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エプサイトギャラリー公募展・epSITE Gallery Award
会期:2017年1月27日~2月16日 日曜休館 展覧会情報
大橋英児は自動販売機のある風景を追い続けている。国内での作品展は今回で8回目を迎えるが、それだけ長く追い続けられるのは、自動販売機がいつも新しい視点をもたらしてくれるからだと言う。
©Eiji Ohashi
「8年前から自販機(自動販売機)を撮り始めました。撮影場所は、札幌に住んでいるのでどうしても北海道が多いのですが、いろんなところで撮っています。同じ自販機の写真でも、今回初めてカラーにしました。これまでは『記録』として撮りモノクロで表現していたのですが、今回は少し違う意味合いを込めたかったんです。カラーにすることで自販機が派手に浮かび上がり、ある種の生々しさが出ます。そういうプリントを大きく展示することを想定して、この1年ほどで各地を回って撮りました。
先日、シンガポール国際フォトフェスタに呼ばれて今回の作品の一部を展示したのですが、たくさんの人が面白がってくれました。そもそも現金や商品が入ったものが外に置いてあるということが海外の人にとっては驚きなんですよね。派手な見た目もそうだし、存在自体が日本らしい、という感じなんだと思います。撮影は夜中が多いです。撮ろうと思ったきっかけも、夜に自販機が煌々と光っているのを見て“自販機って日本だな”と思ったからなんです。
それまでシルクロードをずっと撮っていたんですが、そういうところから帰ってみると、この明るさとか便利さとか、とても日本的な存在だと気付いたんです。長く撮り続ける中で、自販機のある風景を通して見えることや感じることが、僕の中で少しずつ変化して今に至っています。最初は道しるべとしての自販機やその情景の面白さから始まりました。そして震災があって、自販機は『ガレキ』となり、またすぐ復興のためのインフラになったりしました。
そして今は、現代の孤独をそこに感じています。あの過剰な明るさや色味に、もの悲しさがある。この過剰さもとても日本的ですよね。自販機一つとっても、その利便性やサービスは過剰だと思いませんか。同時にすごくシビアで、どの商品が売れたかはデータで細かく管理されているし、売上げがよくないとすぐに撤去されちゃうんですよ。だから僕の撮っている景色も、すぐになくなってしまうかもしれません。
今回は、B0サイズのプリントを11点展示します。自販機という当たり前の存在を改めて見てもらえるとうれしいです」
©Eiji Ohashi
おおはし えいじ Eiji Ohashi 1955年、北海道生まれ。フリーのカメラマン。自動販売機をテーマとする作品シリーズは2011年以降「Roadside Lights」というタイトルで写真展を複数開催。 |
これまでのモノクロのシリーズもよかったが、カラーになって、環境との関係のとらえ方がよりダイナミックになっている。とても丁寧に撮影されていて、場所選びやアングルの取り方に、長く続けているからこそという力量を感じる。プリントとしても、明暗の難しいところをうまくコントロールしている。自販機を光源としている点、自然光と人工光との関係という点から見ても面白い。
2016年5月選考