- 製品情報
-
- 個人・家庭向けプリンター
<用途から選ぶ>
- <カテゴリーから選ぶ>
- 法人・業務向けプリンター・複合機
- 産業向けプリンター・デジタル印刷機
- 消耗品
- 産業向け製品
- <インクジェットソリューション>
- 個人・家庭向けプリンター
エプサイトギャラリー公募展・epSITE Gallery Award
技術的にはまだまだだが、気持ちのこもったいい写真である。自分の視点をもっていて、何を撮りたかったのかが伝わってくる。報道写真でもあるので、ボリビアの状況などを説明するテキストは必要だ。感情をつづるのではなく客観的な事実やデータを提示し、見る人に想像や思考を促すような展開を期待したい。
「ボリビアはブラジルやアルゼンチンに隣り合う南米の国です。有名な観光地としては、ウユニ塩湖があります。日系人も多いのですが、日本ではあまり知られていない国といえるかもしれません。
僕は8歳までボリビアに暮らしていました。その後日本に来てからは、一度も行ったことがありませんでした。でも、もう一度訪れてみたいという思いは、ずっとあったんです。
ちょうどその頃、あるテレビ番組でボリビアの窮状と、野原昭子さんの存在を知りました。ボリビアでは、障害者に対して国からは何の保障や支援もありません。そこで野原さんは障害者のための自立支援施設をつくり活動されています。そこで僕もボリビアの今をこの目で見よう、野原さんに会いに行こうと決めました。
実際に行ってみると、未舗装の汚れた道に孤児や物乞いの人たちがいて、屋根もないような家が並び、野犬がうろついているんです。インフラや社会制度が整っていないところが昔のままで、ショックでした。
ボリビアには海外からいろんな資本や技術が入った時期があり経済的な発展もしたのですが、貧富の差がどんどん大きくなっていったようです。一部の富裕層が暮らす地域だけが整備されていて、きれいなんです。
そこで自分にも何かできないかと思い、必死に生きる人たちの姿を撮ることにしました。彼らに自分のことを説明し、何度も通って撮影しました。
野原さんの施設にもうかがいました。野原さんの施設では、畑で野菜をつくったり、絵はがきやおみやげ品をつくったりしてみんな働いています。そうしたシーンもこの作品中にあります。
困窮は深刻ですが、ボリビア人は元来、明るく朗らかです。休日はお酒を片手に音楽に身を委ねて、陽気に過ごします。この“気持ちの豊かさ”が僕は好きです。そうした懐かしい感覚を、19年ぶりの滞在中、ふとしたことで思い出しました。強い日差しの中に立ったときや、食べ物を口にしたとき、のびのびと過ごした小さい頃の記憶がよみがえってくるんです。そしてそれは、僕にとって失いたくない大事な記憶なんだと、改めて気づきました。行かなくちゃ、という思いの源もきっとそこにあったんでしょうね。
今回のこの写真展によって、たくさんの人にこの現状を知ってもらえたらうれしいです。どの国にも光が当たらない場所はあると思うんですが、そこに目を向けなくては。野原さんの施設についても、国からのバックアップが一切ありません。この写真展でも何か助けになる活動ができればと考えています。」