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エプサイトギャラリー公募展・epSITE Gallery Award
生活に溶け込んだ人ならではの視点が面白い。撮影者の好奇心に満ちた、気持ちのいい写真だ。キルギスというあまり知られていない場所なので、新鮮さもある。いいシーン、きれいな色をとらえているが、プリントの質を向上させればもっとよくなる余地があると思う。展示では大小をとり交ぜて緩急を付けるといいだろうし、構成しがいのある内容である。
「ウイグルにはキルギス人が住むアトシュという街があるのですが、あるとき友達がそこから音楽テープを持ち帰ってきました。聴いてみると、歌と三弦の音色の素朴さが心に触れて『いつかキルギスへ行こう』と思ったんです。
滞在したのは、2003年8月から2年間です。システムエンジニアをしていたんですが、この会社でやれることはやった、と思ったので、キルギス行きを決めました。29歳のときです。
行くなら、しばらく住みたい。そこでまずは大学に留学して、行った先で別の大学の職員としてコンピュータ関連の仕事を得ました。
一度、弟の結婚式で帰国したんですが、そのときアパートを引き払いました。ですから、キルギスに戻っても住むところはない。そこで知り合いだった青年、ヌラリ・カディルバエフさんの家に、荷物を持って押しかけたんです。アパートが見つかるまで、半年間お世話になりました。
ヌラリさんは当時17か18歳、両親と弟、妹たちの7人家族で、首都ビシュケクの郊外に暮らしていました。みんな僕に温かく接してくれたし、僕が家を出た後も、親戚の家に集まるときなどによく呼んでくれました。何より、ヌラリさんと僕は気が合ったんですね。物事を深く考えてしまいがちなところが似ていて、話していて楽しかった。
写真は、この家族と一緒に行動している中で撮ったものが多いです。お正月で皆が集まったときに記念撮影を頼まれたり、お父さんは市場で肉の卸をしているのですが、その仕事について行ったりしました。
たまたまバスで街に行ったとき、デモ隊に遭遇しました。大統領官邸にデモ隊が突入してチューリップ革命が起こったんです。
そのときに撮った写真で、革命の喧噪の中を普通に歩くスーツ姿のサラリーマンが写っているものがあります。そういう状況でも、彼にはいつもの仕事があるからそのまま歩き去っている。みんなそれぞれに生活があって、革命があろうと食べていかなければならないんですよね。そういうことが人間らしいというか、“僕らと同じだ”なと思うんです。ヌラリさんの家族も僕の前でケンカしたり、愚痴を言い合ったりする。キルギスと日本では暮らしぶりは違うかもしれないけど、どこに行っても変わらない普通の人間の姿がある。そういうことが写真から伝わればと願っています。
展示では、私がキルギスに行くきっかけとなったコムズという弦楽器やおみやげ品なども並べ、音楽も流します。大学ではコムズの演奏法も習ったんですよ。私が写したのは個人的な思いに過ぎませんが、見た人がキルギスを少しでも身近に感じてもらえるとうれしいです。」