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新卒採用を始める時期は?一年間の流れと採用手法について

新卒採用を始める時期は?一年間の流れと採用手法について

会社経営が軌道に乗り、新たに新卒採用を開始しようと考えている企業も多いでしょう。採用活動に取り組む場合は、選考開始時期や人材を選考するプロセスを理解する必要があります。今回は、新卒採用の一連のスケジュール・流れや、新卒の人材を採用するためのさまざまな手法などについてご紹介します。

新卒採用を行うメリット

新卒採用を行うメリット

企業が長期的に発展するためには新卒採用が不可欠です。新卒採用を行うメリットとして、以下の2つが挙げられます。

・社内の人口ピラミッドが整う

新卒一括採用を行うことで、社員の年齢層で作られるピラミッド構造がきれいに整う(年齢構成が適正化される)という利点があります。中途採用で同年代の社員を多く雇ってしまうと、将来的に大量の定年退職者が発生する可能性もあります。新卒の若手の母数を増やすことで、人口ピラミッドを適正な状態に保っておくことが欠かせません。

・新卒教育の過程で既存社員が育つ

新卒社員の存在は既存社員にとって大きな刺激になります。既存社員が新卒社員の教育担当になり、新人教育を通して多くのことを学べるため、既存社員の成長が期待できます。新人の育成を契機に、職場に協力し合う雰囲気も醸成されるでしょう。

選考開始時期について

さて、現在の新卒採用のスケジュールはどのようになっているのでしょうか。ここでは、新卒採用を行う際の選考開始時期についてご紹介します。

・採用情報の公開は3月から

経団連は毎年「採用選考に関する指針」を発表し、この中で広報活動および選考活動の開始時期を示しています。2017年卒の新卒から選考の開始時期が2カ月前倒しになったものの、採用情報の公開時期(3月)に変化はありません。

一年間の流れは?

一年間の流れは?

それでは、新卒採用を考えている企業が採用に向けて、どのようにスケジューリングを図る必要があるのでしょうか。ここでは2020年入社予定の新卒採用をモデルとし、1年間の採用活動の流れについてご紹介します。

2019年3月1日 説明会開始

2019年6月1日 選考開始

2019年10月1日 内定式

2020年3月31日 大学卒業(大学院修了)

2020年4月1日 入社

経団連の採用選考に関する指針に従う場合、前年の3月~4月に企業説明会を開催し、6月から選考を始めることになります。10月1日の内定式までに採用が決定した学生へ内定を出し、4月に入社という流れになります。選考開始の前倒しからも分かる通り、新卒採用のスケジュールは早期化する傾向にあります。企業側でも優秀な学生を採用できるよう、早めに準備することが求められるといえます。

主な採用手法について

主な採用手法について

大学へ求人票を公開し、就職課を通じて採用するケースが一般的だった時代もありましたが、最近はさまざまな採用手法が活用されています。ここでは、新卒採用の主な手法についてご紹介します。

・就職サイト

大手の求人媒体が運営する、新卒採用に関する就職サイトで人材を募る手法です。「就活するにはまず就職サイトへの登録から」といわれるほどで、多数の学生が利用しています。就職サイトの中には、掲載企業数が3万社、登録している学生の数が75万人を超えるサイトもあります。
企業側としては情報の掲載が容易で、大勢の学生に向けて自社をアピールできる点がメリットです。しかし、登録企業の数もあまりに多く、自社が目立たないというデメリットもあります。

・合同説明会

合同説明会は、複数の企業が1つの会場に集まり、参加した学生に会社説明を行うイベントです。「企業研究や業界研究に役立つ」「就職活動を始めるきっかけになる」「採用担当者と直接話ができる」などの理由から、毎年多くの学生が参加します。企業としても、会社説明会は自社について知ってもらう良い機会になるでしょう。

・リファラル採用

自社の社員に友人や知人を紹介してもらう手法です。縁故採用とも似ていますが、紹介された候補者が必ず採用されるとは限りません。候補者が「自社にふさわしい人物なのか」「業務遂行に必要なスキルを持っているのか」を確認した上で採用します。
就職サイトなどを使った採用と比較してコストを低く抑えられる、ミスマッチの可能性を減らせる点が魅力です。ただし、リファラル採用を成功させるためには、リファラル採用の重要性を社内に周知し、社員の協力を得られることが前提です。

・インターンシップ

学生が在学中のうちに「体験入社」のような形で一定期間働いてもらい、自社の業務や雰囲気などを知ってもらいながら、入社へとつなげる手法です。インターンシップはアメリカでは当たり前ですが、日本でもすっかり定着した手法となりました。
インターンシップの実施によって、学生が入社してからギャップを感じてしまうリスクを低くできるメリットがあります。その一方で、インターンシップ自体の運営や企画に手間がかかる点や、社員の協力を必ずしも得られるとは限らないという点を理解しておきましょう。

・ソーシャルリクルーティング

名前から想像できるように、SNSを活用して採用活動を行う手法です。SNSを日常的に利用している学生も多く、自社に対する認知度を高めやすいという特徴があります。またSNSは一方的な発信にとどまらず、学生側の意識や意向を探ることができるという利点も備えています。しかし、ソーシャルリクルーティングは情報漏えいや炎上のリスクがあるため、慎重な運用が求められます。

・ダイレクトリクルーティング(オファー型採用)

従来の採用形態では、募集をかけている企業に対して求職者がエントリーすることでマッチングが成立するのが一般的でした。しかし、売り手市場となっている採用の現場では「待ちの姿勢」ではなく、「攻めの姿勢」で採用活動を行うことが鍵となります。
求人サイトに登録されている人材から、希望する条件に合う方を見つけてオファーを出します。このようなオファー型採用を「ダイレクトリクルーティング」と呼び、一人一人じっくりと見定めることで、ミスマッチの防止につながることでしょう。

・新卒紹介

人材紹介会社から新卒予定者を紹介してもらう手法です。企業側の「このような人材を求めている」という要望に基づき、紹介会社が見合った学生を見つけてくれるため、採用担当者の負担を減らすことができます。
スピーディーに採用を決定できることや、求人情報を非公開にしながら採用することもできる点が長所ですが、紹介に高いコストがかかる点や、その紹介会社に登録した学生としか出会うチャンスがない点が短所です。

・大学就職課

各大学の就職課(キャリアセンター、就活支援センターなど)に求人を依頼し、在学する学生の採用を図る手法です。コストがほとんどかからず、特定の大学の学生を積極採用したい場合などに向いています。その一方で、大学との連絡などに手間がかかるというデメリットもあります。

・新卒ハローワーク(厚生労働省)

新卒ハローワークとは、大学の新卒者やおおむね卒業3年未満の人材を対象とするハローワークです。企業側は、求人票をハローワークに出すことで学生の紹介を受けられます。利用は中小企業が中心で他社との競合を防ぎやすい点や、コストがほとんどかからないというメリットがあります。ただし、優秀な学生は他の採用手段を利用していることも多く、欲しい学生に会えない可能性もあります。

おわりに

今回は、採用活動で意識したい新卒採用のスケジュールや一連の流れ、そして新卒採用のさまざまな手法についてご紹介しました。新卒採用の方法がこれだけ多岐にわたることを、初めて知ったという方もいるのではないでしょうか。時代やトレンドに即して多くの手法が生まれているため、かかるコストや必要な人材の特徴などを考慮しながら、自社に合った採用方法を選ぶことが重要です。

 
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