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エプサイトギャラリー公募展・epSITE Gallery Award
選考委員 北島 敬三(写真家)・小高 美穂(フォトキュレーター)
2017年4月上旬から9月下旬までの期間にエプサイトギャラリーにて写真展を開催する作品を選出する公募選考会を行い、7組の出展者を決定しました。また、そのうち2名の出展者をエプサイトが写真展開催を支援する「スポットライト制度」対象展として選出しました。選出された皆様の氏名・グループ名および作品タイトルは以下の通りです。
また、今後応募を希望される方へ参考委員からのアドバイスを掲載していますので、
こちらもご覧ください。
50音順
赤坂写楽3人会(片岡英統・太田耕二・Manuel Mousiol)「Nosotros de Cuba / 俺たちのキューバ」
上田和寛「ヨーロッパのように撮りたかった。」
久米健弘「風のつぶやき」
滑田雅春「外来静物」
平木康之「ソトボ」
スポットライト制度とは、優れた表現であり今後の活動に期待できる出展者を選出し、展覧会の開催を支援する制度です。
「Something -invisible」 猪俣肇
1975年神奈川県生まれ。2001年横浜国立大学大学院工学研究科博士課程前期修了。
2003年より独学で写真に取り組む。
主な写真展:「消えない残響:a case of Manhattan」(2013年:キヤノンギャラリー銀座、福岡、梅田、名古屋)、
「あの日から今日、今日からあの日へ」(2015年:リコーイメージングスクエア新宿)
Homepage : Hajime Inomata Photography(http://www.hajimeinomata.com)
自分の心象を撮っている。自転車のカゴを真上から見たカットがあるが、こういう視点の面白さがある。この方は、対象をあるがままに見るのではなくて、自分が見たいように見ている。作品全体としては視点や世界観にばらつきがある部分もあるが、心に残る作品だ。
【北島 評】ご本人のステイトメントに『写真はとても身近な自己表現手段となった』と書いてあるが、“自己表現” と言いながらそれ自体を少し疑っているような、自己表現という言葉の透明性を疑うような感じもする。そこがちょっと不思議で惹かれた。“自己表現” というと悪い意味でのフェティシズムが出てくることが多いのだけれど、ご本人がそう書いている割にはそれがあまりない。また、こういう作品は知らずマッチョなイメージが集まってしまうことが多いが、そうなっていないのがいい。写真は、ナルシストたちの玩具ではないのだ。
「ともだち」 木村高一郎
1975年生まれ 千葉県出身 京都造形芸術大学 中退
主な写真展:「ことば」( 2014年:エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「境界線」(2015年:Soup / 落合)など
受賞歴:2014年 キヤノン写真新世紀 佳作
親にとって子どもというのは“かわいい”存在なのだろうが、この作品はそれを示しているのではない。
子どもを未知のものとして見ているというか、好奇心をもって観察している。撮っているのは極めてプライベートなシーンだが、“まったく違う文化や歴史をもつ人とも共有できる何かが含まれている”そんな開かれた視点がある。
子どもを撮った写真はたくさんあるが、一般的な“子どものポートレートを撮る親の目線” とはちょっと違う。
また、この作品からは、作家活動をしていきたい・作品をつくっていきたいという意志を感じる。
トイレとは本来密室であるはずの場所で、それをいろんなシチュエーションで撮っている。こんな表情を見せるのは子どもだからだろうし、こんな撮影は親子だからできたこと。ステイトメントには“密室での生きるという行為” とあり、そこまで言っているとことが面白いと感じた。応募者はエプサイトでの写真展を一度経験された方のよう。今回はスポットライト対象作品。新たなモチベーションで二度目の挑戦を楽しんでいただけたらと思う。
北島まず驚いたことは、表現が多岐にわたっていたということです。さまざまな写真・プリントがありました。
小高選ばれた作品もバラエティーに富んだものになりましたね。選から漏れた作品にも、クオリティーの高いものが多くありましたし。
北島選考では、エプサイトが定めている「作品性」「プリントクオリティー」「活動姿勢」という3つの基準をベースに、そこに自分なりの“物差し”を加えて考えようと思っています。ですが、初めてなので、どの物差しにするべきかを探りながら拝見しました。結果として、ちょっと照れくさい言い方ですが「joyful」な作品が絞り出されたと思っています。
小高私は特に、活動姿勢つまり“これから先も作家活動をやっていくのかどうか”を軸に考えました。だから質的にはほかのところだったら入っていたであろう作品でも、選ばなかったものがいくつかあります。今後の活動に対する期待や可能性に比重を置いたつもりです。今回選ばれた作品はこれまでの傾向とは違うものもあるようなので、これを見て、また挑戦してみようと思う方もいるんじゃないですかね。
北島そこを期待しますよね。まだ応募していない人への、私と小高さんの挑戦でもある、そういうセレクトです。
小高展示をするってなかなか高いハードルです。時間やお金がかかるしリスクもある。それでも展示をする、その意味をどうとらえているのかがキーになるのかなと思います。
北島それに、理想的な発表場所を探すのはなかなか大変だと思う。貸し画廊を探すのも伝統的な一つの方法ではあるけれど、エプサイトみたいに若い写真家や表現したい人を積極的にサポートする姿勢をもったスペースがあるので、そこにどんどんトライしてほしいですね。空間としても、エプサイトは初めて展示をするには挑戦しやすいところだと思いますよ。
小高プリントづくりについてスタッフに相談できるというのも、すごく大きいと思うんですよね。
北島その通りですね。エプサイトは、ギャラリーとラボが並んでいるじゃないですか。制作の現場と発表の現場が両方一緒にある、あの感じがすごく楽しい。スタティック(静的)じゃなくてアクティブ(動的)な感じがする。すごくいい雰囲気だと思います。
プリントのサイズというのも、作品の内容に含まれます。作品のサイズは内容と合わせて考えるべきです。例えばすごくプライベートな内容の写真であれば、大きくして礼拝的に見てもらうより、小さなサイズにして手で持って見てもらうほうが適していると思われます。一番よくないのは、会場に合わせてインスタレーションしてしまうこと。天井が高いから大きくしちゃおうとか、隣にバーネット・ニューマンの作品が来るから大きくしようとか、そういうのはダメです。8メートルの作品が隣にあっても、キャビネサイズで見せるべき作品はキャビネじゃないと。それも含めて作品なのだから。
展示空間に合わせて作品をつくるのではなく、自分の作品の内容に合ったサイズを厳密に割り出してほしいと思います。それには、いくつも実験的にプリントをつくってみて、選んでいくのがいいと思います。
応募用のポートフォリオや同時に提出する展示プランで、それをしっかり示すといいと思います。