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エプサイトギャラリー公募展・epSITE Gallery Award
ぐっとアップで撮られた写真が特に面白い。応募者が自ら展示プランで示しているように、大きくプリントして飾ると、面白いだけでなくスタイリッシュな写真展が期待できると思う。こうした内容の写真は、紙選びが重要なファクターになる。いろいろな紙を試してみてほしい。
「この作品はISO400のフィルムを1600に増感して撮影しています。現像時間も極端に短くして、コントラストを高めています。徹底的に無駄な要素がそぎ落とされて、生命のあるものが紙の上で無機質なものに見えてくる。それが面白くて、専門学校に通っていたときからずっと撮り続けてきました。
おそらく300本くらいのフィルムを使ったと思います。でも、動物園に撮影に行ってもなかなか条件がそろわないので、あまりシャッターを押せないんですよ。動物がいいポーズで背景が落ちるいい位置にいてくれて、光の状態もいい、そういう瞬間をひたすら待って檻の前で数時間、なんてことはよくあります。それでやっと撮れたと思ったのに現像で失敗したりして・・・・・・泣けてきますよ(笑)。焼き込みなどにも時間がかかるので、1枚プリントするのに3~4時間かかります。
よく『デジタルで撮影してあとで加工すればいい』とか『スキャンデータを黒くつぶせばいい』と言われます。確かにそのほうが効率がいいのですが、この作品では特に、しっかり見えなかったり、粒子のざらつきが程よくあるのがいいのです。その点、デジタルカメラはきれいに撮れすぎる気がします。
それに、偶然性がつくり出すということが、写真の重要な要素だと思うんです。僕が一から十までつくったのではなく、何というか“神の手”的なものが勝手に生み出した部分があるということ。だから自宅で現像するとき“この筒の中には神がいる”と思っています(笑)。陶芸家は作品を窯に入れたら火の神に委ねますよね、それと似ているのかもしれません。
このシリーズ以外の作品もそうですが、僕は『写真でやりたいこと』が最初にあって、そのためにはどんな手法を採るか、と逆算して考えます。撮影の時には撮りたいイメージがはっきりあります。だからこそ撮れなかったときにはすごく悔しいし、その反省が次の撮影につながります。『RAWで撮っておけば後でどうにでもなる』というのは、あまりいいやり方ではないと思います。
今、展覧会に向けていろいろと試行錯誤しています。35ミリフィルムからつくったプリントをスキャンしてつくるインクジェットプリントが、どれくらいまで大きくできるのか。また、どんな紙を使えばコントラストの高い絵柄がいきてくるのかと、悩んでいます。マットブラックインクを使ったインクジェットプリントの黒のしまりがとてもよくて、感激しました。動物たちのきれいなディティールが、迫力をもって見えてくるような展示空間をつくれたらと考えています。」