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工学と経営学の融合教育を掲げ、ビジネス社会との関係を理解できる技術者と、技術倫理を理解できるビジネス家の育成を目指している諏訪東京理科大学。2002年の開学時から全教室へプロジェクターを導入するなど、ICT機器を駆使して学生に最新の資料を提示する授業を展開している。その一環として、2014年度からは全10台のエプソンのインタラクティブ機能付プロジェクターを導入したが、利用シーンは座学のみならず、グループディスカッションなど近年注目が高まるアクティブ・ラーニングに重きを置いている。将来的にICT機器開発に携わる可能性のある学生が、いかにエプソンのインタラクティブ機能付プロジェクターを使いこなしているのか、工学部コンピュータメディア工学科准教授で(博士(工学))の市川純章氏にお話を伺った。
学部学科を超えたチームの議論を支援するツール
諏訪東京理科大学
准教授(博士(工学))
市川 純章氏
諏訪東京理科大学では学生が主体的に学ぶアクティブラーニングに注力しており、3年生の必修科目「総合演習」では、学部学科を超えたチームを形成して議論するというグループディスカッションもある。それを支援するツールとして、単なるアナログのホワイトボードではなく、学生の動機付けとして最新のICT機器を入れることも有効であるというわけだ。同大学は、2014年度から新カリキュラムを導入している。その根幹は、新しいものを生み出すために学生が考え、アイデアを出し、ブラッシュアップさせて、プランニングをして、提案者になっていくことにある。「知識を伝える教育ではなく、何かを生み出すための教育が求められる時代です。その中で最新のICT機器、デジタル機器を使いこなすことが必須になっているのです」(市川氏)。
また、「使い方発掘」という学生の社会的なミッションもインタラクティブ機能付プロジェクター導入の背景になっているという。「最新機器を多くの人が使いこなせば、より生産性は上がるかもしれません。使い方を広めることも大学のミッションと考えています」(市川氏)。ビジネスの効率化につなげていくことを考えるために、学生自らがユーザーとなり、提案者になっていくために、ICT機器の充実を図っているのである。
柔軟な開発力を身に付けるために、用途の広いICT機器を選択
アクティブ・ラーニングと最新機器を使いこなすという用途から、「双方向性のある大きな入力装置」という観点で導入機種の選択はスタートした。タッチパネル型やテレビ型の各種機器と比較した結果、エプソンのインタラクティブ機能付プロジェクターは、ユーザーインターフェイスやデバイスとしての扱いやすさを考慮して選定したとのこと。「プログラム開発の教育に取り組む本学では、ICT機器のアプリケーションを開発することを目標に、ソフトウェアスキルを身につけさせる教育を目指しています。その意味でエプソンのインタラクティブ機能付プロジェクターが有効だと思いました。入出力装置は、テーブルに置くなど形状を変えたり、設置する場所を変えたりすると、使う人の発想も変わる可能性があります。開発力を身に付ける助けになる素材と判断したのです」(市川氏)。
また、アクティブ・ラーニングでの利用が前提であり、オープンスペースに設置するために堅牢性も重視した。この他、全10台に小型PCを付属しての導入であったため、価格的なアドバンテージも選定の決め手になっている。
ユーザー目線で快適に利用できるガジェットを提案
市川氏が担当する「総合演習」の授業では今年度、「インタラクティブ機能付プロジェクターのある豊かな学園生活のワンシーン」というテーマを出題、学生の日常に適した活用方法や便利な使い方のアイデアを出させた。現状は、管理の都合上、インタラクティブ機能付プロジェクターを利用する際に事務室へ電子ペンを借りに行く手間があり、それを省くためのアイデアが多かった。例えば、カーソル機能を搭載してペンタッチの代わりに双方向メニューを操作できるようにする、個人認証機能付きのセキュリティーボックスを設置して学生証の認証で電子ペンが使えるようになるといったアイデアである。「目標としている機能開発や使い方の提案には至りませんでしたが、運用を快適にするガジェットの発案がありました。まさに利用者の声が形になったものです。課題のひとつである、自分たちがユーザーになるというテーマには成果があったと思います」(市川氏)。
ICT機器を導入したことで、課題の内容によって学生の意欲にも変化が現れている。教員が考える課題よりも、実社会に沿った課題の方が学生のモチベーションが高くなることが分かってきたのである。市川氏は、これを“リアル課題”と位置付けており、今回のインタラクティブ機能付プロジェクター導入を機に、エプソンの開発者と連絡を取り、学生がソリューションを考える授業に際して提案者になるように依頼をしたのである。「学生は自主的にメールで質問して、アイデア出しのヒントをもらっていました。依頼主がリアルであることで乗り気になったようです」(市川氏)。学生達のやる気は行動にも現れており、授業の集合場所から図書館に移動して、自主的にインタラクティブ機能付プロジェクターを使って議論を行なうこともあった。
課外活動など授業以外でもインタラクティブ機能付プロジェクターを使うことが学生達に浸透している。学生会がイベントを行なう時に、自分たちの活動報告を行ったり、オープンキャンパスで情報を掲示したりといったデジタルサイネージの用途で積極的に活用しているのである。可動式であることが大学には向いているとのこと。「手軽に使える掲示板として使い勝手が良いので、PowerPoint®のデータを使って活動報告やプレゼンをしています。学生に限らず事務方からも重宝しているという評価が上がっています」(市川氏)。
ユーザーから提案者になっていくカリキュラムに活用
新カリキュラムで重視するアプリケーション開発には、学生自身がユーザーであり、開発者であることが学習効果を高めるという考えを同大学は持っている。また、開発にかかるリサーチ・企画・コーディング・デザインといった作業を、チーム内で分業して擦り合せるという実践的なプログラム教育も推進している。今回、インタラクティブ機能付プロジェクターを導入したことで、学生自らが開発環境から整え、アプリケーション開発に取り組み、さらにはフィードバックまで返ってくるという枠組みができたのである。「壮大な話ですが、3~4年後に何かしらの形になったものを発表してほしい。学生は、失敗しても許される特権がありますから、失敗してもその顛末が研究であり、成功したらそのままベンチャーになってくれることも期待しています」(市川氏)。諏訪東京理科大学におけるエプソンのインタラクティブ機能付プロジェクターは、単なるICT機器に留まらない可能性を期待されているのである。
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