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エプサイトギャラリー公募展・epSITE Gallery Award
光が独特で印象に残る作品だ。フラッシュバックのような映像でもあり、見た後に“得体の知れないものを見てしまった”という気分になる。タイトルも暗示的・示唆的で、面白い。個々の写真は断片的な光景であるはずだが、全体として見るとドラマティックで映画のようでもある。(応募時のブックが)写真の並べ方に緊張感があり、見開きのつくり方や写真の大きさなどがよく考えられていて、完成度が高い。
「仕事のためにやむを得ず買ったEOS 5Dが、このシリーズを撮らせてくれたんですよ。それも含めて本当に“えん”だなって。
きっかけとなったのは、1年半くらい前のCDジャケットの撮影でした。砂丘のようなところで自転車を撮っていたんです。僕はペンタックス67用の105㎜レンズがとても気に入っていて、それを5Dで使うためにアダプターを付けていたんです。だけど、アダプターが長くて、自分の撮りたい距離感で撮ろうとすると無限遠のピントが合わない。理想の絵を諦めたくなかったから、思い切ってアダプターを外してみたんです。そうしたら、すごく変な画面になった。何というか……絵が“ぐわんぐわん”している感じ。あおり(光軸をずらす操作)がむちゃくちゃに効いちゃっているんです。だけどデジタルカメラだったせいか、ハレーションの具合は撮りながら調整できた。
偶然撮れちゃったこの妙な3D写真みたいな映像を見ていたら、子どもの頃に感じていたことを思い出しました。目の前の光景に対する疑問とか妄想とか、そういう面白いことをいろいろと。小さいときって、『自分がいる“ここ”は本当に今なのか、もしかしたら過去なんじゃないか』とか、『目の前を歩くおじさんは、本当は宇宙人なんじゃないか』とか思いませんでした?
そういう記憶が、どんどんよみがえってきたんです。
その感情こそが、自分がスナップを撮る根拠だったという気がしてきて。僕が写真を撮る理由そのもの、というか。
その頃の僕は、自分の写真について悩んでいました。独立してからがむしゃらにやってきたけど、本当にこれが自分の写真なのか、わからなくなっていた。写真が面白いかどうかさえも。だけど、この変な写真を見たときに、自分がやりたかったことや、スナップを好きな理由がもう一度目の前に広がったんです。『これをやろう!』って。
それからは仕事の合間をみて、日課のようにこのシリーズを撮影しています。ストロボをクリップオンして町に出て、ぶらぶらと歩きながら撮る。新大久保とかが多いですね。ついチャミスルを飲んじゃって、帰る頃には、ほろ酔いになっている。いや、ときどき、べろべろかな(笑)」