朝日印刷株式会社様
紙を扱う企業としてCSRや環境循環の考え方に賛同、「PaperLab」の導入で障がい者の活躍の場も広げられる
取材ご対応者様:(注)写真右側から
朝日印刷ビジネスサポート株式会社 代表取締役 社長
松原 敏雄 様
朝日印刷ビジネスサポート株式会社
取締役 管理本部長
朝日 利美 様
管理部 部長 渡辺 正 様
業務課 喜中 信次 様
業務課 高橋 克行 様
導入製品
PaperLab A-8000
「くすりの富山」で知られる地場産業の医薬品向け印刷包材の供給で独自の地位を築き上げ、包材の企画・デザインから、生産に至る各工程でノウハウを蓄積し、高品質な製品提供で全国展開、2022年に創業150周年を迎えた。現在、医薬品・化粧品パッケージ分野で国内トップシェアを誇る朝日印刷株式会社様。朝日印刷グループとしてサステナブルな社会の実現にも積極的に取り組んでいる。その活動の一環として2022年3月より「PaperLab」を導入、運用業務をグループ特例子会社の朝日印刷ビジネスサポート株式会社にて行っている。導入を決めた松原様や管理・運用を担当している社員の方々にお話を伺った。
導入効果
- 障がい者雇用の創出
- 業務従事者のモチベーションUP
- アップサイクル品作成による社員の可能性や才能の発見
- 社員にSDGs実感・意識改革
ごみの概念を無くしたリサイクルを推進、廃棄処分していた機密文書の処理に採用
原料から製品づくり、物流に至るまで、技術と工夫で環境に配慮した対応を行いながら、廃棄についてもごみの概念を無くしたリサイクルを推進してきたが、パッケージ生産時に発生する大量の製造記録票、個人情報のある資料、機密書類などはリサイクルができず、これまでは専門の処理業者に委託して溶解処理していた。輸送コストの問題や機密情報流出のリスクもあり、その対策として「PaperLab」の導入が最適と判断、CSRや環境循環のコンセプトともベストマッチし導入を決定した。
―「PaperLab」を導入された背景を教えていただけますか。
松原氏:朝日印刷グループはこれまでも、企業として誠実な姿勢を守りながら、次の世代やその先の未来に向けて継続していくサステナブルな社会の実現に努力してきました。現在も、「原材料→製造→消費→廃棄」の直線的プロセスでなく、企業としてサーキュラーエコノミーの一部を担い、CO2削減、リサイクルの推進、環境認証の取得、環境に配慮した再生紙の活用、化石由来原料の使用削減などの循環型経済活動を「朝日サーキュラー」と名付けて推進しています。
森林認証紙(FSC認証紙/PEFC認証紙)や、植物由来原料であるバイオプラスチックの使用、ごみの減量化につながる簡易廃棄パッケージ、廃棄物である砂糖きびの搾りかすと竹の繊維による素材を使用したパルプモールド、緩衝材無しでも衝撃に耐えるよう瓶が宙に浮く構造などの開発、またパッケージ製品の多くは再生紙を活用し、工程で出る端材はリサイクルするなど、原料から製品づくり、物流に至るまで、技術と工夫で環境に配慮した対応を行いながら、廃棄についてもごみの概念を無くしたリサイクルを推進しています。
しかし、パッケージ生産時に発生する大量の製造記録票、個人情報のある資料、機密書類などは普通にリサイクルすることができず、これまでは専門の処理業者に委託して溶解処理していましたが、輸送コストの問題や機密情報流出のリスクもあり、常に何とかならないものかと考えてきました。
そんな時にCSR推進関連本の新書や雑誌記事などで「PaperLab」を初めて知り、どういう機械なのかに大変興味を持ちました。
エプソンへ問い合わせと同時に、「PaperLab」を導入した企業への視察なども行い、その結果、「PaperLab」なら書類を外部に持ち出すことなく処理ができ、大がかりな設備も不要でリサイクル紙を生産できる事が分かり、課題解決の可能性を感じました。
ちょうど導入検討を始めた時期と弊社のCSRに力を入れ始めた時期が重なり、チームの中心的活動として、この「PaperLab」導入を位置付け、「朝日サーキュラー」での企業ポリシーやアイデンティティがさらに強化できることから正式採用を決定。さらに、障がい者の新たな活躍の場の創出として、朝日印刷ビジネスサポートに全ての運用を任せることになりました。
―「PaperLab」は現在どちらに設置されているのでしょうか。
富山工場の機械展示室内に専用ルームを作り、そこで運用を行っています。ルーム内には、朝日印刷のCSRへの取組みや朝日印刷ビジネスサポートの業務を紹介するパネルや、エプソンさんからいただいた実績報告書をもとに環境貢献度が分かるパネルを作成して展示コーナーとしても機能させています。
これまでコストをかけて運搬、溶解処理していた紙を「PaperLab」で再資源化することで、新たな資源(木材・水)を節約、CO2排出量の低減を実現しています。また障がい者の勤労意欲向上にも寄与、さらに従業員の皆さんに「PaperLab」で生産された再生紙を活用してもらう事でSDGsへの参加意識、環境負荷低減活動への意識の高まりを自然体で醸成することに繋がっています。紙を扱う企業として、弊社のCSRや環境循環の取組みとコンセプトも一致しており、正にベストマッチの取組みとなっています。
「PaperLab」の運用やさまざまなツール制作を通じて、障がい者の責任感やモチベーションが向上
古紙の回収や「PaperLab」による生産・管理は全て障がい者の方々で運営。
作業手順書や点検表の作成や再生紙を使ったツール作りなどを通じて、作業への責任感醸成や勤労意欲のモチベーション向上に繋がっている。
―「PaperLab」はどのように運用されていますか。
朝日氏:週に2~3回、弊社富山工場と東工場、南工場の製造記録票・機密書類を回収して再生を行っています。社員の中からチームリーダーを選出し、「PaperLab」の機械操作、メンテナンスだけでなく、作業準備、後片付け、清掃に至るまで全ての作業手順書や点検表などを作成してもらい、それをベースに2名1組で管理・運用業務の全てを行っています。
リーダーには率先して他の社員への教育も担当してもらうなど、自分たちで考え、責任を持って業務を進めるといった新しいスタイルも創出されました。
生産された用紙は300枚単位で包装し、コピー用紙として、朝日印刷本社、営業所や各工場などに配送しています。また、グループ会社のニッポーにも協力いただき、本社や営業部などの名刺にも活用しています。
現在、朝日印刷ビジネスサポートでは、「PaperLab」で1日に600枚程度の再生紙をを生産し、新たに生み出された再生紙を使ってさまざまなツール作りなどを行っています。
ノート、メモ帳、卓上カレンダーなどのデザインや製作を障がい者が手掛けることで、彼らの優れた能力や器用さなどの才能活用の場にもなり、活躍できる機会を大幅に広げることができています。
特にオリジナル手描きイラスト採用の卓上カレンダーは大変好評で、100部作成して社員や支援学校などを中心に配布したのがあっという間になくなりました。
―実際に運用してみての印象はいかがでしたか。
喜中氏:想像していたより機器本体はコンパクトなサイズだったので、内心驚きました。機器操作は難しいだろうと思っていましたが、エプソンの技術者やスタッフの方々が画像入りのマニュアルを用意してくださり、それを見ながら丁寧に説明してくれたのでとても覚え易かったです。
しかし、導入当初は思った以上に湿度管理が大変でした。冬は加湿器、夏は除湿器をフル稼働させても稼働できない日もありましたが、設置場所をパーテーションでルームとしてしっかりと覆い、温度・湿度管理がし易いように整備してからはスムーズに稼働できています。
先日も「PaperLab」を見学に来た方々に私が説明をする機会がありましたが、初めて対応した時は緊張してうまくできませんでしたが、回数を重ねるうちに少しずつ自分から相手に声を掛けられるようになり、成長したことを実感できるのが嬉しいです。
高橋氏:機械は精密なため、一つの過ちで故障してしまうのではないかと最初はとても怖く不安でした。作業手順書や点検表を作ったり、毎日機械を扱うことで準備や紙粉の清掃なども今はスムーズにできるようになりました。
「PaperLab」は目の前で全工程が見えるので、資源循環を説明する上で大変分かり易い製品
今後は地域貢献として、地元の多くの方々にもパッケージ製造工場見学と共に朝日印刷のCSR活動や環境循環に対する取組みや、「PaperLab」を通じて紙資源を大切に循環させている事を見ていただきたい。
―今後の取組みとして考えられていることはありますか。
渡辺氏:現在、朝日印刷の工場見学ルートに、このABS Sustainable Paper Factoryも入れてCSR活動の一環として紹介しています。支援学校の生徒達が見学に来た際には、再生紙でオリジナルノートを制作する体験会も実施しました。今後は、機密書類だけでなく、一般コピー用紙の回収・再生にもチャレンジしていきたいと考えています。
松原氏:「PaperLab」は、コンパクトな機器本体と電気だけで水も使わない(注)画期的技術です。目の前で全工程が見えるので、資源循環を説明する上で大変分かり易い製品だと思います。朝日印刷グループでは、CSR推進室が中心となり、社員全体のSDGsに対する意識の醸成を図れるような発信を継続し、「PaperLab」も弊社内で徐々に認知されてきました。今後コロナ禍が明けたら、地域貢献の一環として工場内の「PaperLab」を見学できる機会を増やしていきたいです。
より多くの方が紙資源を大切に循環しているしくみを体感してもらう中で、楽しく環境保全について学びそれぞれの意識改革に繋がればと思っています。
(注)適度な湿度が必要です。
会社概要
朝日印刷株式会社
所在地 | 富山県富山市一番町1番1号 一番町スクエアビル |
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資本金 | 22億2,800万円(2021年3月現在) |
ホームぺージ | https://www.asahi-pp.co.jp |
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