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ノウハウ2023/11/20

プロジェクターの仕組みは?投写方式による違いや特徴を比較

プロジェクターの仕組みは?投写方式による違いや特徴を比較

プロジェクターは、ビジネスシーンやホームシアターなど幅広い場面で活躍する機器です。しかし、プロジェクターにはさまざまな種類があり、購入する際にどれを選ぶべきか迷ってしまう場合も多いでしょう。部屋の環境や用途に合った機種を選ぶには、プロジェクターの仕組みを理解しておくことが重要です。

本記事では、プロジェクターによって映像が投写される仕組みや、投写方式による違いについて解説します。おすすめの商品もご紹介しますので、プロジェクターの購入をご検討の場合はぜひ参考にしてください。

目次

  • 1.プロジェクターの基本的な仕組みは?

  • 2.プロジェクターの投写方式と特徴

    • LCD方式(透過型液晶方式)
    • DLP方式
    • LCOS方式
    • CRT方式
  • 3.おすすめのプロジェクター3選

    • EH-TW750
    • EF-22/21
    • EH-LS650
  • 4.プロジェクターの仕組みを理解して用途に適した機種を選択しよう!

プロジェクターの基本的な仕組みは?

プロジェクターの基本的な仕組みは?

プロジェクターを設置すれば、一人暮らしのお部屋でもホームシアター環境を実現し、綺麗で迫力のある映像を大画面で楽しむことが可能です。こちらでは、一人暮らしの方におすすめのプロジェクターの使い方をご紹介します。

プロジェクターは、光源から出た焦点距離の違う光をレンズや鏡などで調整して、壁やスクリーンに大きな映像として投写する機器です。光源、照明光学系、色分離合成系、液晶パネル、投写レンズという5つのパーツで構成されています。

まず、光源には映像を生成するための光を供給する役割があり、水銀ランプ、レーザー光源、LEDの3種類があります。安価で入手性に優れており、もっとも普及している水銀ランプに対し、最近は本体を小型化でき、寿命の長いレーザー光源やLEDを採用した機種も人気です。

次に、光源から出た光を照明光学系(レンズ、反射鏡、拡散板、フィルタなど)が受け取り、色分離合成系へと導きます。色分離合成系では、光の三原色(RGB:Red,Green,Blue)を分離し、それぞれを液晶パネルに送ります。次の液晶パネルでは、受け取った光を透過または反射させ、最後の投写レンズで拡大して映像をスクリーンや壁に投写します。この時点ではまだピントが合っていませんが、プロジェクターを調整することで鮮明な映像を投写することが可能です。

なお、プロジェクターは投写方式ごとに仕組みが異なります。上記はあくまで基本的な仕組みと理解しておきましょう。

プロジェクターの投写方式と特徴

続いては、投写方式ごとに特徴やメリット・デメリットを解説します。投写方式が変わると色の見え方や価格帯なども変わってくるため、それぞれの特徴を理解しておくことで自分に合ったプロジェクターを見つけやすくなります。

LCD方式(透過型液晶方式)

LCD方式とは、透過型液晶パネル(注1)を利用して映像を表示する方法です。現在主流となっている映像方式の1つで、LCD方式を採用した製品を液晶プロジェクターと呼ぶ場合もあります。LCD方式では、光源から出た光を特殊なミラーを使って光の三原色に分解します。その後、透過型液晶パネルを通過する際に各色の映像を作成し、プリズム(注2)で合成したうえでレンズを通して出力する仕組みです。液晶パネルを3枚使用しているものを3LCD方式と呼びます。
(注1)三原色である「赤(R)」、「緑(G)」、「青(B)」の3色を当てて、透過した映像を投写する液晶パネルのこと
(注2)光を分散・屈折・全反射・複屈折させるための光学素子であり、ガラス・水晶などの透明な媒質でできた多面体で、その面のうち少なくとも一組が平行でないもの

LCD方式は常に3色の光を投写しているため、色再現性が高い他、カラーが明るいなどのメリットがあります。価格も比較的手頃なため、初心者向けのモデルからミドルクラスのモデルまで幅広い機種に搭載されており、好みに合ったものを見つけやすいのも特長です。

DLP方式

DLP方式とは、微小なミラーで構成される「デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)」(注3)を利用し、光を反射させて映像を投写する方式です。ミラーの角度を変えることで光の反射を制御し、映像を作り出す仕組みです。家庭用プロジェクターの場合、DMDを1つのみ採用した単板式が主流ですが、出力される映像が白黒になってしまうため、カラーホイール(注4)を使用して映像に色を付けています。
(注3)可動式の微小な鏡を、集積回路の基板の上に多数配列したMEMSデバイスのこと
(注4)三原色である「赤(R)」、「緑(G)」、「青(B)」のセットで構成された円形のディスクのこと

DLP方式のメリットとしては、画素密度が高く、きめ細やかで滑らかな映像を投写しやすい点が挙げられます。また、ほかの投写方式と比べて構造がシンプルなため、コンパクトで軽量な製品を実現しやすいのも魅力です。反対に白だけ明るいといったデメリットもあります。

ただし、単板式のDLPプロジェクターは、人によってはレインボーノイズが気になる場合があります。レインボーノイズとは、映像に虹色の模様のようなものが見える現象のことです。DMDを3枚搭載した機種であればレインボーノイズを防止できますが、映画館の映写機などに使用されるのが一般的で、家庭用としては普及していません。

LCOS方式(反射型液晶方式)

LCOS方式とは、反射型液晶パネル(注5)を使って映像を投写する方法です。基本的な仕組みはLCD方式と同様で、光源から出た光を三原色に分解し、プリズムで合成したうえでレンズから投写します。LCD方式との違いは、液晶パネルを透過させてプリズムに3色の光を送り込むのではなく、液晶パネルで反射させて光を届ける点にあります。
(注5)外光を利用して表示を行うタイプの液晶パネルのこと

LCOS方式を採用したプロジェクターは、高解像度かつコントラスト比に優れた製品が多く、とにかく高画質で映像を楽しみたい方におすすめです。ただし、LCD方式やDLP方式と比べて構造が複雑なため、製品が大型化しやすく、値段も高価になりやすい点には注意しましょう。

CRT方式

CRT方式とは、ブラウン管と呼ばれる陰極線管を使って映像を投写する方式のことです。赤色、緑色、青色をそれぞれ担当する3本のブラウン管を用いることから、「三管式」とも呼ばれます。ブラウン管で作り出した3色の映像を、それぞれに配した3組のレンズを通してスクリーン面で重ね合わせ、カラー映像を映し出す原理です。

CRT方式のメリットとしては、映像のコントラストや滑らかさが優れている点が挙げられます。ブラウン管が描き出す透明感のある色彩や、残像感のないクリアな映像を出力できるのが魅力です。一方で、映像が暗く、画面サイズや投写位置が固定される点はデメリットです。プロジェクターの小型化が困難であり、重量も重く、設置場所が自由に選べないことが多い傾向にあります。また、ほかの投写方式と比べて経年劣化が早いのも特徴です。

おすすめのプロジェクター3選

おすすめのプロジェクター3選

エプソンでは、ホームシアター用はもちろん、ビジネス用途にも利用できる高性能なプロジェクターを多く販売しています。こちらでは、おすすめのプロジェクターを3つご紹介します。

EH-TW750

「EH-TW750」は、3LCD方式を採用したホームプロジェクターです。色再現性の高い3LCD方式の特長を最大限に活かした機種で、3,400lm(ルーメン)の明るさにより、部屋を真っ暗にしなくても色鮮やかで美しいフルHD高画質の映像を楽しめます。また、補正機能も充実しており、スクリーンや壁に対して斜めに投写しなければならない場合でも、傾きや歪みを簡単に調整できます。明るさも十分であり、在宅ワークをしている場合のサブモニターとしても利用できます。さらに、無線LANを内蔵し、HDMI®の入力端子も搭載しているため、スマホやタブレット、パソコン、テレビチューナーなどのさまざまな機器と手軽に接続できるのも強みです。

EF-22/21

「EF-22/21」は、3LCD方式を採用したコンパクトな家庭用プロジェクターです。重量が約2.3~3kgと軽く、家中どこへでも持ち運んで利用することが可能です。Google TV 機能やスピーカー機能を搭載しており、Wi-Fi® でスマホやタブレットと接続して映画やドラマを視聴するのはもちろん、音楽を楽しむこともできます。また、EF-22は天井投写にも対応しているため、ベッドに寝転びながらフルHDの高画質でコンテンツを楽しみたい方にもおすすめです。

EH-LS650

「EH-LS650」は、超短焦点タイプのレンズを搭載したホームプロジェクターです。壁から約14cmのところに設置すれば、80インチの大画面に映像を投写できます。シンプルでスタイリッシュなデザインのため、使わないときもインテリアとして生活空間に馴染みやすいのが特長です。投写方式は3LCDを採用し、エプソン独自の技術により4K相当の高画質を実現しています。ヤマハ製の高音質スピーカーも搭載しており、1台で没入感のある映像体験を味わえます。また、Android TV機能が付いており、デフォルトでZoomアプリがダウンロードされているため、オンライン会議でも活躍します。

一人暮らしのプロジェクターの選び方は?設置方法やおすすめ商品

一人暮らしのプロジェクターの選び方は?設置方法やおすすめ商品

一人暮らしのおうち時間をより充実したものにしたい場合は、プロジェクターを設置するのがおすすめです。映画やドラマ、ゲームなどの普段のエンタメを、より大画面かつ大迫力の映像で楽しめるようになります。しかし、「プロジェクターを一人暮らしの狭い部屋に設置できるの?」と感じている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、一人暮らし向けのプロジェクターの選び方や設置方法を解説します。機能性に優れたおすすめの商品もご紹介しますので、プロジェクターの購入を検討している方はぜひ参考にしてください。

プロジェクターの仕組みを理解して用途に適した機種を選択しよう!

プロジェクターの仕組みを理解して用途に適した機種を選択しよう!

今回は、プロジェクターの仕組みや投写方式ごとの特徴、おすすめの商品をお伝えしました。プロジェクターは、投写方式ごとに仕組みが少しずつ違っており、性能や価格差の原因にもなります。この機会にプロジェクターの仕組みを理解し、自分に合った機種を選択しましょう。

エプソンでは、今回紹介した商品以外にも数多くの家庭用プロジェクターを販売しています。4K解像度に対応したモデルなどもご用意していますので、興味がある場合はぜひチェックしてみてください。

(注)上記の画像はイメージであり、投影画面はハメコミ合成です。
(注)本媒体上の他者商標の帰属先は、エプソンのホームページをご確認ください。


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