モニターとプリントの色合わせ

カラーマッチングのための4つのポイント

モニターとプリントの色合わせ

モニターと
プリントの色合わせ

カラーマッチングのための4つのポイント

多くの人が感じている「モニターとプリントの色が合わない!」という悩み。実はモニターの光とプリンターのインクはそもそも性質の違うものなので、厳密には同じ色を出すことはできません。ですが、できるだけ近づけて作業しやすい環境を作ることは可能です。
今回はモニターとプリントの色を合わせるために必要なポイントをご紹介します。

01色合わせ(カラーマッチング)に
必須の4つのポイント

モニター上で表示される画像と、プリンターから出力されるプリントの色の違いを近づける調整を、カラーマッチングと呼びます。カラーマッチングを行うためのポイントは主に次の4つ。
それぞれが、なぜ色合わせに必要なのかを見ていきましょう。

Point 1プリントが正しく見える光源

写真プリントは環境光(周りの光)によって見え方が変わります。そのため自宅で見ていたプリントを外に持ち出してみると、大きく印象が違って見える事があります。写真の色を正しく見るには、適正な環境光を作る必要があります。

  • プリントが正しく見える光源
  • プリントが正しく見える光源
  • プリントが正しく見える光源

(注)光源によって、写真の見え方は異なります。

日頃からできるだけニュートラルな光源下でプリントを見るようにしておくとよいでしょう。暖色系の照明や、青っぽい色味の蛍光灯は避けるのが無難です。

部屋の照明は昼白色蛍光灯
(緑のパッケージ)がおすすめです。 昼白色

展示する場所が決まっているのであれば、その場所に近い照明でシミュレーションするとよいでしょう。

[参考]
epSITEプライベートラボ(注1)の環境
epSITEプライベートラボ

外光が入らない部屋で、高演色蛍光灯を照明として使用。モニターにはフードが付いており、さらに映り込みを防ぐため、壁をグレーにしています。

(注1)epSITEプライベートラボの詳細はこちらから。

epSITEプライベートラボ

Point 2写真の表示に適したモニター

せっかくモニター上で良い色に調整できたとしても、色が正確に表示されていないモニターで作業してしまっていたら、プリント結果とは合いません。

[モニターとプリントの色が合わない主な理由]

  • ・ノートパソコンでは液晶画面の角度によって、色や明るさが違ってみえることがあります。
  • ・モニターは経年や環境光によっても見え方が変化します。
  • ・最近の一般モニター(写真表示を主目的としてない)は、動画鑑賞に適した設定を出荷時点でされているモデルも多く、元の写真より明るめ・鮮やかに発色されることがあります。そのためプリントするとモニターで見ている画像より、プリント結果が暗いと感じることがあります。

こういった理由により、モニターで見たイメージと違うプリントとなってしまうことが多いようです。
プリントイメージと近づけるためには、写真表示に適した正しい色が表示でき、色温度や輝度の補正ができるキャリブレーション機能付きモニターを準備しましょう。

またはお持ちのモニターでも、キャリブレーションツールを用いることで写真表示に適した色に近づけることもできます。

Point 3正しいプリント設定

プリンタードライバーの標準設定は、プリンターによって異なっています。また、使用している機器や環境に応じていくつかの方法がありますので、下記を参照して、自分に合ったプリント設定を決めておきましょう。

1. キャリブレーションモニター、またはキャリブレーションツールを使用してモニターを調整している場合

→ICCプロファイルを使用してカラーマネジメントする。

プリント設定方法1-プラグインソフトを使って設定。
Adobe® Photoshop®など画像編集ソフトからのプリント時に、プラグインソフトの「Epson Print Layout」や「Epson Print Plug-In」を使えば、ICCプロファイルの設定がシンプルな手順で行えます。

ICCプロファイルの設定

「Epson Print Layout」「Epson Print Plug-In」対応のアプリケーションなど、プラグインソフトについての詳細は「プロセレクション ソフトウェア」ページをご覧ください。

プリント設定方法2-アプリケーションとプリンタードライバーを設定。
こちらの「アプリケーションでカラーマネジメントする場合」をご参照ください。

[参考]カラーマネジメント対応の画像編集ソフト

Adobe® Photoshop® / Photoshop® Elements / Lightroom®、Nikon Captureなどのカラーマネジメント対応の画像編集ソフトを使用すると、適切な色で表示・編集することが可能です。扱う写真データの色空間情報(sRGB / Adobe RGB)(注1)を正しく認識して表示してくれます(注2)。

  • (注1)色空間についてはこちらをご参照ください。
  • (注2)正しい表示のためには、アプリケーションの「カラー設定」などで、設定をしておく必要があります。
    詳しくはご使用の画像編集ソフトのマニュアルをご確認ください。
2. モニターをキャリブレーションしていない場合

→プリンタードライバーでカラーマネジメント

データに忠実な色づくりのプリント設定「EPSON基準色(sRGB)」を選択してプリント。

(注)画像データの色空間情報がAdobe RGBの場合は、「Adobe RGB」を選びましょう。

「EPSON基準色(sRGB)」を選択

プリント設定方法の詳細は、こちらの「プリンタードライバーでカラーマネジメントする場合」をご参照ください。

Point 4カラーマッチングに
適したプリンター選び

色の安定速度が速い顔料プリンター

写真の補正を行う方には、プリントしてから色が素早く安定する顔料プリンターが、作業効率がよくなりおすすめです。染料インクの場合、時間の経過に伴いゆっくりと色が安定していきます。色が安定するまで時間を置いてから色の確認をしましょう。

プリント直後→1日乾燥後(イメージ)
  • プリント直後(イメージ)
  • 1日乾燥後(イメージ)
カラーバランス性能に優れた顔料K3インク

3種類の濃度のブラックインクにより、グレースケールの階調性・色精度を大幅に向上させたK3シリーズプリンター。

顔料K3インク

モノクロはもちろん、カラーにおいても正確な階調表現を実現します。制御の難しい人肌などの低彩度な部分も、必要最小限の色数で色組成を行えるので、色かぶりや色転びのない色表現を実現します。またそれにより、光源依存性(カラーインコンスタンシー)の低い高品質なプリントが可能となります。

02色合わせ(カラーマッチング)の
環境づくり

このように、厳密に色を近づけるためには4つのポイントをしっかりと抑える必要がありますし、モニターや光源等の機材を揃える必要があります。

バッチリこだわりたい方に

理想的な環境を追及したい!という方は。

理想的な環境を追及したい!という方は
  • 1. こだわる方は適正な色温度の演色性の高い蛍光灯を使用することをおすすめします。
    参考:EIZO社製 蛍光灯スタンド
  • 2. 色や明るさなどの調整(キャリブレーション)ができるモニターを導入し調整を行います。
    (注)キャリブレーションセンサーがモニターに内蔵されているタイプと、外付けオプションタイプがあります。
    参考:EIZO社製 『ColorEdge』シリーズ
  • 3. 写真画像のカラースペースを適切に表現できるカラーマネジメント対応アプリから、ICCプロファイルを使用するプリント設定を行います。
    参考:Adobe Systems社製 Adobe® Photoshop® Elements
  • 4. プリンターは速乾性・色安定性とカラーバランス性能に優れた顔料K3インクがおすすめ。
    参考:SC-PX3V(エプソン)

ちょっとずつ改善、という方に

まずはできるところから環境を整え、正しいプリント設定をしっかりできるようにしましょう。

ちょっとずつ改善、という方に
  • 1. まずは、部屋の蛍光灯を替えるだけでもOK。緑のパッケージの昼白色蛍光灯がおすすめ。
  • 2. ノートパソコンの場合は、デスクトップ型モニターにつなぐという方法もあります。
    また、キャリブレーションツールを導入し、お持ちのモニターを調整してみましょう。
    参考:エックスライト社製 『ColorMunki』
  • 3. プリンタードライバーで「EPSON基準色(sRGB)」を選択
    (データの色空間情報がAdobe RGBの時は「Adobe RGB」)。
  • 4. プリンターは顔料プリンターがおすすめ。染料インクの場合はしばらく乾燥させてから確認します。
    参考:SC-PX5V II(エプソン)
  • (注)Adobe、Lightroom、Photoshopは、Adobe Systems Incorporatedの登録商標または商標です。