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エプサイト
『NOCTURNAL ANIMALS』
この度、エプサイトギャラリーは丸山 秀人 写真展『NOCTURNAL ANIMALS』を開催いたします。
本作は、エプサイトギャラリー2024年度公募展応募作品から選出されました。
▶ 作品紹介
『NOCTURNAL ANIMALS』
昼はこの世で、夜はあの世。
都市の光からも遥か遠く離れた夜の河川敷。夥しく無秩序に広がる藪と木。その混沌とした景色の中に突如違う時空から迷い込んだがごとく獣が息を潜めてこちらを窺っている。昼の白日のもとでは現れない。夜の闇にだけ現れるあの世の獣。架空の世界の架空の獣。
子供じみた妄想なのかもしれないが物々しく不気味な闇の中では不思議なほどに現実味を帯びる。
錯覚であることは頭ではわかっている。その一方でどうしようもなく魅せられている。
はたしてこちらの気が触れているのか、それともこの獣たちは紛れもないものなのか?
足元もおぼつかない漆黒の闇の中、架空の世界の架空の獣を捉えるべく息を潜めてシャッターを開く。
降り積もる微かな光に祈りを込めて。
丸山 秀人
▶ 選考委員コメント
鈴木 理策氏(写真家)
夜の植物は、普段は気に留められることは少ないが、撮り方次第で全く別の生き物のように見えることがある。本作は、まさにその夜の植物が主題であり、植物の意外な姿が撮り集められている。人工照明を使用せず、長時間露光で撮影したことは、背景の雲が流れていたり、遠景の町の灯が明るくなっていたり、効果的に作用している。展示では、大きくプリントしたほうが良いと思うが、展示枚数に影響するため、写真のセレクトや組合せ、全体の構成をどうするかがポイントだ。
本尾 久子氏(インディペンデント・キュレーター)
木の生命を実感することで、作者自らも、生きている感覚を得たのだろうか。木や森が醸成する、真っ当でやすらかな空間に寄り添うことが必要な状況だったのだろうか。きっかけはともあれ、この写真世界は、闇の怖さを超えて、とても気持ちが良さそうだ。うらやましいとすら思う。木々との関係性がつむがれていく様子を疑似体験させてくれる点が、本作の吸引力となっている。自然が放つ魔性の力で人々を魅了するような展示構成をイメージする。森の発する気に癒され、写真との対話に埋没できるような空間で、本作を見てみたいと思う。
エプサイトギャラリー公募展
選考委員とエプサイトが協議の上、応募作品の中から優れた作品を選出し、開催する展覧会です。
1983年 | 新潟県生まれ |
---|---|
2005年 | 日本映画学校卒業 |
New Yorkに語学留学、 | |
並びにNew York Film Academy 8weeks program修了 | |
2007年 | フリーの撮影部として映像の世界で活動開始 |
2014年 | 重森豊太郎氏のチーフアシスタントを務める |
2018年 | 独立。暗室技術を習得したくて作家として写真制作を開始 |
2021年 | 「擬似昼景」(PLACE M) |