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エプサイトギャラリー公募展・epSITE Gallery Award
ひたむきな姿勢が作品に表れているうえ、長い時間をかけただけでなく求めるイメージが明確にある。都会の猫の環境や生態をよくわかっているし、“猫を撮る文法“を完成させている。作品群としても、遠景・近景・中景の作品がバランスよく混在して単調になることなく、たくさんの中からしっかり選んであるという印象を受けた。完成度の高い力作である。
東京の湾岸エリアに暮らす猫を題材にしてから、星野俊光は毎週末をその撮影に費やした。総カット数は20万を超える。場所の下調べをし、カメラと5本のレンズを持って何時間も歩き続けるという地道な作業を繰り返した。それほどまでに彼を突き動かしたのは、生きるに必死な猫たちだけが見せる、凛々しいたたずまいだった。
「猫の写真って、ほのぼのとしたものが多いですよね。私もはじめはそういうイメージで下町の猫を撮り歩いていたんです。埋め立て地には猫なんていないと思っていたんですが、あるとき何気なく足を伸ばしてみたんです。そしたら意外にも、猫はいたんですよ。
しかも彼らの表情は、家や街で暮らす食べ物に困らない猫たちとは、ひと味違っていました。腹が減っても人に媚びないし、したたかで、いきいきとしている。同じ都市に住む者として“お前たちも一生懸命生きているんだな”って、共感してしまいました。
だから写真も自然と同じ目線のものになっていきました。“かわいい”“かわいそう”ではなく、私たちと対等にとらえて。
光の面で見ても、湾岸は太陽光と人工光の両方が劇的に変化する魅力的な場所です。作品に夕景や夜景が多いのは、ドラマチックな光の中に猫たちを浮かび上がらせたかったからです。また同時に、日常では見過ごしてしまうようなふとした瞬間に表れる光にも注目して撮影しました。
結果的に暗い時間帯の撮影が多いのですが、それが作品化できたのは、デジタルのおかげです。フィルムではつぶれるような暗いところまで表せました。またインクジェットプリントにしたことで、自分が見たままに、鮮やかな夜景や夕焼けを再現できたと思います。
この展覧会で「犬猫写真」という言葉のイメージを変えることができたら、と思っています。都市に生きる猫のドキュメントとして、見る人に伝わったらと思います。」