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年々増加するデジタルフォト愛好家の方々のためのフォトコンテストとして、「エプソンフォトグランプリ」が今年スタートいたしました。初開催となる2006年度は年に2回実施され、各回受賞者が獲得するポイントの累計によって年間賞が決定されるものです。 本展では、4000点以上の応募作品の中から厳正な審査を経て選ばれた第1回エプソンフォトグランプリ受賞作家から、上位に入賞された10名の方々の作品をクローズアップ。11月5日~12月2日の間、福岡、東京、札幌、大阪で催されるエプソンニューフォトフォーラムでの受賞作品展と時期を併せつつ、独自の企画展として開催いたします。
本展は、独自のプロセスでモノクローム写真に挑む3人の作品をご紹介するPART-1、エプサイトの企画展として新たにプリントした7人のカラー作品によるPART-2という、2つのパートで構成されます。 インクジェットプリンターを駆使してイメージを追い求めていく、上位入賞者の十人十色の作品、人となり、そしてそれぞれの制作プロセスをご高覧ください。
■[出品作家]
野町和嘉氏は、サハラや極限の高地など過酷な大地に暮らし、さまざまな制約や侵攻を受けながらも、脈々と独自の文化を守る人々の心にやどる普遍的な豊かさを、カメラにおさめつづけてきました。肥大化する消費社会とは対照的に、アフリカ、中国、チベット、中東などで、多種多様な伝統を文化の衝突にまみれながら頑強につちかう人々の顔に浮かぶ美しく崇高とすらいえる表情は、自然そのものが持つ神秘と呼応し、野町氏のカメラによって、おおらかな香りに満たされた作品として次々と生まれ変わっていきました。
野町氏のアンデスへの数回にわたる撮影行は、かつてインカ帝国の中心となったうつくしい高原地帯につづいた人類史上まれにみる過酷な"文明の衝突" がもたらしたものを追う旅として、2002年から始まりました。5000メートル近い高地でありながら、きらめく太陽の恩恵と、隣り合う熱帯雨林の影響で豊かな雨を享受する環境で営まれる生活は、一方で、異質の民や思想をふところ深く受容しつつ古来の文明をかたくなに守り抜く混成の地場でもあります。人々の質素な暮らしのなかに伝えられていく原初的な文化と自然が編みあげていく伝説を、野町氏の写真は、ダイナミックにとらえ現地の空気を余すところなく伝えてくれます。
本展は、エプサイトのリニューアルオープン企画として、約70点におよぶ作品を展示いたします。また、一部の半切プリントは、オリジナル作品として会場にて、販売されます。
Talk Show
会期中の10月15日 15:00~17:00に、エプサイトにて作家によるトークショーを予定しております。
予約受付は10月7日より、会場受付またはお電話(Tel.03-3345-9881)にてお申し込みを承ります。定員70名様(先着順)とさせていただきます。
エプサイトの8年間におよぶ軌跡を総括し、たがいに欠くことのできない存在となった写真とデジタルテクノロジーの歩みを、エプサイトとともにコラボレートしてくださった写真家の方々とともにたどることを意図して企画されたepSITE retrospective展が、このたび最終章を迎えることになりました。アーティストとして活躍を続けるフォトグラファーとの出会いが生み出す多様な成果は、EPSONインクジェットプリンターの技術開発の糧として大切にはぐくまれ、現在では、オリジナルプリントが求める耐候性、アーティスティックな再現力、デジタルを活用したクリエイティヴィティなど数多くの要素がインクジェットプリントに内包されるようになりました。同時に、エプサイト・デジタルクリエーターの作品制作テクニックの向上と、導きだされつつあるインクジェットプリントが独自にそなえるさまざまな特性は、新しい写真表現の模索にさらなる未知の回路を開こうとしています。 エプサイトという磁場から創出されたさまざまな可能性は、一貫して写真の近未来を見据える視点を核に、次ステップへの進化の芽を紡ぎだしつつあります。より多くの方々に、エプサイトが提示してきた高いクオリティを体感していただくとともに、写真家の方々の現在進行形の活動を通して、こめられたさまざまな思いの源泉を写真文化の未来像にかさねあわせ、再確認していただければ幸いです。
■category3 参加作家(50音順/敬称略)
赤瀬川原平/荒木経惟/植田正治/上田義彦/大森克己/梶井照陰/桐島ローランド/倉田精二/操上和美/ 今 道子/佐藤時啓/佐内正史/沢渡 朔/鈴木理策/田沼武能/田原桂一/長島有里枝/野村佐紀子/ 畠山直哉/藤原新也/古屋誠一/星野道夫/ホンマタカシ/森山大道/やなぎみわ/山本昌男/汪 蕪生
現在われわれの眼前で起こっているデジタルの日常化は、人々のライフスタイルを驚くべきスピードで変貌させていきました。写真の世界にも同様に、たゆまぬ変化がもたらされています。19世紀半ばに写真機がオランダより日本にもたらされてからおよそ150年を経てデジタルカメラ発売。コンピュータや画像アプリケーション、家庭用プリンターの進化+普及の加速と歩みをともにしつつ、メディア、広告、ヴィジュアル表現などに大きな影響が与えられていきました。プリクラの流行や携帯電話に付属するカメラは、写真を目的から生活にエンタテイメントを加える機能として位置づけ、自己表現の手段は多様に枝葉をひろげています。
1996年に発売され画質に特化することでプリントの領域に新たな視野を拓き大ヒット商品となったEPSONカラリオシリーズ:フォトマッハジェットプリンターPM-700C。その後の大判プリンター、顔料インクなど画期的な商品の発表は、プロ、アマチュアを問わず、個人が写真というメディアを介して独自の世界観を完結できる喜びを生み出しました。98年にスタートした、エプソンイメージングギャラリー エプサイトは、その実証的な空間として各分野の表現者とともにさまざまな展覧会を中心としたプロジェクトを展開してきています。
エプサイト開設以来の8年間は、写真がデジタルテクノロジーと出会って紡ぎ出される変遷が急速なカーブを描きだした過渡期でもありました。これまでの8年間の軌跡を総括するこのたびの「epSITE retrospective 1998-2006」は、エプサイトとその周囲をめぐるアクティヴなムーヴメントを再び辿ることにより写真文化がはぐくんできた多種多様な側面を問いかけると同時に、写真表現に内在する根源的な喜びを捉えることを目的として編まれました。エプサイトとともに企画に携わってくださった写真家の方々の現在進行形の活動を通して、こめられたさまざまな思いの源泉を写真文化の未来像にかさねあわせ見いだしていただければ幸いです。
■category2 参加作家(50音順/敬称略)
普後均/三好和義/北島敬三/大山行男/大西みつぐ/原美樹子/斎藤さだむ/岩合光昭/柴田敏雄/ 伊奈英次/瀬戸正人/江成常夫/管洋志/田中光常/水越武/松本紀生/中村征夫/港千尋/田中哲郎/ 今森光彦/小檜山賢二/小林のりお
デジタル表現がテクノロジーの進化とともに導きだしていく近未来を、写真という領域を中心に探求し続けることを道標に掲げ、エプソンイメージングギャラリーエプサイトという複合的な活動体が98年にスタートしてから8年の時が流れました。この間、80名を超える数多くの表現者の方々との道行きのなかで得られ積み重ねられた、多様な発見と確かな方向性を基盤に、これまでの軌跡を一旦総括することにより、現在進行形の道筋で煌めく新たな可能性を提示することを目指します。本企画展では、98年~06年までにエプサイトの活動に参加してくださったフォトグラファー約80余作家による作品展を3期に分けて開催致します。
■category1 参加作家(50音順/敬称略)
榎並悦子/長野陽一/斎門富士男/都築響一/小林義明/高橋真澄/前田真三/前田晃/坂本昇久/ 石塚元太良/ 樋上朋子/浜崎さわこ/清真美/永津広空/荒木克己/古川まり/尾形一郎/石川直樹/ 高砂淳二/内山英明/ 板東寛司/畠山栄/西永奨/杉江弘/西村美智子
島内の檀家などを訪問して巡る日々の営みのあいまを縫い、どんよりとした曇天がちの天候のもと、海岸線で低く腰をかがめながら、繰り返し打ち寄せる荒波の姿を追い求めて一日3000~5000回カットが切りとられていきます。
冬の佐渡島に猛る、ときには数メートルを超えるほどの荒波は、彼の構えた一眼レフデジタルカメラに向けて、多種多様な表情を表出します。露出を開放にしてシャッタースピードを速め、瞬時のうちに姿かたちを変容させていく波に対し、挑みかかっていくようにも優しく包容するかのようにも思える、独特の美意識にあふれた視線が向けられています。伝わる波動を受け止める水がかたちづくる姿態は、美しいフォルムをファインダーの中に描き出しつつ、あらゆる生命体の滋養で満たされた自然の神秘と、絶え間なく移り変わる時間の存在を、観る者に伝えています。
本山・高野山で密教の修行を積み住職として島内の人々を訪れるなかで、佐渡島に生涯を暮らしさまざまな言い伝えや知恵を身につけた老人たちの撮影を続けているという梶井照陰が魅せられた、悠久の千変万化は、永遠に遺伝子を伝わり受け継がれていくであろう我々のもっとも奥深い部分に向けて、たゆまなく送られるメッセージでもあります。
本展は、波を被写体とした2枚一組の、波の瞬間的な躍動が活き活きと再現するインクジェットプリントによる写真作品、約30組により構成されます。
■梶井照陰 Syoin Kajii
写真家、僧侶
1976年7月26日生まれ/佐渡島在住
1995年~1999年、高野山で修行。1999年高野山大学密教学科卒業。
ベトナム、カンボジア、タイ、パプアニューギニア、イギリスなど、世界各国を積極的に取材して歩く。
2004年、第1回フォイル・アワードを受賞し、写真集『NAMI』(リトルモア刊)を発売。
本書で日本写真協会新人賞受賞。2005年より、月刊『新潮』の表紙を手掛がける。
その他の仕事に、笹川美和、岡村靖幸のCDジャケットや坂本龍一のツアー・パンフレットなど。
現在、佐渡島にて真言宗の僧侶をするかたわら、写真家としての活動をおこなっている。
本展覧会では、まさに留まることなく無限の連鎖を繰り返す波のように、
開放された空間の中に写真家が追い求めるイメージがどこまでも展開されます。
自然が形づくる瞬間を捉えたヴィジュアルは、あくまでもシャープに会場一杯に表現されます。
外壁を覆い尽くすスケールの大きな作品は、
あくまでも自然に、かつ圧倒的な存在感をもって、通りかかる方たちに語りかけます。
荘重な透明感に満たされた時系列で淡々と並べられる美しい情景のなかに、互いを思い合いながらさまざまなどこの家庭にもあるちいさな事件を繰り返し築かれていく家族の営みが叙情豊かに語られていきます。 妻・桐島かれんとの出会い、子供たちの誕生、そしてその成長が、推移する時間とともに刻々と記録され、柔和なモノクロームの階調とよりそい、あたたかな体温をあふれさせます。
上田氏にとって初めての"私写真"の展観となる本展示作品は、80年代からのキャリアにおいて使用フィルムを8×10から35ミリに徐々に移行させていった上田自身の変化と相容れるように、すべてライカM等で撮影されたものです。
度重なる模索の末に選択された美麗なトーンが、発売以来ご好評を頂いているMAXART K3テクノロジーによって再現され、上田氏の求める多彩なイマジネーションが、モノクロームの作品として繊細に実を結びました。
■上田義彦 Yoshihiko Ueda
1957年生まれ。
1980年代より広告を中心に写真家として第一線で活躍中。写真展多数。
主な写真集:
『QUINAULT』(京都書院/1993年・青幻舎/2003年に復刻)
『CONTEMPORARY NUDES 3WOMEN』(美術出版社/1994年)
『AMAGATSU』(光琳社出版/1995年)
『FLOWERS』(光琳社出版/1997年)
『UEDA YOSHIHIKO』(光琳社出版/1998年)
『上田義彦広告写真』(玄光社/1998年)
『FRANK LLOYD WRIGHT』(エクスナレッジ/2003年)
『ポルトレ』(リトル・モア/2003年)
『Photographs』(エディシオン・トレヴィル/2003年)など。
展覧会場の一角に、古い色褪せた写真を利用した作品作りを紹介したパネル「デジタルフォト・メイキング活用編Vol.1」を掲示しました。展示パネルをヒントに、古い色褪せた写真を利用した作品作りを楽しんでみてください。
<会場のパネルに注目!!>
古いモノクロ写真を新たな価値として、いつまでも色褪せない想い出を楽しんでみましょう。 エプソンのスキャナーとプリンター、Photoshopなどの画像ソフトを備えている機能を利用して、 退色を「風合い」ととらえ、年月を経て味わいのある色味を活かした作品創りの方法を紹介します。 ポイントとなるのは「ていねいなスキャニングと完成イメージを頭にしっかり設計しておくことです。」
私は普段から私の周りでおきている身近な世界を観察しながらはっと心に惹かれるものを写真に収めています。例えば友達や風景などを自由にスナップショットで記録しています。そしてもっと細部を観察して特に印象に残ったものを、フラッシュを使いアップの横写真という固定した方法で撮りました。写真を撮りつづけ、また撮った写真を眺めているうちに、私は少しずつ(自分)や(世界)といったようなものが漠然と解りはじめたような気がしました。私は、世界はなんて不思議にあふれているんだろうと思いました。そういう意味を込めて、私はこの作品群をワンダーランドと名付けました。
西村美智子
■西村美智子 Michiko Nishimura
1984年兵庫県生まれ。2003年神戸芸術工科大学ファッションデザイン学科入学。
デジタルカメラを常に携帯し、楽しみながら日毎に100点を目標に写真を撮りつづけている。大学でファッションを学びながら磨かれた生来のユニークな感覚が写真に活かされている。
受賞作品は本の形態で、審査時に審査員を驚かせた編集能力の高さは感性にとどまらない構築能力をも示唆していた。展示作品は、この写真集に収められていた作品に新たに撮影したものも含め、200点以上が予定されている。
大判サイズの紙にペンで手描きした作品の原画を複写し、スキャナで取り込み、色味を調整しています。
2003年から制作し、3年目でここまでの作品になりました。幸せな世界が多くの人に伝わるようにという気持ちで描いています。
桑原英里 DONA
■桑原英里 Eri Kuwabara
1981年東京都生まれ。2004年武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。2006年多摩美術大学グラフィックデザイン学科大学院卒業見込み。
描くことに夢中になり、気がつくと日にちが変わっているほど。手描きのペン画を大型スキャナでスキャンしインクジェットプリントに仕上げている。繊細に重ねられていく筆致が導き出す、ファンタジックな世界は見事なテクニックに裏打ちされている。
エプソンカラーイメージングコンテストとエプサイト展覧会について
EPSON COLOR IMAGING CONTESTは、インクジェットプリンタを用いて多種多様なデジタルプリントを制作するプロセスをより多くの方々と分かち合い、あるいは技や感性を競い合い、皆さんにクリエイティヴの喜びと愉しさをより広く体感していただくことを目的としてスタートいたしました。
応募作品の多様性から、デジタルプリントの持つ多彩な可能性を訴求しつづける EPSON COLOR IMAGING AWARD(2005年よりEPSON COLOR IMAGING CONTESTは各アワードを包括する名称に変更)を核として、より身近なスナップを対象としたファミリースナップアワードや、ネイチャーフォト、スナップをテーマとしたネイチャー&ヒューマンフォトアワードを巣立たせ、2005年に12年目を迎えるまでの間に多くの突出する才能を送り出し、見守ってきました。
これまでエプサイトでは、このEPSON COLOR IMAGING CONTESTの永年の実績を背景に、受賞者の展覧会を催すことにより、彼らのフォローアップと有為の支援を行なってきました。そして、このたび、EPSON COLOR IMAGING AWARD 2005の審査において、時代性を映し出す鏡のように斬新な感覚を提示して審査員から高い評価を得た二人の若い女性作家とともに、受賞作品を中心とした企画を始動させます。
写真を目指すにはさまざまなきっかけがあります。表現への探求、人物像への憧憬、美しさの渇望、記憶の定着、写真を撮るという狩猟的な行為の魅力......そして、それらが、何かを写真という自己の感性が形成するフレームにこめて発現し残していきたいという欲望へと、導かれていくのです。
松本紀生氏の場合は、アラスカという壮大な自然が横たわる風土に惹かれ、土地に暮らす人間たちのおおらかさに惹かれて、写真家としてのキャリアをスタートさせています。若いやわらかな心に深い印象を残した星野道夫氏の作品との出会いも後押しして、アラスカの奥深い自然から描きだされる情景や生き物たちの像を胸に、アラスカ大学に学び、その後、1年の半分は、アラスカ原野でのキャンプ生活をベースに、写真を撮りつづけるようになりました。
夏には無人島にテントを張り、単身ボートで海に出てイルカやクジラやアシカたちが奔放に泳ぐ姿をまのあたりにし、冬には高峰マッキンリーを見渡す雪の大地に何十冊もの本と膨大な食料を積みこんで、ひたすら好天を待ち続けます。広大な風景のなかにたったひとり、しかし、本人にとってはこれ以上ないという至福の生活がそこでは営まれていくのです。日本に帰れば故郷である愛媛県・松山を拠点に工事現場で働き資金を稼ぎ、翌年またアラスカへと旅立っていく......そのような生活が続けられ、すでに10回以上の季節が巡りました。
本展では、定点での撮影を年ごとに繰り返される松本氏と自然との究極の対峙のなかで、記録されてきた写真を、厳選された約50点のインクジェットプリントによりご紹介いたします。また、小型ビデオカメラで撮影され、人間に興味を示す動物たちと氏との交流や自然の壮絶な実態が写しとめられた、美しい映像を会場にて上映いたします。自然界の多種多様な色と形を再現するインクジェットプリントの静止画と、写真家の心の動きを如実に現す動画との組み合わせが、原石のような素朴な欲望を抱え撮影活動を続ける松本氏の人間像を立体的に浮き彫りにしていきます。
「アラスカ原野行」 松本紀生
心魅かれるものを追い求めていくうちにここにたどり着いた。
やがて、『ラストフロンティア』と呼ばれるアラスカの
さらにまた誰も行かない所に行くようになった。
広大な海に点のようなクジラ、
そこだけ時代が止まっているかのような太古からの森、
漆黒の夜空に舞い踊る光のカーテン...。
―ここで一生を費やしても
きっと後悔はしないだろう幾度となくそう思った。
そんな旅をしながら気づいたことがある。
―旅の満足度は作品の出来不出来とは関係ない
一所懸命やっても何も撮れないことがある。
だが、そんな場合でも湧き上がる感動や
生きている充実感は得ることができる。
いつしか、『精一杯』が自分のキーワードとなった。
そして、『精一杯』の僕にときどき自然の神様がご褒美をくれる。
そうやってこころに蓄積されていく信じられない光景の数々。
その一瞬一瞬を写真に刻んできた。
『精一杯』刻んできた。
ひとりアラスカの原野で。
■松本紀生 Norio Matsumoto
1972年愛媛県生まれ。
アラスカ大学卒業後、一年の半分以上を、アラスカの原野で過ごし撮影を行なっている。
『National Geographic Adventure』『Audubon』『山と渓谷』『岳人』などに作品を発表。
スライドショー「アラスカ・フォトライブ」で全国を巡っている。
http://www.noriomatsumoto.com
<卓上ポートレート>
会場の受付カウンターに置かれた「卓上ポートレート(仮称)」は、今回の展覧会にあわせて、エプサイトから特に提案をさせてもらった作品を楽しむための新たな提案。オリジナルの木製卓上型フォルダーに、写真とそのキャプションを並列してプリントアウトした作品を差込みセットして同時にそれを楽しむ。時々、その作品を取り合えれば、また新しい感動のワンシーンが卓上に出現する。
<記録映像の放映>
会場に設置されたEPSON液晶プロジェクションTVリビングステーションでは、松本氏が自ら撮影したアラスカの野生動物の生態を記録した貴重な映像が流され、展示作品と一緒に楽しむことができる。