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エプサイトギャラリー公募展・epSITE Gallery Award
しっかりとした腕を感じる。1点1点の魅力だけでなく、全体の構成として見えてくる面白さが期待できる。特に新鮮な作品というわけではないが、緻密にまとめられている。
プリントのクオリティーも高く、白の出方が非常にきれいで、全体に安定感がある。大きなプリントで見てみたい作品だ。
「高校生のときには前田真三さんに憧れて美瑛や富良野にも行ったし、十代の頃からきれいな風景を撮ることが好きでしたね。大学に入ってアンセル・アダムスの写真を見たとき、モノクロの美しさに圧倒されました。その頃はワンダーフォーゲルもやっていたので、山ばかり撮っていました。6×7(ロクナナ)とか4×5(シノゴ)にモノクロフィルムを入れて。その頃からずっとモノクロ一筋です。階調の美しさと、フォルムが凝縮された世界が好きなんです。
当時からあちこちの山を撮っていたんですが、『これが○○山である』ということには興味がなかった。僕にとって大事なのは『霧の出方がかっこいい』とか『この部分の形がいい』とか、そういうことでした。
でも次第に、きれいなだけの風景写真でいいのか、ということも考えるようになりました。ちょうど社会的にも、長良川など河口堰の公共事業が問題視されていた頃で、僕も『堰やダムって何なんだろう』という疑問をもつようになりました。それに、大学の先生は『コンセプトが大事だ』って言うし。
それでダムや河口堰を撮りに行ってみたんですよ。最初はやはり批判的な目で見ているんですけど、でもやっぱり、そういう風景を『かっこいい』とも感じるんです。撮れた写真を見て『いい』と思うわけです。自分の中に揺れ動く気持ちがあった。
今回の作品も、その思いの延長線上にあります。今回は中でも、“農”にまつわる風景ばかりで構成しました。レタス畑や玉ネギ畑の中で、『あそこに差している光がいいな』とか『こう切り取ったら面白い』、という発見を積み重ねたものです。
人工物と自然がせめぎ合っていると見るのか、融合していると見るのか、それはどちらでも構わない。批判的にとらえてもらってもいいし、単純にきれいだと思ってくれてもいい。何かを考えるきっかけになるために、写真があるんじゃないかと思っています」