導入事例を動画でご紹介
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導入事例を記事でご紹介
「エコロジーバンク82」を標榜し積極的な環境保全活動を行う株式会社八十二銀行では、1970年代のオイルショック以降、他行にさきがけていち早く環境問題に取り組みはじめ、1992年には銀行界で初めて「古紙回収・再生・利用」の一環システム「古紙再利用システム」を導入しました。現在、そこで再生に回される用紙は年間400~500トンにも及ぶとされており、紙資源の持続可能な社会を目指す上で、そのシステムは改善が重ね続けられています。
同行総務部環境室調査役坂本智徳氏に、同行の環境保護活動にかける思い、「PaperLab A-8000」導入の経緯、今後の展望などをうかがいました。
No.1のエコロジーバンクを目指し
環境への想いを具体化
他行にさきがけて紙のリサイクルシステムを実現し、長く紙の再生に取り組んできた八十二銀行では、その工程において機密管理の責任を果たすために多大な手間とコストを投入してきた。PaperLabは紙資源のアップサイクルを実現する点だけではなく、機密管理の面においても魅力が大きいという。
PaperLab導入の経緯を教えてください。 導入を決めたのはエプソンさんの環境に対する課題意識に共感したのと、PaperLabの機密保持性の高さと古紙リサイクルの新技術に可能性を感じたからです。
これまでも長く紙のリサイクルに取り組んでいらっしゃっていますね。 当行では使用済みのコピー用紙や保存期間が経過した伝票・電算用紙を中心に年間約400トン、多い年で約500トンの機密書類が出ます。1992年に、銀行界で初めて「古紙回収・再生・利用」の一環システムを導入し、こうした機密書類を含んだ用紙を県外の古紙業者で溶解処理してティッシュやトイレットペーパーにリサイクルして、当行で使用してきました。
リサイクルに際しては情報管理も重要なのでしょうか はい。リサイクルに際しては、非常に高いセキュリティが求められます。例えば一度封をした段ボールは情報漏洩防止の観点から開封されることが許されず、再生工場では封をした段ボールごと溶解処理してもらいます。また、運送の際には運送車に当行で鍵をかけ運送会社でも開けられないようにし、工場で行員が開錠し立会することが必要となります。金銭的にも人員・時間的にも手間とコストを要しますが、環境性能と安全を両立する為には必要不可欠なコストと考えてきました。
そうした中でPaperLabは新しい価値を生み出すことはできるでしょうか 今、お話ししたようなコストをかけても、機密書類を外に持ち出す以上、不慮の交通事故など情報漏洩のリスクを完全にゼロにすることはできません。そのため、行内で機密文書を完全抹消、再生できるPaperLabはとても魅力的です。もちろん、現在のPaperLabの処理能力では機密書類の処理を全てまかなうことはできません。しかし持続的に運用していくことで、技術的、経済的にさらなる活路が生まれると考えています。
常識を覆す新技術で
紙の持続可能な循環体制の構築を目指す
機密書類の処理と古紙リサイクルに関する幅広い知識を有する坂本氏でも、水をほとんど使用せずに紙を再生するPaperLabのドライファイバーテクノロジーが当初は信じられなかったと話す。紙の常識を根底から覆したPaperLabの導入で八十二銀行は紙資源の循環体制の構築を目指している。
初めてPaperLabの話を聞いた時は相当驚かれたそうですね。 製紙工程に関する常識からいって、水を使わずに紙を作るなんてことはありえないと思っていました。古紙のリサイクルは工場規模の巨大な給排水設備が必要となるため、行内で紙を再生するのは不可能だと考えていたのです。しかし、PaperLabはごくわずかな水で古紙を再生できるというので、初めて聞いた時にはエプソンの名を偽った別の会社が騙しているんじゃないかと疑ったくらいです(笑)。それほど、PaperLabのテクノロジーは製紙の常識を覆す革新的技術だと感じています。
現在、運用はどのようにされているのでしょうか。
まず導入にあたりPaperLab用の部屋を用意し、最適な稼働環境を実現するために空調を完備しました。また床を補強したり壁を厚くして防音対策も施しています。
当行がPaperLabで使用している古紙は年間約20トンほど出る電算用紙です。これまではこれを仕分けて、機密的に問題のないものは裏紙として、そうでないものは溶解処理しリサイクルに回していました。今はPaperLabを月に20日程度稼働し、一日4,500枚程度の用紙を作り出しています。
広がりのある水準の紙、
無駄のない紙資源の循環へ
将来はお客様へお配りするノベルティにもPaperLabで再生した用紙を活用していきたいと坂本氏は話す。その先には、銀行ならではの使い道にも夢をはせる。想像以上に、品質の高い用紙が作り出せることを実感しているからこそ、今後の用途にもさまざまな想いが広がっていく。
PaperLabを初めて稼働させた時の感想を教えてください。 率直にいうなら、想像以上にちゃんとした紙ができていると思いました。古紙100%の紙は品質が悪く、リサイクル紙とはいえバージンパルプを混ぜて紙を白くすることが多いものです。しかし、PaperLabで作られる紙は古紙100%であるにも関わらず、普通に使うのになんら遜色のない白味で、驚きました。
再生した用紙はどのような用途で利用されていますか。 コピー用紙の他、希望する職員名刺に活用しています。今やPaperLabで再生したコピー用紙は本店内に完全に浸透しています。名刺に関しても、受け取った方の多くが「これが行内でつくった再生紙?!」と驚かれるので、環境保全活動のPRになっています。
将来的にはPaperLabの用途をどのように展開させていこうと考えていますか。
処理・再生能力が上がれば行員全員の名刺や自由帳などお客様へのノベルティーに活用できればと考えています。紙質や量の問題があり現段階での実現は難しいですが、PaperLabの再生紙を通帳に使用できたら素敵だと思います。
また究極的に言えば、小型化が進み、各支店にも配備できればうれしいですね。当行からという観点のみならず、支店内で機密書類を外部に出すことなく、紙資源を循環させるサイクルが完成すれば理想的だと思います。
経済的価値をもたらすイノベーションは
人の心を動かす
坂本氏はPaperLabによる可能性は大きいと話す。それは八十二銀行が真正面から紙資源の問題を考え、常に最善の策を講じてきたからこその実感だろう。環境保護活動がともすると経済性の前に縮小しかねないような風潮も、技術革新によって一変することがある。そんなイノベーションに触れる喜びを坂本氏は教えてくれた。
PaperLab導入の即時的なメリットはなんでしょうか。 紙資源の処理・再生のイノベーションを間近で見られることだと思います。環境活動はお金もかかるし、忍耐も必要なので「我慢の環境」と揶揄されたりもします。しかし、PaperLabのような革新的技術が生まれれば、需要が高まり必ず新しい技術へと展開します。ハイブリット車の普及には環境問題への配慮だけではなく経済的な理由が大きいのと同じように、PaperLabも消費者が「環境」という理由だけでなく購入する時が来ると考えています。私たちは機密書類の抹消と再生について真剣に考え最善を模索してきたので、PaperLabによるイノベーションを間近で見られるのはとても嬉しいことなのです。
今後の環境保護活動についてはどのように考えていますか 当行が拠点を置く長野県はきれいな水や空気に恵まれ、県民の環境意識が高い土壌があります。そのため農業をはじめとして自然資本を利用した産業も盛んです。そんな長野県のトップバンクとして、環境を大切にしながら持続可能な社会づくりに励んでいくことは、当行の使命だと考えています。このような活動は決して派手なものではありませんが、派手なことをしないというのも私たちの伝統です。金融機関として機密遵守という責任を果たしつつ、自然とともに生きるという県民性に寄り添って、今後も活動を続けていきたいと思います。
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