株式会社筑豊製作所 様
用途:機械メンテナンス
使用機種:BT-35ES
1946年創業の筑豊製作所は、エンジン事業、建機・クレーン事業、産機事業、技術開発などの分野で主に機械メンテナンス・修理・販売を手掛け、確かな技術力と豊富な実績を持つ。2022年3月、筑豊製作所では、エプソンのMOVERIO BT-35ESを導入。そこで、その経緯や効果などについて、同社の平岡弘文さんと野中英紀さんに伺った。
導入製品
カメラを利用した遠隔支援など、さまざまな用途で活用できる。
型番:BT-35ES
価格:オープンプライス
導入課題
- 離れた場所にいるベテラン技術者の支援が受けられるようにしたい。
- 両手で作業をしながら、映像や資料をほかの技術者などと共有したい。
- ベテラン技術者の視線の動きを動画記録し、若手との違いを視覚化したい。
導入効果
- スマートグラスの導入で、映像や資料を見ながらの作業が可能に。
- 内蔵カメラでの視野の共有により、遠隔地にいるベテラン技術者からの支援が可能に。
- 内蔵カメラにより、技術者の視線の動きが記録できる。
使用アプリはこちら
Atlas Direction株式会社製 Atlas Direction
撮影、録画、画面共有、チャットに加え、ポインタ表示で直感的に指示を伝えたり、画面ミュート、画面表示サイズ変更、外付けカメラ連携、他アプリ連携といった、現場の作業を支援するのに特化した機能を持っています。
導入背景
「遠隔支援で技術者の自立を促し、両手で効率的に作業できます」
若手社員の自立のための技術支援にスマートグラスの活用が有効と考えました
筑豊製作所では、エンジンや建機、産機のメンテナンスなどを行っていますが、それらは主にベテラン技術者が中心となって実施されます。そして、その技術はベテランから若手に受け継がれて行きますが、経験豊富なベテランの数は限られ、従来のように若手技術者がベテランに同行して技術を身に付けるには5年程度が必要です。
これらに対し、スマートグラスの活用により、若手技術者が自ら考えて判断し、主体的に対処するための自立支援ができるのではないかと考えたことが導入の背景です。スマートフォンを用いる方法なども検討しましたが、機器の操作や作業は両手を用いる必要があります。そこで、スマートグラスを導入することにしました。
導入により、ベテラン技術者がその場に居なくても遠隔支援を受けられるようになることで、若手技術者が安心して作業ができ、ベテランのノウハウを吸収する機会を増やすこともできるようになると期待しました。支援をするベテラン技術者にとっても、自らが担当している現場とは別に出先からもう1つの現場もフォローできるようになり、仕事の効率化が図れるのではないかと考えました。
株式会社筑豊製作所 サービス本部
取締役 サービス本部長
平岡弘文さん
株式会社筑豊製作所 経営企画室
執行役員 経営企画室長
野中英紀さん
BT-35ESのディスプレイは、1280×720ピクセルで仮想画面サイズは80型相当(仮想視聴距離5m時)となっている。図面などを確認する際も十分な大きさで見ることができ、必要な部分を拡大することで細かい文字なども読めるとのこと。
導入理由
対応アプリ含め、性能や機能、信頼性を重視してMOVERIOを選択
MOVERIOのモニター表示について語る平岡さん(写真右)と野中さん(同左)。画面サイズや表示品質に満足しているとのこと。
両手を使って作業ができる状態で資料の閲覧や録画ができるといった条件から、スマートグラスを導入することは比較的早い段階で決まりました。そうしたなかでMOVERIOに決めた理由は、同様の製品をいくつか比較した結果、価格や性能の面で秀でていたこと、メーカーの信頼性が高いこと、対応アプリであるAtlas Directionとのマッチングが良いと感じたことでした。
そのAtlas Directionについても、作業者の視野の共有や録画、モニターの表示サイズ変更などが可能で、課題解決に必要な機能をひととおり備えていたため、MOVERIOとAtlas Directionとの組み合わせで導入することに決めました。
活用
若手の技術習得に効果的なだけでなく、遠隔支援による仕事の効率化も可能
通信技術を用いて、離れた場所からベテラン技術者が若手技術者の支援をすることのほかに、MOVERIOのカメラでベテラン技術者の視線の動きなどを動画記録。若手との違いを比較して研修などで活用することも試みました。
これにより、研修などを通じて作業中に何を見て、何に注意すべきか、確認する順番に間違いがないか、見落としがないかいったことを視覚化でき、多くの技術者と共有することができたのは、大きな成果だと感じています。
このほか、遠隔支援が可能になったことで、比較的簡単なメンテナンスや設定、機器の状態確認などであれば、営業担当者や新人技術者が出向いてエンジニアの指示に従って対応できるようになりました。人手不足の解消や、スピード感のある対応が可能になってきました。
人手が足りていない部署では、MOVERIOや遠隔支援の活用で、ベテラン技術者がこなせる仕事の量が増え、効率よく仕事ができるようになってきたようです。ただ、部署や技術者によっては、これらを活用しきれていないケースもあるようなので、社員がこれらを使う機会を増やす工夫などにより、さらなる仕事の効率化に繋げたいと考えています。
①クレーン車は、ブーム(クレーンの腕の部分)の長さや設置場所の条件などに応じた設定が必要。
②MOVERIOのカメラでクレーンの設定画面などを映すことで、遠隔地にいる技術者の支援が受けられる。
③支援する側では、パソコン画面に映し出される映像を確認し、必要に応じて、助言や資料の提示を行える。
パソコンとMOVERIO間で図面を共有している様子。MOVERIO側では、視野に大きく広がるモニター画面で図面を見ながら作業ができる。モニターはシースルー表示だが、表示を素早く消すことも可能。
送られてくる映像は、パソコン画面などに大きく表示できる。映像を見て、複数人で話し合いながら対応策を指示することも容易だ。
今後の展望
マニュアル動画作成や中古機の遠隔査定など、幅広く活用したい
現在のところ、専任の(あるいは1人の)技術者にしかできない仕事がいくつか存在するのですが、これらについてのマニュアル動画を作成し、担当の技術者が病欠するようなことがあっても対応できるように準備を進めています。その際、MOVERIOによる技術者の視野の映像を活用することで、わかりやすい動画にできるのではないかと期待しています。
建機などについては、中古の買い取りや販売も行っているのですが、買取の場合には査定を行う必要があります。その際、MOVERIOを使って遠隔で査定ができれば、査定担当ではない社員が出向いて対応することも可能になると思います。さらには、営業担当に作業現場の映像を送ってもらうことで、サービス担当が現場の状況を事前確認することもできそうです。
会社概要
株式会社筑豊製作所
所在地 | 〒811-0196 福岡県糟屋郡新宮町的野741-1 |
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最寄駅 | JR鹿児島本線「福工大前」駅より車で約15分 |
ホームページ | http://www.chiku.co.jp/ |
導入事例PDFダウンロード
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