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エプサイトギャラリー公募展・epSITE Gallery Award
王 華 写真展 「Box of Dreams」
エプサイトギャラリーでは、2020年10月30日から2021年3月17日までの期間に開催された公募展の中から最も優れた展覧会として
王 華 写真展 「Box of Dreams」を「epSITE Exhibition Award」として選出いたしました。
2013年渡伊。
2017年多摩美術大学修士卒業。同年、Gallery 916で卒業選抜展に出展。
2017年キヤノン写真新世紀にて佳作受賞。
展示
• 2017.3.30 - 4.9 shining in your eyes 2017(Gallery 916)
• 2017.10.21-11.19 2017 New Cosmos of Photography Exhibition(東京都写真美術館)
• 2020.07.23 - 08.16 「Touch of Summer -夏の手触り」(ロロ・ピアーナ銀座店)
写真が持つ原初的な力を引き出したいという作者の思いや願いから、同じく原初的なカメラである、ピンホールカメラで撮影された作品。作者は「写真とは何か」「写真には何が写ってしまっているのか」といった疑問、写真の原形を見つけたい、触れてみたいという願いを持っている。そして、その解をピンホールが捉える、不鮮明な被写体のフォルムの向こう側に求めている。本作は、時間経過により写真が色褪せたことで、写真に閉じ込められた記憶がかえって鮮明に感じられるのに似た効果を引き出すことに成功している。作者ならではの作家性や視点が垣間見られる作品に仕上がっていて、優秀な作品が揃った今期の展示において、独自性の高いものに感じられた。大判プリントを使用した展示も、その独特な表現を際立たせるのに効果的であった。
写真や映像が世の中に溢れ、手軽に撮影できる現在、「写真」というもの自体をどのように捉えるかは、これからの写真作家にとって重要だ。そうした中、本作はこのテーマを「写真というメディアを使って何をするのか?」という根源的な切り口で表現している。写真に何が写っているかではなく、何を写せるのかに注目し、ピンホールカメラを用いてビジュアルを変換。それにより、どういったものを世の中に提示できるのか?といった視点で作品化されている。ピンホールカメラでの撮影は、決して成功率が高くない。
何がどのように撮れているかも分からないため、数多くの撮影や撮影後のセレクトを繰り返すことで作品に昇華させているはずだ。
その甲斐あって、ほかの3作品とは異なる、独特な視点によって素晴らしい作品に仕上げることに成功している。
写真には、作者が撮影時に考えていたことが全て写り込んでくる。それは展示でも同様で、何をどのように見せたいか、展示する際に何を考えていたかといったことが反映される。それらを読み解く力がある人は、なぜ撮ったのか、展示時にどういったことを意図したのか、見る人に何を期待しているのか、といった作者の思いや行為を感じ取る。あるいは、読み解く力がなくても、作品の意図などを感じ取ることはできるはずだ。そのため作品制作の際、深い思いや考えを持って取り組んだかが、プリントや展示に形となって表れる。その上で、そうした思いや考えを実現するために必要な技術や装置(カメラや機材)が選べているか、展示方法は最適かといったこともポイントになる。今回の4人の作品は、いずれも深い思いや考えを持って制作されており、レベル差はほとんどなく、1名を選ぶのは非常に難しかった。最終的に王さんの作品を選んだが、できれば、4名全員を選びたいほどであった。
4つの作品はどれも素晴らしく、甲乙付け難い秀作だった。内容的にハイレベルなのはもちろん、技術的にも差はほとんどなかったと思う。強いて挙げると、展示の仕方が作品の内容に対して最適であったかどうかといった点で、極わずかな差があった程度。どの作品がアワードを受賞してもおかしくなかった。その中で王 華さんは、「写真とは何か?」という根源的なテーマに取り組んでいた。ピンホールカメラという原初的な装置を用いて主題を突き詰める手法も含め、ユニークさが際立っていたと思う。何が写っているかではなく、写真を撮る行為そのものに比重を置き、カメラという装置で何ができるのかを追求。ほかの3作品とは、明らかにベクトルの異なる作品であったことが、受賞の大きな要因になっていると思う。とはいえ、今回ほど選考するのが難しかったのは、少なくとも私にとっては過去に例がなく、皆さん自信を持って今後の作品制作に取り組んで頂けたらと思う。
また、選考委員からは王華さん以外の各作品について、以下のような意見が聞かれました。
それぞれの作品性を追求して、さらなる飛躍をされることを期待しています。各出展作家の今後にぜひご注目ください。