき正確な作業が可能。
支援側(管理センター)は、パソコンの画面で現場から送られてくるリアルタイムの映像を見ながら、必要な指示や資料の提示を行う。このときに送られてくる映像と作業者の視野がずれていると的確な指示が出せないが、BT-45CSでは視差が少なく、安心して指示が出せる。
ガスホルダー点検では、現場側がMOVERIOを装着。
カメラが製品中央にあることで、作業者と同じ視野を支援側と共有できる。
BT-45CSにセットされるコントローラーは、スマートフォンなどに近い操作性で、アプリ(Atlas Remote)の作りも良く、素早く快適な操作ができる。
今後の展望
日常的な巡視・点検から訓練や検査など、幅広く活用
導入からまだ日は浅いのですが、作業・訓練などに活用してスマートグラスの有用性を実感しています。長崎工場は都市ガスの製造工場なので、電気を扱う製品を持ち込めないエリアもありますが、そうした場所以外では、これまで以上に積極的に活用したいと考えています。
今後はより広範な作業・訓練に活用するのはもちろん、巡視、点検などの日常的な業務や今回のガスホルダーの検査のように、遠隔支援だけでなく記録も重要になる分野まで、多くの業務での活用を考えています。近年、あらゆる企業で人手不足が課題になっていますが、本工場に限らずスマートグラスは、そうした課題を解決するデバイスの1つだとも感じています。
会社概要
西部ガス長崎株式会社 長崎工場
所在地 | 〒851-1133 長崎県長崎市小江町2734-67 |
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最寄駅 | JR西九州新幹線・長崎本線「長崎」駅 |
ホームページ | https://www.saibugas.co.jp/nagasaki/ |
導入事例PDFダウンロード
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