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エプサイトギャラリー公募展・epSITE Gallery Award
タイトルから「鉄道写真」の部類に入る作品かと思ったが、そうではなく、人や生活を切りとったドキュメンタリーだ。いろんな人が乗り合わせ文化が集約される、鉄道ならではの面白さが表現されている。自分の個人的な思い入れが抜けていて、その潔さが1枚1枚を強く印象的に見せている。ごちゃごちゃした風景を引きで見せたり弁当に寄って見せたりと、見る者を楽しませてくれる。また、この独特のプリントの色が、コクがあるというか強い印象を与えている。
「7カ国を回りましたが、ローカル線となるとどの国でも旅行者がほとんどいないんです。だから僕は外国人というだけでも注目を集めたんですけど、現地の人たちにとって“怪しいおじさん”だったでしょうね。大の大人が昼間っから電車に乗ってぼーっとしている。かと思ったら、今度はカメラを取り出してうろうろしているわけですからね。
それに田舎ではまだ一眼レフカメラが珍しいから、子どもたちが寄ってきます。どこの国でもまず関わり合ってきてくれるのが子どもですね。興味を持ったら躊躇(ちゅうちょ)なく話しかけてくる。
大人もね、最初は様子をうかがっているんですけどなにせ狭い車内のこと。間近に座っているわけですから、コミュニケーションのきっかけになるようなことが自然に起きるんですね。そういうのが楽しくて。
僕は観光地や史跡を訪ねるよりも、生活感のある場所を巡るのが好きなんですが、ローカル線というのは地元の人の日常の足。ずっと乗っていればその土地の風土や暮らしぶりがよくわかります。
駅に止まるごとに空気の匂いが変わって、人々が入れ替わり、言葉が変わり、服装が変わり、物売りの人の持ち物が変わり・・・・・・。そうやって信仰や経済や文化の違いが、段々と展開される。そして自分が少しずつ移動していることを実感する。これはまさに列車ならではの味わいです。
そう、中でも面白いのはお弁当です!電車が待ち合わせで駅に止まっているとき、お弁当売りのおばちゃんたちがバーっと乗ってくる。これが安くて、旨くて、よく工夫されていて面白い。食材や調理方法が変わることで、その土地らしさみたいなものがよくわかるんですよ。バナナの皮が使われているとか、米が変わったとかね。だからついつい買っちゃう。
そうやって緩やかな変化を緩やかな時間の経過とともに味わうというのが、ローカル線の醍醐味です。写真を見た人がそれを疑似体験できるような、さらに写っているシーンの先にあるものを想像してもらえるような写真展にできたらと思っています。
同じアジアの営みですから、言葉が通じなくても僕らには“わかる”感じがする?ヨーロッパだったらきっとこんな写真にはならなかった-そんな気持ちも伝わるとうれしいですね。楽しさと、少しのおかしさと一緒に。」