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エプサイトギャラリー公募展・epSITE Gallery Award
選考委員 北島 敬三(写真家)・小高 美穂(フォトキュレーター)
2018年4月中旬から9月上旬までの期間にエプサイトギャラリーにて写真展を開催する作品を選出する公募選考会を行い、6組の出展者を決定しました。選出された皆様の氏名および作品タイトルは以下の通りです。
また、今後応募を希望される方へ選考委員からのアドバイスを掲載していますので、こちらもご覧ください。
■岩城 文雄「△」
1966年兵庫県神戸市生まれ。高松、高知を経て現在は東京都練馬区在住。
広告写真の分野で写真撮影を生業とする。渡部さとる主宰のワークショップ2Bの21期生。2018年春、同名写真集を赤々舎から刊行予定。
よっぽどの関係でないと撮れない作品だと思う。被写体である奥さんは、撮られたくないはずの部分や無防備なところもさらけ出している。不機嫌や作者への嫌悪感を見せているものもあるし、すごく穏やかできれいなものもある。この表情のグラデーションは、そのまま二人の関係性のグラデーションなのだろうと思うし、そこが面白い。奥さんとの共作といえる作品。
【北島 評】おそらく夫婦の間では、普段よりも撮っているときのほうが感情の行き来があって、撮影を重ねていくうちに徐々に二人の関係も変化したのではないのだろうか、などと勝手な妄想がどんどん湧いてくる写真だ。その人が属しているジェンダーによって、写真の見え方や解釈が違ってくることはあるだろう。この写真を見ながら、そんなことを考えた。
■久保 誠「海中肖像写真」
1964年生まれ 東京都出身
2011年1月 エプソンイメージングギャラリーエプサイトにて個展「閉息潜水写真 freediving photography」を開催
2011年6月 千葉県館山市にて個展「閉息潜水写真 freediving photography巡回展」を開催
2012年5月 雑誌アサヒカメラ6月号に作品掲載
肖像写真と言いながら、顔はほとんど見えない。しかし、水中という特殊な状況で正座するその姿形は、内面を写し出す顔よりも、はるかにその人自身の隠喩となっているように思えた。それにしても、「海中肖像写真」という発想は一体いつ、どこで生まれたのだろうか。その来歴の不明さも、大きな魅力となっている。
【小高 評】肖像写真として“抗っている”ところが面白い。人間が魚のように泳いでいる写真はあるが、これはそういうものではなく、人間が水中では異物であるということを示している。水中という人間が棲めない空間で肖像を撮ることで、人間らしさと向き合っているのだと思う。
■平野 良太「僕の団地と、あのマック」
1974年、名古屋市生まれ。2012年より写真表現中村教室で学ぶ。2015年resist写真塾修了(9期)。
異質さや珍しさを撮るという視点ではない。作者は、彼ら(被写体)に自分を重ねながら自分自身を探すような、自分自身のセルフポートレートとして撮っているような印象を受ける。
そのせいか、どことなくみんな似ているような感じがするのも、面白い。
“もしかするとあなたは私かもしれないし、私はあなたかもしれない”そんな視線で少年たちを撮影している。作者は43歳の男性だが、その柔軟な自己意識は、自己と他者の間だけでなく、過去と現在をも自由に往還する。「少年や六十年後の春の如し」という永田耕衣の俳句を思い出した。
■大塚 和也「Objects」
1978年福井県生まれ。
2001年東京工芸大学芸術学部映像学科卒業。2016年より複数の写真家が自主運営するTAP Galleryのメンバーとなり、自身の作品ならびに企画の展示を中心に活動している。
ステイトメントに「付喪神(つくもがみ)」とあるように、言語化できないものというか、現代の神をつくろうとしているのでは。物を断定するような撮り方ではないし、あまり見ない絵になっている。逆光で海と太陽を入れて撮る、という方法論をつくることによって、自分なりの神を立ち上らせようと試みているのだろう。
【北島 評】これまで見たことのない“物の写真”だと思った。異化したり、何かに見立てたり、あるいは極端に抽象化しているわけではない。しかしこの撮影には、例えば逆光で太陽を入れるなど、作者独自のルールがあるようだ。それによって、見慣れた“物”を未知のイメージへと転送することが可能になった。
■矢内 靖史「ゴブノタマシイ」
1964年、福島県郡山市生まれ、福島市在住。地方紙写真記者。
個展:13年「棕櫚の日曜日」(銀座ニコンサロン)、15~16年「かえるふくしま」(エプサイトギャラリー、ニコンプラザ仙台)ほか。
私は昆虫が苦手だが、これは写真として惹きつけられるものがあった。いわゆる昆虫写真とは違っている。
昆虫だけでなく、背景に写り込んでいる風景が語るものが極めて写真的だ。
昆虫のいる風景よりも、昆虫そのものが面白い。標本をつくろうとしているのではなく、昆虫がおどろおどろしい。まったく洗練されていないのだけれど、異様な迫力がある。タイトルのように、本当に「一寸の虫にも五分の魂」が入っている。
■阿部 祐己「Trace of Mountain」
1984年 生まれ 長野県出身
2011年 日本写真芸術専門学校
2011~2012年 写真新世紀 佳作
2015年 三木淳賞
「trace」とは「痕跡・足跡」という意味で、タイトルには、登山で道を行くことや歴史が刻まれていくことなど、複数の意味が込められているのだろう。見ていると、この場所の「trace」をいくつか見つけられる。これがどこなのかを具体的に示していないからこそ、見る側が探りつつ見ていけるのかもしれない。
【北島 評】白地図にいろんなことが書き込まれてきた、と示しているのではないか。その土地の過去へ遡行しようというのではなく、土地は書き込まれ記述されるものであると言っているのだと思う。今後もさらに新しく書き込まれていくだろうと。明快ではないが、面白い仕事をしていく予感を感じさせる作品だ。
北島今回の応募作品の質の高さには大変驚きました。それから、初めて目にするような新鮮な仕事が増えているなと思いました。
小高いわゆる「風景」とか「スナップ」というようにカテゴライズされないアプローチの作品がけっこうありました。前回よりもバリエーションが豊富です。
北島それぞれに個性が際立っていましたね。
小高年齢も20から60代と多岐にわたっていましたし、撮られているものにも既視感がない、誰かのまねではないものが多かった。独自のスタイルのものが多かった印象です。
北島その分、選考の基準が難しかったですね。
小高そうですね。選考に残った作品も残らなかった作品も、強烈なものが多くて、こちらとしても引っかかるというか、揺さぶられるものがあって面白かったですね。
北島そういう中でも、展示作品としての自律性を追求しているものが最後に残ってきますね。具体的に言うと、エプサイトでどういう展示をしたいのか、そこをしっかりと考えているかどうかが分かれ目と言えます。
自分の写真をプリントするのにどんな紙が適しているのか、もう少し考えてみてください。
発色の仕方はもちろんですが、グロスかマットか、紙のテクスチャーや厚さ、地色がホワイトかオフホワイトか、
なども重要なファクターで、それが作品の内容に影響を及ぼすことがあります。
紙も作品の内容だ、くらいに考えていいのかもしれません。
実際のところ、とてもたくさんの種類の紙があって選択肢も複雑になりますが、常に自分の写真に最も適したプリントペーパーを
見つけ出すことを心がけましょう。
さらに、無酸性紙かどうかなど保存についても考慮できればベストです。