- 製品情報
-
- 個人・家庭向けプリンター
<用途から選ぶ>
- <カテゴリーから選ぶ>
- 法人・業務向けプリンター・複合機
- 産業向けプリンター・デジタル印刷機
- 消耗品
- 産業向け製品
- <インクジェットソリューション>
- 個人・家庭向けプリンター
2023年度エプサイトギャラリーの公募展開催作品は以下6作品に決定いたしました。
また、公募展に開催が決定した作品の中で最も優れた作品として、松本真理さんの『フォーエバー・ヤング』を第4回 epSITE Gallery Awardに決定いたしました。
2023年度 公募展開催作品(50音順)
堤 智世
中村 千鶴子
松本 真理
宮本 遼
山田 星太郎
Ryan Andrew Bruss
『New Cosmo in my room』
『冬のスケッチ』
『フォーエバー・ヤング』
『ぼくらの風景 Vol.2』
『KINGDOM』
『Maestros in Shadows』
第4回 epSITE Gallery Award
松本 真理 『フォーエバー・ヤング』
選考委員
鈴木 理策氏(写真家)
本尾 久子氏(インディペンデント・キュレーター)
第4回 epSITE Gallery Award
『フォーエバー・ヤング』
松本 真理 | Mari Matsumoto
2003年 B-semi Learning of System 終了
個展
2012年 「チャイニーズ・ドリーム」コニカミノルタプラザ(東京)
2014年 「思春期」GENBAGEN (神奈川)
2015年 「1192」ギャラリー蒼穹舎(東京)
2016年 「ひゃくやっつ」ギャラリー蒼穹舎(東京)
2017年 「みんな、フィデルの子」ギャラリー蒼穹舎(東京)
グループ展
2013年 「2013年ヤングポートフォリオ展」清里フォトアートミュージアム(山梨)
2015年 「2015 Taiwan photo 」新光三越(台北市、台湾)
選考委員コメント
■鈴木 理策氏(写真家)
テーマなどが限定されていないこともあって、タイプの異なるさまざまな作品の応募があり、一番を選ぶのは難しかった。そうした中で本作は、作者が撮ることを楽しんでいるのが伝わってきて、かつ撮る側と撮られる側の絶妙なバランスの上に成り立っているという面白さが目を引いた。人物を中心としているが、人物以外の写真も丁寧に撮られており、作品全体の魅力を増している。今後はプリントの技術を向上させるなど、技術面を磨きつつ、本作の続編も含め、作者の持ち味を生かした作品づくりに取り組んでほしい。
■本尾 久子氏(インディペンデント・キュレーター)
コロナ禍の影響なのか、自己の内面への探究を形にしていった作品が少なくなく、しっかり考察されていたり、コンセプトをどのように伝えていくかよく練られていたり、写真と作者(「私」)との関係性が、多種多様なあらわれかたをしていて、興味深かった。そうなってくると、テクニック面がより気になってくる。面白い写真が、かならずしも、技術をともなっているとは限らないのが難しいところだ。本作は、「なぜ?」「どうやって?」など考えさせられ想像するという「見るよろこび」を与えてくれる。展示では、元がネガなので、プリントスキャンに取り組んでみるなど試行錯誤があると思うが、その過程で、どんなことをもっとも伝えたくて、そのためにはプリントの方向性をどうすればよいのか、など、いろいろ考えることができるので、さらに深く作品を自分のものにすることができると思う。
第4回「epSITE Gallery Award」受賞
松本真理氏 インタビュー
松本真理さんは学生時代に受講したワークショップで人を撮る楽しさを知ったという。受賞作品は、10代前半の子のポートレートを中心に構成されている。撮影者と被写体との間に生じた緊張感を絶妙なバランスで孕みつつも、被写体が放つ繊細な感覚がそのまま捉えられているのが高く評価され、今回の受賞へとつながった。
ここでは、日頃の写真活動のスタンスや今回の作品のテーマ、展示の構想や今後の活動などについてうかがった。
人物と人となりを感じられるもの、自分の思いを投影出来るものを追求して、作品を制作
——松本さんは、どういった写真の活動をされていますか?
松本さん:学生時代に浅草でスナップショットをするワークショップを受講したときに、初めて一眼レフカメラを使い、人を撮る楽しさを知りました。それ以降、基本的に国内外で人物と人となりを感じられるもの、自分の思いを投影出来るもの、そのあたりを追求して作品を制作しています。これまでに自費で写真集も3冊作りました。「表現活動」という成長はあるけど正解のない世界の荒波に揉まれながらも、クリエイティビティの代え難い面白さに魅了されています。
——エプサイトギャラリーの公募にご応募いただいた、きっかけを教えてください。
松本さん:昨年「epSITE Gallery Award」を以前受賞した柴田慶子さんの写真集に出会い、購入しました。とてもよく作られていて、その写真集を拝見するうちにエプサイトに興味が湧きました。また友人からインクジェットプリンターを頂いたのもその頃でした。これまでは銀塩プリントで作品を作っていたため、応募に至るまでに何となく時間が空いてしまいました。
普段は深く考えないことを写真という記録から再認識
——今回の作品について、内容やテーマを教えてください。
松本さん:10代の子は元々希望の象徴であり、また少し時間を空けて会う度に違う人になっていくような変化が面白くて撮り始めました。しかし10年続ける中で世の中も色々な事がありました。被写体の紹介者の一人も亡くなってしまったことがきっかけで、後半の時期、特に水辺の写真などは死を思いながら撮るようになりました。
普段は深く考えないことを写真という記録から再認識し、年月をかけて撮り続けた一枚一枚が、自分自身の歴史の時間軸の中心であったことに気付けた心の機微のような内容です。
——このテーマを撮り続けていて変化があったことはありますか?
松本さん:昨今よく耳にする「コスパが良い」や「タイパが悪い」というフレーズとは逆のことをしていることに気づきました。しかし、文化的なことに関しては、これらのフレーズを無視して欲しいと強く思うようになりました(笑)
ストレートで真っ向勝負のような展示にしたい
——今回の展示の構想や挑戦してみたいことはありますか?
松本さん:今回の作品のモチーフとなった10代前半の若者や海という存在は、多くの芸術家が選んできた普遍的な要素なので、変化球で攻めるというよりはストレートで真っ向勝負のような展示にしたいと考えています。
デジタルプリントの品質向上、また展示構成に関しては、しばらく自宅の空いた部屋に写真を並べながら自分の撮った作品と共に過ごし長時間眺めることで、作品同士の関係性を深めていきたいです。
——今後の写真活動で挑戦したいことはありますか?
松本さん:この内容をさらに継続して写真集にまとめてみたいです。写真集に残すことでこのタイトルが更に活きる気がします。また、コロナや紛争などで中断されていたミャンマーや中国といった外国での撮影も、少しずつ再開出来ればと思います。
会期:2023年6月23日(金)~7月5日(水)
時間:11:00~18:00
休館:日曜日