諏訪市役所様
詳細な印刷環境調査と現場ヒアリングの実施で今まで把握していなかった印刷環境の課題が見える化
調査に基づく最適化案で大幅なコストダウンが図れた
導入機種:
エプソンのスマートチャージ
導入製品
LX-10050MF×4台
(うちステープルフィニッシャー付×2台、中綴じフィニッシャー付×2台)
LX-10050M×1台
(中綴じフィニッシャー付)
LM-C6000×16台
(うちステープルフィニッシャー付×6台、中綴じフィニッシャー付×1台、インナーフィニッシャー付×1台)
LM-C5000×1台
(インナーフィニッシャー付)
LM-C4000×12台
(中綴じフィニッシャー付×1台、インナーフィニッシャー付×2台)
PX-M7090FX大容量給紙モデル×12台
PX-S7090X基本モデル×4台
PX-M880FX基本モデル×3台
■導入商品
認証印刷オプション Epson Print Admin
機能拡張オプション Epson Print Admin Advanced Workflows
導入ご担当者に聞きました
業務最適化とCO₂削減対策の基盤となる
ペーパーレス化に向けて、セイコーエプソンと締結した連携協定が大きな効果を発揮してくれた
業務効率化に向けた「業務スマート化プロジェクト」の立ち上げと
「諏訪市ゼロカーボンシティ宣言」の発表
諏訪市
企画部 企画政策課
課長
柳平 直章様
(注)記載の各所属・役職は、取材のあった2025年1月時点のものです。(以下同)
諏訪市では、人口減少社会においても将来にわたり行政サービスを適切に継続できるよう、さまざまな業務をデジタルに置き換え、人にしかできない業務に専念できる働きやすい環境への最適化を目指して、2019年度に「業務スマート化プロジェクト」を立ち上げました。庁内に設置した「業務スマート化推進委員会」には、システム・セキュリティ対策・DX推進・事務改善などの専門部会を設置して、システムや業務の効率化・標準化を進めるとともに、その基本方針や推進計画などを盛り込んだ「業務スマート化プロジェクト計画書」(2020年~2024年/現在は第4版)を策定して公開しています。
また、諏訪市の豊かな自然環境を未来へ受け継いでいくために地球温暖化対策は責務と考え、2002年3月に「諏訪市環境基本計画」を策定し活動を進めてきました。2022年3月には「諏訪市ゼロカーボンシティ宣言」を発表。市内における温室効果ガス排出量を2030年度までに2010年度比で60%削減、2050年までに実質ゼロの達成を目指しています。
市庁舎においては、2022年4月に使用電力の実質再生可能エネルギー100%への切り替えを実施。2023年度には「ゼロカーボンシティ推進室」を設置し、親子対象の「ゼロカーボン実験教室」、「みどりのカーテン」の公募、意識醸成イベント「デコツーリズム in すわ2024」などを通じて市民への意識醸成と啓発活動も行っています。
さらに、2025年1月からは、市庁舎屋上と市立中学校1校の屋上にオンサイトPPA方式で設置した太陽光発電設備の稼働も開始。民間の力も活用しながら、市民、事業者、行政が一丸となって取り組みを推進しています。
セイコーエプソンと「環境保全・脱炭素社会実現等に係る連携協定」を締結
企画部 企画政策課
スマート化推進係
唐木田 京子様
ゼロカーボンシティに向けた考え方には「環境・社会・経済の好循環」がありますが、なかでもペーパーレスは「資源削減によるゼロカーボン」「業務スマート化」「コスト削減による経済効果」を実現できる取り組みになります。事業者との取り組みでは、2023年7月にセイコーエプソンと「環境保全・脱炭素社会実現等に係る連携協定」を締結して連携を本格化させました。業務最適化とCO₂削減対策の基盤となるペーパーレス化に向けて、「印刷環境最適化プロジェクト」として現状の課題整理をエプソングループの支援を受けて取り組むことで、年間約456万枚の印刷・コピーでの紙利用を2024年度から3年間で3割削減する目標に向けた意識醸成と実践に大きな効果を発揮してくれました。
詳細な印刷環境調査と現場ヒアリングの実施で
今まで把握していなかった印刷環境の課題が見える化
調査に基づく最適化案で大幅なコストダウンが図れた
セイコーエプソンとの連携協定締結を機に、業務最適化と
CO₂削減を目的とした印刷環境最適化の調査と提案が加速
企画部 企画政策課
スマート化推進係
主事
田中 駿太郎様
企画部 企画政策課
スマート化推進係
担当
岡村 高士様
以前よりエプソンからは、2027年3月に予定しているLGWAN系のシステム更改に合わせて、複合機を使った業務改革とそのための印刷環境調査の提案を受けていて、実際に調査をお願いし、2023年3月には結果報告をもらっていました。
その後、連携協定の締結を機に印刷周りの精査を行ったところ、多種多様な機器が混在する状態のままでの契約延長では、物価高騰の影響で印刷単価が数倍以上に値上りすることが判明。同時に紙代も値上げされるため、年間1,000万円以上も経費が上昇し、印刷機器を集約して台数を減らしていかないと財政負担が多大になることが分かりました。
そこでエプソンに依頼して、2023年8月~10月に、最初の調査では漏れていた機器も含め、各課へ印刷業務での運用課題などもヒアリングしながら、市庁舎内外施設の印刷環境に関する追加調査を実施しました。
エプソンの調査に基づいた予算見積と、各課から計上された既存機の契約更新の予算見積を比較した結果、エプソンの高速カラーインクジェット複合機を導入したほうが、機器の台数を大幅に削減することができ、レーザー方式からインクジェット方式に変えることで消費電力やCO₂排出量も大幅に削減。大容量インクで廃棄物も削減できて環境にもやさしく、印刷費も低減できると判断。この調査結果を基に、将来のペーパーレス化に向けた印刷環境最適化のグランドデザインの提案も受けて導入の意向を固め、市長への説明にもご協力いただきました。
印刷環境最適化によって複数課の印刷機器を1台に集約。業務で冊子の印刷が多い部署には、ステープルフィニッシャー対応機器を設置。
建設課には印刷頻度に合わせてLM-C6000ステープルフィニッシャー付×1台とLM-C6000×1台を設置、業務内容に合わせた機器配置を行っている。
印刷機器のスペック・台数・設置場所などを最適化
142台を85台に集約したことで効率的に大幅なコスト削減を実現
エプソンの方々を交えて、詳細な調査と現場ヒアリングを実施したことで、多くの部署とも情報共有が図れたうえ、調査では、今まで把握していなかった印刷機器の台数や性能・印刷枚数などの情報を集約でき、業務時の動線なども把握して見える化できました。それを基に複合機の機能・スピード・台数・オプション・設置場所などを最適化する提案をいただき、2024年4月から市庁舎内外施設にエプソンのカラーインクジェット複合機53台を導入して運用を開始しました。
これによって、業務効率を落とさずに、今までの印刷機器142台を85台に集約、57台も削減することができました。
実際の業務に合わせた導入案なので、機能不足やオーバースペックな機器を選ばずに済み、効率的に大幅なコストダウンが図れました。
市役所からのお知らせも、カラー印刷になって鮮やかで目立つようになった。案内マップもひと目で分かりやすく、二次元コードも正確に読み取れる。
カラー印刷になって、施設の図面もひと目で分かりやすくなり、インクジェット方式は表面がコーティングされないので、修正箇所もペンで書き込める。
使ってみての感想をお伺いしました
気付かなかった課題も発見して解決することができ
認証印刷オプションを導入することで
セキュリティ強化と業務効率化につながった
LGWAN系とインターネット系のプリンタドライバを統一
切り替える手間がなくなり、機器の更新や管理の手間も軽減
農林課には、LM-C6000×1台とPX-M880FX×1台を設置。
これまでは、タイミングが被ると他の職員の印刷物と混ざってしまうセキュリティリスクがあり、これも解決することができました。認証印刷オプションを導入したことで、職員毎のICカードを持ち歩けば、どこの部署の複合機でも印刷でき、印刷枚数も正確にカウントされます。印刷物が混在したり放置されることもなくなってセキュリティ強化が図れ、また、必要な印刷ジョブを送った後、印刷前に表示リストで確認して間違えたジョブは取り消せるので、無駄な印刷が減らせるようになったのも認証印刷の隠れたメリットだと思います。
また今回、諏訪地域6市町村に情報サービスを提供している(株)諏訪広域総合情報センタにも相談しながら、LGWAN系の仮想環境とインターネット系の仮想環境を共通の認証印刷オプションを利用して印刷できるようにしました。
画面転送機能の一つであるリダイレクト印刷を使用し、LGWAN系とインターネット系の2系統からの印刷を1枚のネットワークカードで実現。今までは1台のプリンターに、LGWAN系の印刷はネットワークカード、インターネット系の印刷はUSBプリントサーバの2系統から接続していて必要な機器が増えていましたが、これらの機器の更新や管理の手間が軽減されたのは大きなメリットです。LGWAN系とインターネット系それぞれ異なる仮想環境であっても、同じ認証印刷ドライバを選択して印刷できるようになったことで、職員の印刷に関する操作性・利便性が大きく向上しました。
カラー印刷は鮮明でスピードも速く、どの複合機でも印刷できる
さまざまな用途に活用でき、市民サービス向上につながっている
無駄な印刷を減らすためにイラスト入りのカラー印刷で職員一人一人の意識を高めるステッカーを制作して各所に貼り付けている。
機器の台数が減ったうえ、複合機のサイズも以前よりコンパクトになり、フロアスペースにも余裕が生まれました。
カラー印刷の画質はとても鮮明で、印刷スピードが速いので待ち時間もなくなり、近くの複合機が混み合っている時は他の場所の複合機でも送ったデータを印刷できるため、ストレスなく活用できています。以前はインクコストが高いので、インク濃度を薄くしたり、カラー印刷はできるだけ使わないよう制限していましたが、今は職員に無用な我慢を強いることもなくなりました。
市庁舎内では主に、案内文書、チラシ、掲示物をカラー印刷したり、窓口業務で来庁者から受領した書類のコピーに多く活用しています。市民向けの印刷物では、綺麗なカラービジュアルで来庁者の目を引けて、イベントの案内なども、カラーになって内容が見やすく分かりやすくなり、市民サービス向上につながっています。
乗合バスの案内も、綺麗なカラービジュアルで来庁者の目を引くことができる。
農業祭の案内チラシも、カラーによる色分けとイラストなどを挿入することで情報量が多くても、楽しく華やかに演出することができる。
今後についてお伺いしました
ゼロカーボンシティの実現には
意識醸成や行動の社会実装という基礎構築が不可欠
印刷環境の最適化はそのきっかけとなった
Epson Print Admin Advanced Workflowsを活用して
スキャンしたPDFファイルを予め指定した名称で保存が可能
150枚セット可能なADF(オートドキュメントフィーダー)両面スキャナーを使って大量のスキャンも簡単です。
Epson Print Admin Advanced Workflows を活用すれば、スキャンしたPDFファイルに予め指定した名称(日付・名称・No.など)を付けたり、申請書のNo.をOCRで読み取り、その名称を付けて共有フォルダに保存することもできます。
給付金などの処理業務では、ファイルの移動やリネームの手間が省けて、大幅に業務効率化と作業時間短縮ができました。
また、インクは、リモートで監視していて、なくなる前に自動で届くので発注の手間もなく、レーザー方式と比べて故障も少なく、料金には保守費用も含まれているので安心して利用できます。
市庁舎内には2017年に導入したエプソンの乾式オフィス製紙機PaperLabも設置されていて、市庁舎内で出た使用済みコピー用紙を回収して毎日約3,000枚を再生しており、導入された複合機でも優先的にその再生紙を利用しています。
ゼロカーボンシティの実現には意識醸成や行動の社会実装という基礎構築が不可欠であり、ペーパーレス化は重要な手法の一つです。印刷環境の最適化は、職員一人一人の意識付けのきっかけとなり、印刷機器や印刷枚数の削減から発展して、スキャナーやPCファクス、タブレットや業務端末などを活用した新しいペーパーレス化の取り組みへと発展しています。
また、ペーパーレス化達成への意識改革のために、10月にはエプソンに管理職向けのセミナーも実施してもらいました。
今後の更なるDX推進に向けて、エプソンからは「まずやってみること」の重要性や「機器導入だけでなく意識改革の影響力が大きい」ことを学ばせていただき、それが実現できた取り組みだったと実感しています。
市庁舎内にはゼロカーボンを推進するロゴマークなども印刷して掲示されている。
ペーパーリサイクル室には乾式オフィス製紙機PaperLabも設置。障がい者の方々が作業を行うことで、環境負荷低減と雇用創出に貢献している。
まとめ
ご導入ポイント
- 印刷環境調査と現場ヒアリングで、今まで把握していなかった印刷環境の課題が見える化
- 実際の業務に合わせた印刷環境最適化案によって効率的に大幅なコストダウンが実現
- 認証印刷オプションの導入でセキュリティ強化と業務効率化、管理の手間も軽減
ご利用メリット
- 低消費電力なインクジェット方式なので電気代削減とCO₂排出量削減を実現
- どこでもカラー印刷ができて正確に印刷管理
環境対策と業務効率化、市民サービス向上に貢献 - Epson Print Admin Advanced Workflowsで大量スキャン時の作業を自動化して効率化
諏訪市は長野県南部の八ヶ岳や南アルプスに囲まれた諏訪盆地のほぼ中央に位置し、北西側は諏訪湖に隣接する工業都市であるとともに、諏訪湖や上諏訪温泉、諏訪大社、霧ヶ峰高原などを抱える観光都市で、東京からのアクセスは2時間強。人口47,032人(2025年1月1日現在)
鎌倉~戦国時代にかけて鎌倉街道沿いに発達し、江戸時代には旧甲州街道の上諏訪宿が設けられ、高島藩の城下町としても栄えた。その後、JR中央本線と国道20号や中央自動車道の整備によって都市化が進展。産業では、戦中~戦後にかけて製糸業や、澄んだ大気と水を利用した時計・カメラ・レンズ・オルゴールなどの精密機械工業が発展し、高度な技術力と山と湖のある景観から"東洋のスイス"とも称される。
また、2019年度に「業務スマート化プロジェクト」、2022年3月に「諏訪市ゼロカーボンシティ宣言」を発表。民間の力も活用しながら、市民、事業者、行政が一丸となって業務最適化やCO₂削減への取り組みを推進している。
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