株式会社SUBARU 矢島工場 様
用途:自動車ボディ3次元測定
使用機種:BT-45C
1969年に開設されたSUBARU矢島工場。東京ドーム12個分の広大な敷地で、名車レガシィやフォレスターなどを生産する。プレスや溶接、ペイントは主に1,200台のロボットが行い、エンジンやトランスミッションの組み立てや細かな部品の取り付け、完成検査などは、およそ3,600人の従業員が従事。年間40万台以上を国内外に出荷する。
導入製品
Full HD・120型相当(仮想視聴距離 5m時)の高精細・大画面で、マニュアル・図面などもクリアに認識できる。
型番:BT-45C
コントローラー(モバイルPC):Dynabook株式会社 dynaEdge DE200
導入課題
- 測定機とPCの間を何度も往復する必要があった。
場合によっては2名で作業をすることも - 測定エラー、あるいは漏れや測りムラなどに気づかず、やり直しが発生
- 治具の配置や段差・高低差により、移動がしづらく転倒の危険もあった
導入効果
- スマートグラスにPCの画面が映るため
・ワイヤレスマウスでPC操作が可能に
・測定エラー穴の測定漏れ、無接触の測定ムラなどをリアルタイムに確認できる - 作業者の往復または、もう一人の作業者が不要。やり直しも防止
3次元測定機と接続し、離れた場所に設置したPCのモニター画像をMOVERIO BT-45Cに映写し、自動車のボディの3Dモデルや検査値を確認しながら穴の位置の精度や表面の凹凸を測定する様子。ワイヤレスマウスによる遠隔操作が可能となったため、測定機をコントロールするPCへの移動は不要となり、作業効率が格段にアップした。
導入背景
MOVERIO導入により効率性はもちろん、同時に安全性もアップしました
3次元測定機とPCの間を何度も往復しなくてはなりませんでした
矢島工場では各生産過程で自動測定を行っていますが、ライン上で何らかの不具合が生じた際、現状把握と要因究明のために抜き取り検査を実施します。例えばボディであれば、穴位置の精度や表面の凹凸を測るために、多関節の3次元測定機を活用していますが、最初に「何を測るか?」「どのような形状のものを測るか?」などを設定。そして1ステップごとに、測定機をコントロールするPC側でも操作が必要となります。
また、測定手順や測定値がPCの画面に表示されますが、その測定結果が正しいのかどうかを判断することも必要です。測定手順から外れるなど、自分の手順ミスによってエラーになることもあるので、その際もまたPCに戻って最初から作業をやり直すことになります。さらに表面の凹凸を確認する場合、測りムラが生じることも多く、画面を見ながら測定しなくてはなりません。このような理由から、一連の作業を1人で行う場合、何度も測定機とPCの間を往復する必要があったり、場合によっては測定機を操作する作業者とPCを操作する作業者の2人で作業することもありました。
さらに工程によって違いはありますが、ボディが組みあがる最終工程においては、PCまでの距離は最大で10メートルにもなります。入り組んだ作業場所もあり、多くの治具などが配置されたり、段差や高低差もありました。そのため、移動の際に治具にぶつかったり、転倒し怪我をしたりするリスクもありました。
最初に「何を測るか?」「どのような形状のものを測るか?」などを設定し、さらに1ステップごとに、測定機をコントロールするPC側でも操作が必要となるため、何度も行き来したという。また測定者とPC操作担当の2人体制で対応することも。
株式会社SUBARU
車体生産技術部車体開発課
菅原 貴英さん
導入理由
タブレットや単眼スマートグラスより使いやすい。コスパも高いと思います
いくつかの選択肢のなかで、タブレットも検討の俎上にあがりましたが、画面を見たり手元を見たりと目線の動きが大きくなるという懸念がありました。そんな時、他部門でMRグラスを試したという話を聞き、目に近く、目線の動きが大きくないという点で、製造現場でも使えるのではないかと検討を開始。MOVERIOに出会う前に、単眼タイプなど他の製品を試してみたのですが、実際に使ってみると気分が悪くなる(酔ってしまう)ものが多く、正直、測定作業で使えるものではありません。さらに情報を収集し、たどり着いたのがMOVERIOでした。画像がしっかり見えて、気持ちが悪くならないという点に加え、コストパフォーマンスにも注目。Wi-Fi®を使ってミラーリングをするという、とてもシンプルな仕組みで、測定機をコントロールするPCと簡単に連携が図れる点も魅力でした。専用アプリが不要なので、価格も2桁ほど変わってきます。
Wi-Fi®を使い、測定機をコントロールするPCと、MOVERIOをコントロールするモバイルPCをミラーリング。高価になりがちな専用アプリが不要になる。
活用
約25%の時間短縮を実現。さらに作業時の安全性も向上しました
MOVERIOを導入し、測定機を操作しながら離れた場所にあるPCの映像をグラスで見ることができるようになりました。グラス越しにPCに表示されている内容と同じデータが確認できるうえ、以前、PCで行っていた操作はワイヤレスマウスを使って、遠隔操作が可能になったので、1ステップごとにPCを見に戻る必要もありません。それによって無駄な移動がなくなり、作業効率が大幅に向上しました。例えばボディ全体を測る場合で比較すると、導入前に対して約25%の時間短縮を実現しました。また導入前には複数の人員で測定作業を行うこともありましたが、今では一人で作業を行えるようになっています。カラーマップという機能を使えば、図面と製品データの違いが一目で分かるようになっています。測定漏れも少なくなり、経験の浅い作業員も精度の高い測定が可能です。
また、測定機を操作するときに両手が使えるようになり、スムーズに作業ができるようになった点も大きいです。画面が大きいので、たまに視界の邪魔になることもあるのですが、グラスの脇をタップすることで一時的に画面を非表示にできるので助かっています。もちろん移動時には画面を消しているので、安全性も飛躍的に向上しました。
下はPCの画面
スマートグラスに、PC画面に映し出されている3Dモデルと測定データが大きく目の前に現れる。
PCで行っていた操作はワイヤレスマウスを使って、遠隔操作が可能に。1ステップごとにPCを見に戻っていたという、無駄な移動時間が大幅に削減された。
下はPCの画面
スマートグラスに映し出されたガイドを見ながら、ムラなくスムーズに測定が可能に。導入前には複数の人員で測定作業を行うこともあったが、今では無理なく一人で作業を行えるようになった。
MOVERIO導入前後の説明図
今後の展望
MOVERIOの存在を知らない部門に選択肢のひとつとして広める役割を担いたい
矢島工場内においても、同じように測定機を使う職場は他にもたくさんあります。私たちはあくまでボディの測定業務を担っていますが、ボディだけに限ってみても、私たちが担当するボディの設備測定以外にも、品質向上を目的とした測定を行う部署や、量産車の品質管理をしながら測定をする部署もあります。それがボディ工程だけでなく、プレスにもまた別でありますし、完成車や試作車でも部品を測定している部署があります。身近なボディ領域で考えても、MOVERIOを活用できる場面は数多くあると思っています。もちろん、工程によって適用できるかどうかは作業者本人の判断にもよりますが、実際にMOVERIOを使用し、その良さを実感している私たちとしては、まずは選択肢のひとつとして認識してもらうために情報共有をする役割を担っていくべきと考えています。
会社概要
株式会社SUBARU 矢島工場
所在地 | 〒373-0822 群馬県太田市庄屋町1-1 |
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最寄駅 | 東武伊勢崎線太田駅 |
導入事例PDFダウンロード
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(約3.3MB)
導入事例を動画でご紹介
株式会社SUBARU スマートグラス MOVERIO導入事例 3次元測定機モニター用途 | エプソン
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