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アメリカ、インド、ネパールをかわきりに、東欧、西欧、イスラエル、モスクワなどの旅を通して、それぞれの土地に住む人々とたちのぼる地場の空気に魅了され、ポートレート写真を撮りはじめる。中国奥地まで深く入り込み人々と正面から向き合った写真集『Chinese Live』で、旅の足跡を渾身のエネルギーをこめてまとめあげ、1996年に衝撃的なデビューを果たした……写真家・斎門富士男。
その後も、当時の生活の拠点であった神奈川県・葉山の洋館で撮影された若い女性たちのヌードとポートレートを収めた作品集『flamingo』 (97年)、世界中の子供たちの肖像を集めてベストセラーとなった『STAR KIDS』(98年)、葉山での撮影では草木と潮の香りを抱く年代の刻み込まれた古い館で、40匹近くにまで達した愛猫たちを、対等の視野にとらえながら記録した『CAT CAFE』(98年)、『CATs』(99年)、『CAT GARDEN』(2000年)、と数々の個展、作品集を精力的に発表しつづけています。
対象は、さまざまな国で根を張って力強く生き抜く人々の顔と魂であったり、女性たちのエロティシズムに満たされた若々しい姿態と表情であったり、家族のように時を過ごした猫たちと多様であるにもかかわらず、斎門の視線は一貫して独自の情景が切り取られています。強靱でありながら繊細、しなやかでありながら硬質。そして、被写体の領域に深々と足を踏み入れているにも関わらず常に保たれている冷たい客観性。
愛すべき隣人たる動物たちは反面、自然を抱え込む近くて遠き存在であり、目で見るように写真におさめることの難しさを痛感させる存在です。彼らをどのようにとらえ、ファインダー内で的確に写真として構図化しインクジェットプリントならではの表現を与えられるのか、来場者の皆様との共感をベースに考えていくことを願って、『My Dear』シリーズを2回の展覧会を通して企画いたしました。
本展は、板東寛司『猫町写真館』に続くシリーズ第2弾として、斎門富士男によるバリの犬たちの写真をご紹介いたします。最後の楽園とうたわれたバリ島の美しく壮大な自然、純朴な人々と共存し、たくましくユーモラスに生きる犬たち。つい先日悲惨なテロ事件で話題を提供したばかりのバリ島ですが、世界中から数多くの自由人たちが集い、神様にもっとも近い生活を失わない現地の人々との心地よい距離が保たれてきたと言われています。彼の地バリで写真家としての新境地を発見した斎門富士男は、奔放に振る舞う表情豊かな犬たちをただそこに在る一存在としてとらえ淡々と撮りつづけています。
今回の制作にあたっては、アートディレクターに斎門との息の合ったコンビぶりを発揮する斎門椋子を迎え、レタッチされた写真データとイラストレータソフトを使いこんでつくりこまれた画像を重ね合わせ、さらに多彩なタイポグラフィを利用して言葉をちりばめるという手法が選ばれました。
アクリル裏面へ印刷されたイメージがその下にある背景画像と影響しあって
不思議な立体感を見せてくれる。
ネコのユニークな姿態の変化を被写体に選び、数多くの作品を発表しつづけてきた写真家・板東寛司をフューチャーする本展は、母猫の庇護を一身に受けてまどろむ仔猫たち、年月を経て風格さえ漂わせはじめた老猫たち、やや太り気味の身体をくねらせる個性的な猫たちなどの、さまざまな表情と風貌をとらえたインクジェットプリント作品70点あまりによって構成されています。
ネコの撮影には多くの写真家が取り組んでいますが、板東の作品群の特徴は、被写体であるネコたちが飼い猫としてあるいは飼い猫の子供達として、主人である人間の愛情をうけとめられる環境にあることです。彼の主宰するホームページでは常時、愛すべきペットの姿を写真に残したいと願う一般家族からの応募を受付しており、要望に応じて写真家が出張撮影するという独自の手法が選ばれています。通常は人見知りしがちなネコが、無防備な寝姿や堂々としたカメラ目線を写しとられているのはそのあたりに原因があるのかもしれません。
写真家自身、写真集の原稿となる作品の色味やコントラストなどを自らデジタル処理しており、今回の展示作品の大半は写真家本人がコンピューター上でのオペレーション・レタッチを行い、エプサイト独自のこだわりとノウハウによってプリント出力されています。生成されたイメージは、それぞれの猫が持つ豊かな個性を引き出すため、リアリティに固執し過ぎず、一枚一枚絵を描くように仕上げられており、ご覧になる方の目を癒し情感を刺激する独自の視覚効果を与えられています。
このテーマならではの質感やかわいらしさの表現、そして実寸をはるかに超える大判プリントなど、我々と愛くるしい隣人たちとの共存によって実現された安らぎをご覧下さい。
身近な隣人である猫。
多くの人に愛され、また、その愛らしいしぐさに癒されている人々も多いだろう。
その隣人達を写し撮り、大小さまざまなサイズにプリントアウトした。
この展覧会は、20代から30代前半、約100名の若い女性たちに、写真と日々のライフスタイルとの関係性を問いかけることから始まりました。
……などの質問項目を通して浮かび上がってきた結果は、いくつかの象徴的な像を結びました。
このような調査を通して、女性たちの写真やデジタルへの関心の高さにくらべてそれらを活用しきれていない環境が浮き彫りになっていきました。デジタルプロセスを介する写真制作は、その可能性をさまざまに模索することで、写真とインテリア・写真と日常の生活との関係をより有機的で快いものに変えていけるのではないか、という出発点に立ち、彼女たちの感性と生の声を如実に反映させることを目的として本展は企画されました。
出品作家である10人の女性は、自由にのびのびと、インクジェットプリンターを駆使した作品を創りあげました。会場には、エディトリアルの発想にもとづいた作品集や1冊だけのアルバム、写真を見ることを楽しむ仕掛けを随所にほどこしたオブジェ、さまざまな視点からの日記やダイアリーなどの記録、友人たちのポートレート、写真に囲まれたインテリアなど、それぞれの個性を存分に発揮して生み出された作品が並びます。荒削りな部分を隠しきれない一方、自分自身を解放し愉しませるための時間を費やした喜びが立ちのぼる本展会場は、同時に、情報過多といわれる現代、女性たちが視野のなかに何を見据え何を選択したかをうかがわせる貴重な機会となるでしょう。
また調査集計結果から、現在プロのフォトグラファーとして第一線の活躍を続けている佐内正史氏の作品が持つ、ナチュラルに風景の中にたたずむ女性たちのポートレートが高い人気を獲得していることがわかりました。本展では、佐内氏を特別出品作家としてお招きし、ポートレート作品5点を展示いたします。
■江戸川菜穂 Nao Edogawa 1979年生まれ/東京
ボーイフレンドとの谷川岳への旅の思い出を、小さな本と8メートル以上に及ぶストーリィ作品にまとめる。
「普段の生活の写真を撮ることで、改めて、自分の周りにあるものや人を見つめるきっかけとなりました。」
■福重明子 Akiko Fukushige 1981年生まれ/兵庫
幼稚園で美術の講師をしていた際に出会った園児の、将来の夢を伝えるオリジナルアルバムを制作。
「私が垣間見た子供の世界を、一冊の本にまとめました。インクジェットプリンターを使うにあたり、クレヨンや金と銀のディテールに一番気を使いましたが、期待通りの再現ができました。」
■小澤知子 Tomoko Ozawa 1977年生まれ/愛知
デジタルカメラで撮影した写真による複層的な構造を持つオブジェ作品を制作。
「インクジェットプリンター専用紙でない紙でも、その紙にあった表現で、プリントできました。とても細かい線まできれいにプリントできるので、設計図の切り抜きから組み立てまでがスムーズにできました。」
■古川まり Marie Furukawa 1970年生まれ/東京
友人たちのポートレイトを撮影。
「人を顔で識別するのは脳の一部の働きによるという。その部分に障害をきたすと、自分の子供が目の前を通っても誰かわからないという。あらためて友人にカメラを向けると、彼女たちはいつもとは違う顔を向けてきた。ふだん抱いているあやふやなイメージを崩されて私はクラクラした。一時的に障害をきたしたように。」
■笠嶋真樹 Maki Kasashima 1972年生まれ/東京
■三枝良子 Ryoko Saigusa 1976年生まれ/神奈川
写真の心地よい収納・保管・展示の手法をインテリア空間というアプローチで提案する。
「自分たちの作品をただプリントアウトするためではなく、いろいろなものをつくる素材として考えてみたら、とても新鮮で、自分にできることの幅が拡がった気がしました。プリンターにできることをもっと探していきたいですね。」
■松葉里栄 Rie Matsuba 1970年生まれ/和歌山
目にとまった雑誌や印刷物などの切り抜きをコラージュした用紙を縫い合わせ、1冊1冊丁寧に本として完成させていく。
「インクジェットプリントはカラーコピーの平べったい感じとは違い、印刷物のそれぞれを異なった質感で見せてくれるところがおもしろく、さらにいろんな紙を使えばいろいろできるのでは・・・・と感じました。」
■木村和美 Kazumi Kimura 1979年生まれ/福岡
携帯電話で撮影した画像を、ロール紙出力する。会期中も新たな写真を随時メール送信、作品の更新を続ける予定。
「感動した瞬間を写真に撮る。インクジェットプリントは感動したことを自分の手で蘇らせることができ、再び新鮮にその時のことを思い出させてくれる。」
■山本真梨子 Mariko Yamamoto 1977年生まれ/愛知
毎日撮り続けた口に入れる食べ物の写真を、その場にいた人や日記などとともに絵巻物にまとめる。
「日々をかたち創るタベモノたちを、どうしようもない愛おしさと奇妙な執着心で撮りためています。いっぱいのイメージを、生きている流れの中で想像し、楽しく自由に編集・プリントできることが、表現を無限に感じさせてくれます。」
■澤井里恵 Rie Sawai 1976年生まれ/大阪
日常の断片を写真として記録。気に入った作品をインクジェットプリント出力してダイアリーに貼付する。
「最新のテクノロジーによって、視点が開けました。ツールだけの変化であるにも関わらず、それは情報整理の手段として、とても重要な変化だったようです。」
■特別出品
調査結果から、現在プロのフォトグラファーとして第一線の活躍を続けている佐内正史氏の作品が持つ、ナチュラルに風景の中にたたずむ女性たちのポートレートが高い人気を獲得していることがわかりました。 本展では、佐内氏を特別作家としてお招きし、ポートレート作品5点を展示いたします。
「旅する人」
視野にとびこむさまざまな対象に惹かれる自分を意識できる貴重な機会が旅であり、撮影する時点でのカメラとレンズが相手をよりよく見とどけようとするための 「窓」 なのだとすれば、 写しとられた像をプリントに定着し再び見据えることは、記憶を新たによみがえらせ異なる視野を浮かび上がらせるための「鏡」 の役割を果たし、 旅を再生させる行為を導きだします。
■榎並悦子 Etsuko Enami
1960年京都市生まれ。大阪芸術大学写真学科卒業。学生の頃より、岩宮武二、高田誠三両氏に師事。卒業後、岩宮武二写真事務所を経て、独立。
「盲しき花たち」「WIND DROPS」「裏から廻って三軒目」「京都・西陣 機音の響く街」「日本一の長寿郷」「秒速50センチの東京」「越中おわら風の盆」「齢-歳月の頂から」 などの個展を各地で開催。
写真集に「都わすれ-盲老人ホーム船岡寮の日記」「日本一の長寿郷」「秒速50センチの詩」「越中おわら風の盆」「HARA BILA~大地を揺るがすフィリピンの祭」がある。
■長野陽一 Yoichi Nagano
1968年福岡生まれ。多摩美術大学絵画科卒業。沖縄と奄美の島々を撮った「シマノホホエミ」で、ガーディアン・ガーデン「人間の街プロジェクト」(1998年)に参加、写真家として活動を開始する。
「シマノホホエミ 沖縄」 「湘南キミトボク」 「ひなた彼方」 「I BONIN」など個展を開催。全国の離島を撮り続けた作品はシリーズとして展開、2001年にそれらをまとめた写真集「シマノホホエミ」を発表する。
現在、同タイトルの写真展が東京、大阪、札幌、福岡の全国4ヶ所を巡回中。
操上和美氏からのメッセージ
「1点に頼り過ぎない写真というものを、インクジェットプリントでなければできない手法でつくりあげてみたかった。」
「作品をつくりあげていく過程で、私は、旅の愉しさを追体験したのである。」
父が逝って二ヶ月ほど過って、ふと北の海が見たくなり北海道の旅をした。釧路空港から仰ぐ冬のような曇り空が美しく、八十四年という長い生をひとつの土地で生きた父が悲しかった。すべての存在は消滅し、やがて記憶の風景となっていく。それがどうであれ、一人の旅行者となって全感覚を開いた時、自分はいったい何に向かってシャッターを切るのだろうか、それを確認したい衝動に駆られてこの旅は始まった。たった一回限りの光に反射する旅。旅は何時も郷愁を誘いちょっと悲しく、その悲しみを楽しむためにあるようだった。
操上和美
■操上和美 Kazumi Kurigami
1936年 北海道に生まれ
1961年 東京綜合写真専門学校卒業
1965年 写真事務所設立。現在、東京在住
●主な個展
1975年 SKY CAMEL ハートアート(東京)
1984年 陽と骨 パルコギャラリー(東京)
1989年 CRUSH 原美術館(東京)
1992年 Robert Frank 回遊 横田茂ギャラリー(東京)
2000年 Big Time エプソンイメージングギャラリー エプサイト(東京)
2002年 風景-Passage 横田茂ギャラリー(東京)
●写真集
1983年 『ALTERNATES』 誠文堂新光社
1984年 『ALTERNATES』 Rizzoli International,USA
1985年 『HARA MUSEUM of CONTEMPORARY ART』 アルカンシェール財団
1989年 『CRUSH』 扶桑社
1997年 『POSSESSION』 光琳社出版
2002年 『NORTHERN』 スイッチ・パブリッシング ハ
旅で出会い写しとめた人々の笑顔とたたずまいの自然さが魅力的な写真群。石塚氏にとって写真はコミュニケーションをうながすツールであり、そして彼自身の歩みを映し出す鏡でもあるのでしょう。
デジタルプリント出力した作品を対象とするEPSONカラーイメージングコンテストは、高画質インクジェットプリンターで知られるセイコーエプソンが、より多くの人々にインクジェットプリントづくりの楽しさを味わっていただく機会を意図し6年前にスタートしたものです。年々応募総数更新の一途をたどってきた本コンテストの2001年度において、伊藤俊治氏、勝井三雄氏、HIROMIX氏、藤原新也氏、森村泰昌氏による厳正な審査により、石塚氏は両部門全作品の最高賞である、大賞を受賞いたしました。
本コンテストのカタログでは、お二人の審査員が、石塚氏の作品について、以下のように執筆されています。
時代の風がまっ先に運ばれてくるのは、公募展の特性でもあります。デジタルを活用し視覚を自在に切り取っていく新しいタイプの写真家たちの先駆けとして石塚氏を取り上げるこのたびの企画は、エプサイトにとっても最初の、Jpeg方式でパソコンのハードディスクに保存された平均10MB程度の画像データから出力するインクジェットプリント作品群による展覧会となります。この中には、エプサイト・オペレータの独自の制作技術により、大判サイズに拡大・再現された展示作品も含まれます。
カラーイメージングコンテストにおいて提唱された『デジタルと自然の調和へ』というキャッチフレーズにも象徴される、人間の生き方にナチュラルに織り込まれていったデジタルのあり方が石塚元太良という若い将来性にあふれる写真家の才能を得て、表現の未来形を問いつづけるエプサイトの指針と交錯し、本展『World Wide Wonderful』が成立いたしました。
本展作品はすべて、エプソンのミュークリスタ・プリンターで制作されています。
今回の展覧会では、モノクロームの写真作品をインクジェットプリンターで表現いたします。
作品は、中国古代より水墨画家たちが描きつづけてきた自然が誇る壮大かつ繊細な美しさを誇り、90年に世界遺産に指定された黄山という山です。上海から南西におよそ350?、揚子江の下流近くに存在します。標高1841mの光明峰を主峰とし、神秘的な絶景は、古くから中国の詩にうたわれ、日本でいえば、富士山のような存在であり、中国山水画の題材の半分近くは黄山といわれるほどに、中国の人々にとって大切でなじみ深い存在の山です。
汪氏は、硬質の山や岩を男性に、柔軟に形を変化させる雲や霧や靄を女性にたとえ、陰と陽、突極の対比が、光に満たされたハイライトから漆黒の山岩の姿にいたる微細な光陰の階調によって、非常にシンプルにシンボライズされた作品に仕上げています。つくり出された独自の空間は、シンプルであるからこそ、一目で見る人々の心に深い印象を刻み込むものと思います。