写真をもっと艶やかに魅せたい。シャドウの黒を引き締めて、しっとりと落ち着いた雰囲気に仕上げたい。そんなときは、インクジェット用紙の種類を変えてみるのもひとつの手。表現の新しい可能性が見えてくるはずです。
さまざまな用紙を試してみましょう
あざやかさを強調したい写真もあれば、落ち着いた印象にしたい写真もあるでしょう。シャープに仕上げたいときもあれば、柔らかな印象にしたいときもあるかもしれません。こうした写真の雰囲気は、レタッチやドライバーの設定などである程度変えることができますが、使用する紙の種類によっても大きく変わってきます。
●紙の風合いを最大限に活かせるインクジェット方式
インクジェットプリンターは、用紙の表面に非接触で印字することができます。そのため、用紙の持つ風合いや質感を最大限に活かしたままプリントすることが可能です。
エプソンでは、光沢感が高く階調表現に優れた写真用紙から、アーティスティックな表現に役立つ画材用紙まで、幅広いラインアップを用意しています。お気に入りの用紙ばかりではなく、ときにはいつもと違う種類の用紙を使ってプリントしてみてください。きっと新しい表現に出会えるにちがいありません。
表現の幅を広げる多彩な用紙
インクジェット用紙を表現に活かすには、その特性を把握しておくことが重要です。ここでは、エプソン純正紙のラインアップと、それぞれの用紙の特長や特性を紹介していきます。
●写真用紙クリスピア〈高光沢〉
光沢度が高く、発色が非常にあざやか。また、階調表現にも優れており、シャドウからハイライトまでを滑らかに再現することができます。光沢感を活かし、透明感や光の表現に最適です。
用紙自体に厚みとコシがあり、手に取ったときに高級感があるのも特長です。
●写真用紙〈絹目調〉
光沢感を抑えた、キメの細かい微粒面を持っています。そのため、しっとりと落ち着いた空気感を表現したい写真に適しています。また、優れた耐光性・耐水性を実現しているため、長期間色あせにくいのも特長です。
●Velvet Fine Art Paper
表面に上質なテクスチャを施したファインアート用紙です。黒の締まりが良くコントラストや彩度が高いため、カラー写真だけでなくモノクロ写真や絵画的な表現にも最適。リアルな質感や立体感を演出することができるため、プロ写真家からも多くの支持を得ています。
●UltraSmooth Fine Art Paper
紙の地色が少し色味のある白(オフホワイト)のため、温調な仕上がりになります。また、用紙表面が平滑でコットンのような柔らかい質感を持っているため、高級感のある落ち着いた表現に向いています。自然な風合いのモノクロ写真やファインアート系の出力におすすめします。
なお、用紙自体に適度な厚みがあるため、額装時に裏打ちしなくていいのも特長のひとつです。
●エプソン純正用紙の特性一覧
上で紹介した用紙のほかにも、さまざまな種類の用紙があります。そこで、ここでは写真およびファインアート向きの用紙の特性を一覧表にまとめてみました。ぜひ参考にして作品づくりに活かしてみてください。
用紙名 | 用紙の種類 | 対応インク | 特性 |
---|---|---|---|
写真用紙クリスピア〈高光沢〉 | 印画紙 | 顔料・染料 | 光沢感・透明感に優れる。厚みやコシもあり、高級感を演出できる。 |
写真用紙〈光沢〉 | 印画紙 | 顔料・染料 | 紙の地色がやや青白く、シャープで若干硬調な仕上がりが得られる。 |
写真用紙〈絹目調〉 | 印画紙 | 顔料・染料 | 光沢を抑えたキメ細かい微粒面を持ち、しっとりとした空気感を再現可能。 |
写真用紙ライト〈薄手光沢〉 | 印画紙 | 顔料・染料 | 発色バランスがよく、コストパフォーマンスに優れるのが特長。 |
フォトマット紙 | マット紙 | 顔料※・染料 | 無光沢ならではの落ち着いた仕上がりが特長。折り加工などがしやすい。 |
画材用紙 | ファインアート紙 | 顔料 | 黒の締まりがやわらかく、やや軟調で優しい表現が特長。 |
Velvet Fine Art Paper | ファインアート紙 | 顔料・染料 | リアルな質感と立体感を表現できる。質感と彩度を両立した最高峰の用紙。 |
UltraSmooth Fine Art Paper | ファインアート紙 | 顔料 | 紙の地色がオフホワイトのため、温調で落ち着いた仕上がりが得られる。 |
※顔料専用のマット紙もあります。