導入事例を動画でご紹介
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導入事例を記事でご紹介
ワンストップアウトソーシングサービスで、数多くの顧客企業から高い評価を得ているトランスコスモス株式会社は、障がい者が働きやすい職場作りに早くから力を入れ、社員として300人以上が活躍しています。そんなトランスコスモスが、障がい者が携わる業務としてふさわしいと「PaperLab A-8000」を2017年3月から導入。運用実績や、今後の活用計画などをうかがいました。
一人ひとりが
やりがいを持って担える仕事として
民間企業の障がい者法定雇用率は、2018年4月から2.2%に引き上げられた。21年までには2.3%となる予定だ。この状況下、障がい者が働きやすいしくみ作りに長年取り組んできたトランスコスモスでは、PaperLabがまさに自社の雇用促進や仕事創出にぴったりだと考えた。
導入に際して、どのようなことを検討されたのでしょうか。 以前から当社はエプソンさんとお取引をさせていただいており、その中でPaperLabを紹介いただきました。機械の概要を聞いて、当社では障がいのある社員が担っている名刺作成業務に使用できるのではないかと考えました。実機を見に行ったときには、すでに使い途もイメージできている状態でした。
また、私が所属する管理本部では、ノーマライゼーション推進部を擁し、障がい者雇用に携わると同時に環境対策にも携わっています。社内で使用した紙を再利用し、名刺作成を自給自足に切り替えることができるPaperLabは、障がい者雇用に役立つと同時に、環境対策にも対応できます。管理本部の関わる課題を解決するものとしてぴったりだと思ったのです。
長年、障がい者が働きやすい環境を作ってきた経験からいうと、雇用をする上で重要なのは、社内に働く場所をいかに作るか、ということです。雇用率という数字に目が行きがちですが、一人ひとりが長くやりがいを持って働いてもらえるように環境を整えることも含めて、企業は責任を持たなければなりません。
具体的にどのような体制でPaperLabは運用されていますか。 現在は、7名がPaperLabに関わっています。各フロアに置かれている重要書類専用ボックスの回収、紙の仕分け、ステープラーの針の取り外し、紙の整理と機械への投入などを、知的障がいのある社員が担当しています。
作成する紙製品の広がりで
新しい仕事も生まれる
名刺と名刺を入れる箱の作成にと導入されたPaperLabだが、作った紙の用途はさまざまに広がっている。特例子会社のトランスコスモス・アシストの会社案内をPaperLabで生産した紙で作成している他、ノートやカレンダーなど、オリジナルのグッズも作りはじめている。
PaperLabで生産した紙でノートやカレンダーを作りはじめたきっかけはどのようなものだったのでしょうか。 単純に紙の量の問題です。せっかくPaperLabでどんどん紙が作られているのだから名刺だけではなく他のものも作ろうと考えました。名刺自体も、現在使っていない部署からの要望もあるので、広げていこうと考えています。
ノートやカレンダーは、どのように使う計画ですか。 現在は福祉施設に配るなどしています。今後は、お客さまを招いてのセミナーでノベルティとしてお配りする、株主総会でのお土産としてお持ち帰りいただくなど、関係者の皆さまと接するところで積極的に使うことを考えています。
ノートやカレンダーでは、デザインも障がいのある社員が担当しているそうですね。
当社では、障がい者の職場を、管理部門だけでなくサービスや営業の領域にも広げており、特にWeb制作やデザイン、翻訳等の分野でも活躍しています。社内で発生した紙を再利用して、当社オリジナルの紙製品ができることは、活躍場所を増やすこと(職域の拡大)にもつながっています。
ノートやカレンダーを作成する際に、決まった大きさに紙を切る、紙を折る、ステープラーで留めるなどの作業を、知的障がい者が担当します。現在は7名体制ですが、作成物の種類も増えていきますので、10名に増員する予定です。
紙を作る作業だけでなく、新たな仕事が生まれているのですね。 障がいのある人は、一人ひとり特性があります。すべての工程を1人でできる人もいますが、たとえば、紙の周囲を切ることができるけれどカッターは使えない、組み立てが得意など、どこかの作業に特化すれば能力を発揮する人もいます。各自に合った仕事を割り振って、PaperLabによる紙作りや、その後の紙製品作りを支えてもらっています。同じ作業を、集中力を持って持続させることが得意な人が多いことも特徴で、それはPaperLabの作業に適した能力です。(特例子会社「株式会社トランスコスモス・アシスト」管理部部長の鈴木英司氏)
ESGへの取り組みを象徴的に表すPaperLab
ステークホルダーとの関係作りに
昨今は、投資家の間で、財務情報だけでなく、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点を重視する投資が注目されている。ステークホルダーにPaperLabによる作成物の配布を考えているトランスコスモスは、投資家へのアピール効果も考えているようだ。
PaperLabで生産した紙で作ったノベルティは、御社のESGへの取り組みをアピールするものとなるでしょうか。
当社のESGに関する取り組みはまだまだ始まったばかりです。しかし徐々に始めているということは、知っていただく必要があります。たとえば環境に関する施策では、沖縄の海岸で清掃活動をする「ビーチクリーン」の活動等を行っていますが、写真を交えて報告するにとどまります。もちろんそれは重要なことですが、PaperLabで生産した紙によるノベルティの強みは「モノ」として目に見えて手に取っていただけることです。「障がいのある社員が作った、環境のことを考慮したグッズです」と実際のモノで表明することで伝わるものは大きいと考えています。
年に2回、株主向けに株主通信を発行し、業績やできごとをまとめてお伝えしています。PaperLab導入についても、その紙面でご報告をいたしました。この株主通信に、PaperLabで生産した紙を使うことができないか、考えています。印刷業者に発注しているものですから、業者がPaperLabで生産した紙を使えないと実現は難しいのですが、株主や社会とつながる印刷物をPaperLabで出していくことは今後の希望のひとつです。
障がい者、環境にとどまらない
副次的な効果も
PaperLabを導入する主な理由は、環境対策、障がい者雇用促進、機密保持など、組織によってさまざまにある。どの組織にも共通するのは、あるひとつの課題を考えて導入したところ、副次的に他の課題にも効果をもたらすという現象だ。トランスコスモスにおいては、機密情報管理や採用活動にもよい影響があったという。
社内の紙を再利用することで機密情報の管理精度が高まることについても導入時には考慮されましたか。 率直にいって、障がい者雇用という点を真っ先に考えていましたので、情報管理への効果については、あまり考えていませんでした。しかし、以前は重要書類の入った箱を回収し、シュレッダーにかけていたところ、現在はPaperLabによってより安全に情報を抹消することができているのですから、情報管理の質が上がり、結果的によい効果だったと考えています。ESGという面でも、情報管理の質が高いことはアピールできるポイントです。
その他に、何か副次的な効果はあったでしょうか。
このような形で取材をいただける機会が増えたということは、そのひとつでしょう。PaperLabを導入する企業がまだそれほど多くない中、いち早く導入して注目されているアドバンテージを感じています。
障がい者雇用率が引き上げられ、採用が厳しさを増す中、雇用実績が注目されることがよりよい採用活動につながることはもちろんですが、障がい者雇用が進んでいる会社だというイメージを持っていただけることは、新卒の採用においても、よい効果があります。従業員を大切にする企業である、また社会貢献を考えている持続可能な企業だというイメージを学生が持ってくれるのです。
先に述べたESG投資に端的に表れるように、企業の価値をどのように判断するか、という基準はここ数年変化をしています。今後、ESGやSDGsへの取り組みの一環として、企業イメージのアピールとして、より積極的にPaperLabを活用していきたいと考えています。
PaperLabを操作する担当の関口孝平さん
初めは、機械のエラーが出ると戸惑いましたが、マニュアルを見ればわかりやすかったので、困ることはありませんでした。今は操作にも慣れて、マニュアルなしでも作業できるようになりました。色つきの紙、厚みのある紙、いろいろな紙を作る職人の気持ちで仕事をしています。
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