ビジネスの現場で活用!実践的なノウハウ集

知っておきたい業務改善のアイデアと活用するべきフレームワーク5選

知っておきたい業務改善のアイデアと活用するべきフレームワーク5選

業務改善は、自社の問題や課題を見つけ、それを改善することで業務の効率化、生産性や利益の向上を目指す目的で行われます。業務改善に取り組む際は、フレームワークを活用するのがおすすめです。

業務改善のスムーズな進め方や、活用したいフレームワークをご紹介します。

業務改善をするための5つのアイデア

はじめに、業務の無駄をなくして効率化を図るための5つのアイデアについて解説します。

1.不必要な業務をなくす

1.不必要な業務をなくす

業務改善を考える上で、最も重要なポイントが不必要な業務をなくすことです。日頃から行っている業務も、見直してみると無駄なものだったということも少なくありません。これまでの慣習から抜け出せず、非効率的な業務が当たり前になってしまっていませんか。

膨大な書類作成や、作成した書類の整理、データ入力、生産性の低い会議など、本当にその業務が必要なのか、一つ一つ見直して改善していきましょう。

2.自動化する

2.自動化する

毎日繰り返し行う作業は、自動化してしまうのがおすすめです。Excel®やMicrosoft® Wordを使ったデータ入力、メール関連業務など、単純な作業にも関わらず、毎日時間を取られてしまうのは非効率。

自動化により、毎日の作業効率が上がり、これまで使っていた時間を他の業務に充てられるようになります。

3.マニュアル化する

3.マニュアル化する

同じ業務をするにしても、担当者によっては、所要時間や作業の質に差が出てしまう可能性があります。このような違いが生まれると、業務効率はもちろん、製品やサービスの質を落としてしまうことにもなりかねません。

業務の基準となるマニュアルを用意しておくことで、作業手順を統一でき、時間や質の差が出にくくなるメリットがあります。

しかし、せっかく作成したマニュアルも、活用されなければ無駄な作業に終わってしまいます。マニュアルを作成するときは、誰が見てもわかりやすく最大限活用できるものになるよう注意しましょう。

4.データベースの活用

4.データベースの活用

取引した顧客の情報ややり取り、商品の在庫状況など、これまでのあらゆるデータが蓄積されていれば、その情報を使って作業効率を上げることが可能です。

例えば、顧客とのトラブルが起きてしまった場合、似た事例がないか、どのように対応したかなどを確認できるため、効率よく対処することが可能です。

途中で担当者が変わる場合でも、すぐに情報の共有ができ、引き継ぎもスムーズに行えます。

5.業務スピードを上げる

5.業務スピードを上げる

当たり前のことですが、業務のスピードを上げるほど、生産性が上がります。人それぞれ能力や経験値によって差は出てきてしまいますが、一人ひとりがスピードアップできるよう、スキルを磨く、環境を整えるなどの工夫をしてみましょう。

ただし、いくらスピードを上げても、ミスが増えてしまうとその修正に追われて余計に時間がかかってしまうことがあります。スピードだけでなく、正確さも同時に意識するのが効率化のカギとなります。

業務改善は小さなことの積み重ねが大切

業務改善で大切なことは、当たり前になってしまっている小さな無駄を見逃さないことです。

例えば、資料をコピーする、表計算ソフトにデータを入力するなど、たった数分でできる作業も、一年を通して見ると膨大な時間が取られていることがわかります。一見小さなことでも、会社全体で考えると大きな改善につながるのです。

5つの業務改善のアイデアをご紹介しましたが、どれもすでに取り組み、やり尽くしているとお考えの方も多いかもしれません。しかし、即効性があり劇的な改善効果をもたらす施策はそれほど多くないのです。

業務の「当たり前」を疑い、コツコツと小さな無駄を省いていくことが、企業を大きく成長させるカギとなります。

小さな無駄を見つける業務改善の進め方

小さな無駄を見つける業務改善の進め方

不要な業務の廃止、自動化、マニュアル化など、業務改善のアイデアは理解していても、それをどう現場の課題に落とし込むか悩んでしまう方も多いでしょう。

問題や課題に対して適切な施策を行うための、業務改善の進め方について解説します。

業務に関する理解を深める

重要なのは、業務に関する深い理解です。問題点や課題を洗い出そうとしても、業務のプロセスや現場の実態を把握していなければ、本当に解決すべき問題を見つけ出すことができません。

現在の業務を作業分解図などに落とし込み可視化する、現場にヒアリングを行うなど、まずは問題点を洗い出すための準備を整えましょう。

問題点や課題を洗い出す

業務に関する理解を深めると、問題点や課題が浮かび上がってきます。小さな問題から大きな問題まで全て洗い出してみましょう。

業務における問題や課題は、原因が複雑に絡みあっていることがほとんど。Aという問題を解決するためには、B、Cという問題を同時に解決しなければ、根本的な改善にはつながらないことも出てくるでしょう。

本当に解決すべき課題は何か、優先順位はどうすべきかを同時に考えておくと、改善策を見つける手がかりになります。

改善策を考え、実施する

問題について改善策を考える際には、「排除・廃止」「標準化」「交換・代替」の順番で案を出すとスムーズです。

「排除・廃止」はなくなっても困らないものに対して行います。当たり前になってしまっている業務からなくすものを見つけ出すのは難しいかもしれませんが、業務によって得られる成果物の重要度が大きな判断材料になります。

例えば、その場でしか使用しない会議資料の印刷は、かかるコストに比べて成果物の重要度は低いといえるでしょう。プロジェクターを活用し、大画面で資料を共有すれば手元の配布資料は不要になります。

「標準化」はルールや手順が明確でないものに行います。例えば業務プロセスにおいて、人によって方法や順番が違うと、作業スピードや質にムラが出てしまうことがあります。マニュアルを作って明文化することで、誰が業務を行っても成果を統一できます。

「交換・代替」は先の2つに当てはまらない、対応できないものに対して行います。これまで人力で行っていた事務作業の自動化、業務の担当者や部署の交代など、課題に対して臨機応変な対応が必要です。

「排除・廃止」、「標準化」で解決する問題であれば、業務改善はスムーズに行えます。しかし、「交換・代替」となると、新たなシステムの導入や人員の確保なども必要になるため、改善するまでには時間も労力もかかります。

スムーズに施策を実施するには、事前の計画が重要です。スケジュールや実施のタイミング、費用、人員など、きちんと実行計画を立てて取り組みましょう。

施行後の様子を観察し、評価する

実際に取り入れる施策が決まったら、目標を設定します。残業時間◯%減など、具体的な数字を設けておくと、施策による成果を判断する材料となります。

施策によってはすぐに効果が出づらいものもあるため、目標と計測する期間を定めておくと良いでしょう。

評価結果をもとに、効果が見られない場合は新たな改善計画を立て、実施・観察・評価を繰り返し行います。

業務改善に有効なフレームワーク5選

業務上の問題点や課題を洗い出すには、フレームワークの活用がおすすめ。一例として5つのフレームワークのやり方をご紹介します。

1.フィッシュボーンチャート

1.フィッシュボーンチャート

フィッシュボーンチャートは、問題がなぜ発生しているのかを、魚の骨のような形の図式に表すフレームワーク。問題の構造をわかりやすく可視化できるため、改善策を考えやすいのがメリットです。

まず解決したい問題を書き、そこから長い矢印を引きます。問題の部分が魚の頭、矢印が背骨の部分のイメージです。

次に、すぐに思いつく要因を大骨として、さらにそれに関連する小さな要因を小骨として書き出していきます。問題に対して、魚の背骨のように要因を細分化していくのがフィッシュボーンチャートという名前の由来です。

正確な分析を行うために、要因を書き込む際は、自分の主観を入れず客観的に見ることが重要です。また必要な要素がきちんと洗い出されているか、重複している部分はないかをしっかり確認しましょう。

2.ロジックツリー

2.ロジックツリー

ひとつの問題に対して深掘りをして、原因を細分化していくことで改善策を見つけるフレームワークの手法です。ロジックツリーは、根本原因を突き止めるWHY型、要素を全て洗い出すWHAT型、問題の改善策を挙げるHOW型と、3つの種類に分けられます。

連想ゲームのように作成でき、意見が出しやすいところがメリットですが、フィッシュボーンチャートと同じように、書き出す要素に漏れや重複をなくすことが重要です。

3.BPMN

3.BPMN

BPMNは正式名称を「ビジネス・プロセス・モデリング表記」と言います。課題の発見を目的として、業務におけるプロセスを可視化するためのフレームワークです。

丸・四角・ひし形などの記号の中にプロセスを書き込み、それぞれを矢印や線でつなげていくことで、一連の業務プロセスとして可視化することができます。

しかし、BPMNで用いられる記号の種類は、基本的なものだけで100種類以上あります。これらの記号を覚えたり、一覧表を見たりしながらフレームワークを行うのは少し難しいかもしれません。必要に応じて独自のルールを用いる手もありますが、標準化されたモデルを使った方が、より正確で誰が見てもわかりやすいモデル図を作成できます。

4.KPT法

4.KPT法

KPT法は、現在の状況を見直すために有効です。「Keep(継続すること)」「Problem(問題点)」「Try(解決策)」という3つの項目について書き出し、今後の方針を決めていきます。

ひとつのプロジェクトが完了した時など、業務の節目となるタイミングでミーティングを行うことがあるでしょう。その際、ただ単に意見を出し合っても議論が活性化しないことがありますが、KPT法を用いればより意見が出やすいというメリットがあります。

フレームワークでは、付箋に意見を書き、ホワイトボードに書かれた「Keep」「Problem」の枠にそれぞれ貼り出します。意見を出し終えた後は項目をひとつずつ確認し、それを踏まえた上でアイデアを書き出し、「Try」の枠に張り出して、今後取り入れるべきアイデアを考えます。

5.親和図法

5.親和図法

親和図法は、ある課題に対する意見を言語データに変換し、それぞれの言語データ同士の親和性をもとに、課題解決策を考えるフレームワークです。

やり方は、まず課題に対する自由な意見や発想を言語データとして集めます。意見に偏りが出ないよう、できるだけ多くのデータを集めると良いでしょう。集めた意見は、カード1枚に対して1語書き起こします。付箋などを使うのがおすすめです。

次に、親和性の高いカードを同じグループに集め、そのグループを表す名称をつけます。グループ分けが終わったら、今後はグループ同士の親和性を見つけて、まとめていきます。これ以上グループ化できないところまでまとめたら、グループ同士の関係性を線で表します。これで親和図の完成です。

似た者同士をまとめながら整理整頓していくことで、問題の全体像を把握し、取り組むべきポイントが明確になるのが親和図法のメリットです。

業務改善のアイデア出しにプロジェクターを活用

業務改善のアイデア出しにプロジェクターを活用

フレームワークなどを使って、業務改善のアイデア出しを行うならプロジェクターの活用がおすすめです。なかでもインタラクティブ機能付きプロジェクターを搭載したプロジェクターは、メリットがたくさんあります。

例えば、PCを接続しなくても壁面をホワイトボードとして使うことが可能です。フレームワークで出たアイデアや意見を広いスペースに書き出すことができるため、より活発な議論を交わすことができるでしょう。PCを活用すれば、リモートでも同じ画面を同時に編集することが可能です。

また、投写画面や書き込んだ内容は、印刷・配布・メール送信が可能です。議事録の共有がスムーズなため、業務効率化にもつながります。

おわりに

業務改善のアイデアや進め方、効果的なフレームワークについてご紹介しました。

業務改善のために使う時間が、無駄な時間になってしまっては元も子もありません。フレームワークの際は、それぞれが問題意識を持って取り組むことはもちろん、議論がスムーズに行えるよう事前準備に力を入れましょう。

インタラクティブ機能搭載のプロジェクターは、議論の活性化に最適のツールです。業務改善を成功させるために、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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