ビジネスの現場で活用!実践的なノウハウ集

テレワーク導入でみえた課題とオフィスの役割

社会情勢の変化により、今や常識となったテレワーク。導入直後は様々な課題に直面したものの、労働環境の整備やツールの導入によって解決し、今では多くの企業がテレワークを定着させています。

しかし、仕組みは整っても運用がうまくいっているかは別の問題です。課題のひとつであるコミュニケーションの不足に関しては、未だ課題に挙がることが多く、これからもより良い解決策を模索していく必要があります。働き方の変化に伴い、オフィスの役割についても今一度考えてみましょう。

テレワークによる働き方の変化と課題の解決方法

テレワークの導入によって、オフィス環境や社内のルールなど、働き方には様々な変化がありました。

テレワーク導入の課題ごとに、多くの企業で実践された課題解決の方法をおさらいしましょう。

課題①生産性

課題①生産性

在宅勤務が中心となるテレワークでは、生産性の低下が問題視されていました。社員同士が気軽に相談や会話がしづらく、進捗状況が把握しにくい、新たなアイデアが浮かびづらいことが主な要因。また、自宅にはオフィスと同等の作業環境が整っておらず、作業がしづらいという点も要因のひとつとして挙げられます。

テレワークによる生産性の低下を防ぐために多くの企業が取り入れているのが、働く環境の整備です。機材の購入費用やレンタル費用などを助成する制度の活用や、コミュニケーションツールやタスク管理ツールなどの導入によって、自宅でも生産性を低下させることなく、働ける環境を整えています。

例えば、Web会議ツール、チャットツールの導入や使い方の工夫によって、社員同士が気軽に相談できるようになり生産性が上がったという事例があります。また、業務管理ツールを使った作業進捗の見える化が、モチベーションアップやスムーズなプロジェクト推進の手助けになったという声も多いようです。

課題②勤怠管理

課題②勤怠管理

テレワークで問題となったのが、毎日の労働時間です。一人で作業をしていると、休憩時間の取り忘れや、業務時間外のメール返信など、仕事とプライベートとの境目が曖昧になってしまいがち。帰宅時間だけでなく、上司や同僚の目を気にせずに作業できることから、残業時間が増えてしまうという問題もありました。

勤怠管理問題に効果的なのが、クラウド型の勤怠管理システムです。PCやスマートフォン、タブレットなどを使って打刻し、システム上で勤怠管理することで課題を解決しています。

またパソコンの起動時間を管理するシステムがあれば、退勤の打刻をしてからも仕事をしていないか実態把握ができるため、残業時間の削減にも効果的です。

課題③人事評価

課題③人事評価

人事評価では、成果だけでなくプロセスや取り組み方なども評価に反映させるのが一般的ですが、テレワークでは評価材料が著しく減ったことも課題。

勤務態度が見えづらい分、客観的な評価を行うために、評価方法の見直しが重要視されました。

そのうちのひとつが、誰が見てもわかるような業務目標の設定。評価基準を数値化することで、客観的な評価が可能となりました。人によって評価にばらつきが出ないよう、会社全体で評価基準を揃えておくことが大前提です。

さらに、定期的に面談を行い、仕事への取り組み方や勤務態度を確認することは、評価材料の収集だけでなく、社員のモチベーションアップにもつながります。

課題④セキュリティ

課題④セキュリティ

テレワークでは、仕事に関する情報や資料を社外に持ち出すことになるため、情報漏洩の危険性は大きな問題でした。

セキュリティ問題を解決するために、ルールの策定は必要不可欠。フリーWi-Fi®は使用しない、機密データは必ず暗号化して送信するなど事前にルールを決めて業務を行うことはもちろん、継続的に情報セキュリティに関する情報共有や確認をすることも必須となりました。

機密情報を扱う端末にはセキュリティ対策ツールの導入やデータの暗号化などの対策も、テレワークをきっかけにより重要視されています。

テレワーク定着後も求められるコミュニケーション活性化への取り組み

テレワーク定着後も求められるコミュニケーション活性化への取り組み

テレワークが定着している今、多くの企業が直面した課題は、様々な取り組みにより解決されてきました。しかし、コミュニケーションに関する課題については、ツールの導入や環境の改善で解決しきれていない問題もあります。

例えば、社員同士のコミュニケーションの問題。オフィスで顔を合わせて働いたことのある社員同士なら、Web会議ツールやチャットツールなどを使ってリアルに近いコミュニケーションを取ることができるかもしれません。

一方、新卒・中途採用の社員、他部署から移動してきた社員など関わりの薄い社員同士では、ツールを使ったとしても、強固な信頼関係を築くことは難しいでしょう。いくらWeb会議でお互いの顔を見ているとはいえ、表情が読み取りにくいことは否めません。

テレワークの環境下では、上司や先輩社員に相談しづらいと悩む社員も多くいます。課題にぶつかった時、一人で抱え込むのはとても非効率。社員のモチベーションの低下にもつながります。

社員同士のコミュニケーションを活性化させるためには、ツールの導入だけでは不十分。Web会議ツールやチャットツールはあくまで道具でしかなく、それをどう活用するかが大きな課題です。

対面でのコミュニケーションで解決できる課題であれば、オフィスと自宅での仕事を使い分けるハイブリッドワークの選択肢もあるでしょう。

コミュニケーションの課題を打開するアイデア例

コミュニケーションの課題を打開するアイデア例

社員同士の交流を深めるためには、仕組みづくりが大切です。最も気軽に始められるのは、チャットツールを使って雑談の場を設けること。ちょっとした相談や共有ができる場がひとつあると、躊躇することなく気軽に会話しやすくなります。

また、業務以外でのイベント開催も効果的です。昼食を食べながら行う「ランチ・アンド・ラーン」では、Web会議ツールを使って簡単なスピーチや業務に関する意見交換をします。普段交流がない人ともテーマに沿って気軽に会話できるため、業務中のコミュニケーションも生まれやすくなります。

その他、ヨガや映画などWeb会議やチャットをしながら趣味でつながるオンラインサークルなら、部署や社歴を問わず交流を深めることができるでしょう。

コミュニケーションの活性化はもちろん、チームや会社への帰属意識を高めるために取り入れたいのが社内報の発行です。社内報というと新聞や冊子のようなものをイメージする方も多いかもしれませんが、最近は社内SNSなどを使って発行する企業も増えています。

オフィスをコミュニケーションの拠点に

重要な会議や企画のアイデア出しなど、顔を見合わせながら熱量や一体感のあるコミュニケーションが必要となる場面もあるでしょう。普段自宅などでテレワークをしている社員にとって、他の社員と直接顔を見合わせながら会話をすることは、生産性の向上につながる良い刺激になります。

テレワーク導入によってオフィスをなくすことを検討する企業もありますが、オフィスが社員同士の交流の場、モチベーションを保つ場として、コミュニケーションの拠点になることは間違いありません。ただし、必要に応じてオフィスの形態は変化させる必要があります。

例えば、テレワークの導入に伴いオフィスを縮小する場合、出社して社員が使う会議室や作業スペースはあるかも視野に検討しましょう。特に会議室の不足は、商談機会の消失やプロジェクト進行の遅延など、会社の不利益に直結してしまう問題です。

コミュニケーション活性化におすすめのプロジェクター

コミュニケーション活性化におすすめのプロジェクター

オフィスに簡単な打ち合わせスペースを確保する方法として、パーテーションやスタンディングテーブルを使うなど様々な方法がありますが、それと併せておすすめしたいのがプロジェクターの活用です。

広い会議室が確保できなくても、プロジェクターがあればオフィスの空きスペースを活用し、壁やキャビネット、パーテーションなどに資料や図面を投写し、すぐに大画面で会議ができます。

スタンダードモデルの「EB-FH52」は、軽量・コンパクトで持ち運びやすく、誰でも簡単にセッティングできる優れもの。明るい部屋でもくっきりと鮮明に投写できるため、デスクワーク中の社員と共有している空間でも、照明を落とさずに明るい場所で使えます。

おわりに

テレワークの導入により、社員の働き方も大きく変化しました。一方でコミュニケーションの課題については、今後も柔軟に取り組んでいく必要がありそうです。

これまで出社して業務を行うのが主な目的だったオフィスが、社員同士のコミュニケーションの場に変わっています。オフィスの縮小やレイアウトの変化にあわせて、プロジェクターの導入もぜひご検討ください。

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