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マイコンおいて、入出力ポートは欠かすことのできない、もっとも基本的な機能ブロックです。マイコンのソフトウェアからみて、入出力ポートは比較的容易に操作が可能な機能ブロックですが、一口に入出力ポートといっても、その構成や特性などはさまざまであり、十分に理解しないまま使用すると、思わぬトラブルを引き起こす可能性もあります。以下では、一般的にCMOS ICで実現されるマイコンの入力出力ポートについて説明をします。
マイコンの基礎と選び方(評価の仕方)・比較フォーマット
マイコンに関して下記のようなPDF資料がダウンロードできます。マイコン選定などにご活用ください。
出力ポートと入力ポートに分けて、それぞれ構成の違いをみていきます。
コンプリメンタリ出力ポート回路例
Nチャネルオープンドレイン出力ポート回路例
ゲート入力ポート回路例
*1:1実際の回路は、入力信号線に上記のような保護用の抵抗が入っています。
プルアップ付き入力ポート例
エプソンのMCU製品(S1C31 FamilyとS1C17 Family)の概要資料をダウンロード
入力ポートについて、特性上の違いをみていきます。
入力ポートに印加される電位により、HIGHもしくはLOWレベルの信号がマイコン内に取り込まれますが、その電位の閾値は1レベルに固定されています。高速な信号の立ち上りや立ち下りに反応することができますが、入力信号に含まれるノイズに弱くなり、意図しない入力や入力割り込みが発生する可能性があります。
入力波形とマイコンに取り込まれるデータ例(通常の入力回路)
前記の入力回路では、入力電位の閾値は1レベルであり、入力された電位がその閾値の上下どちらかにあるかで、マイコンに取り込まれる値が変化していたのに対し、シュミット入力回路では、ヒステリシス特性*2を持ち、電位の立ち上がり時と電位の立下り時で、その閾値が異なります。外部入力信号に対する応答性は悪くなると言えますが、通常の入力回路と比較して、ポートに含まれるノイズに対しては強くなります。応答性の低下に関しては僅かであり、十数MHz以下のクロックで動作するマイコンの入力ポートの場合は、シュミット入力回路を用いて耐ノイズ性を高めたほうが、メリットがあると言えます。
入力波形とマイコンに取り込まれるデータ例(シュミット入力回路)
*2:ヒステリシス特性とは、ある状態が、現在加えられている力だけでなく、過去に加わった力に依存して変化するような特性のこと。
エプソン製S1C17/31Familyのほとんどの機種では、入力と出力の双方が可能な入出力ポートを搭載し、コンプリメンタリ/オープンドレイン出力、プルアップ/プルダウン抵抗つき入力などをソフトウェアで切り替えることが可能です。また、入力ポートについては、シミュット入力を基本としていますので、外部デバイスとの接続性や耐ノイズ性能が高くなっています。
S1C17/31Familyにおける基本I/Oセル構造例
マイコンの基礎と選び方(評価の仕方)・比較フォーマット
マイコンに関して下記のようなPDF資料がダウンロードできます。マイコン選定などにご活用ください。