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プレゼンテーションとは、企画や意図に対する理解を促すために効果的な説明を行うことを指します。しかし、プレゼンテーションに慣れてしまうと、どうしても通り一遍な内容に終始したり、言葉での説明よりも凝ったスライド作りに集中してしまったりしがちです。
そこで今回は、プレゼンテーションの本来の目的や、プレゼンテーションでさらに説得力を高めるコツについてご紹介します。
まず、プレゼンテーションという言葉が生まれたビジネス的な背景や、プレゼンテーションの定義について詳しくご紹介します。
プレゼンテーションとは、英語で「表現、提示、紹介」という意味です。ビジネス用語としては、初めに米国の広告業界で使われ始めました。元は、実体のない広告という商材を売り込むために、いかに顧客を説得するかという目的で広まっていった活動だったのです。
現代では業界を問わずさまざまなビジネスシーンにおいて、プレゼンテーションが活発に行われています。
多くの人に知ってもらいたいテーマや、これは売り込んでおきたいという企画を効果的に説明するための技法=プレゼンテーションであると考えると、分かりやすいかもしれません。
しかし、あくまで語源はプレゼント=贈り物であるため、一方的に売り込んだり説得したりするという考え方では受け入れられないことを覚えておきましょう。
日常的にプレゼンテーションを行ってはいても、「正直に言うと、プレゼンテーションは苦手」と思っている方は少なくないでしょう。プレゼンテーションを実施する本来の目的を知れば、プレゼンテーションのコツが自然と見えてくるかもしれません。
ここでは、プレゼンテーションを行う目的についてご紹介します。
プレゼンテーションは「説明と説得」を基盤に展開されますが、最終的な目的は相手に購買やサービス利用など、実際の行動に至ってもらうことです。つまり、ただ聞いて納得してもらうことにとどまらず、「具体的な行動を決断してもらう」ことが、プレゼンテーションの最大の目的と言えるでしょう。そのためには、ただ主張したい内容を話せば良いのではなく、聞き手の目線やニーズに沿って話を進めていくことが重要となってきます。
聞き手に具体的な行動を起こさせるプレゼンテーションを行うには、ヒアリングをしっかり行うことが欠かせません。まずヒアリングによって聞き手の現状を分析・把握し、実際に抱えている問題点や悩みを洗い出します。
さらにプレゼンテーションでは、問題点や悩みを聞き手に共感させた上で、最後に解決策を提示するという流れを踏んで実施しましょう。聞き手に納得してもらっておわりではなく、具体的な意思決定を行ってもらうための準備と工夫が大切になってくるのです。
場合によっては、プレゼンテーションの前後にわたって2回ヒアリングするケースもあります。プレゼンテーション後のヒアリングは「フォローアップ」と呼ぶ場合もありますが、主にプレゼンテーションを実際に聞いた感想や、意見を求めるものです。
プレゼンテーションを実施する機会は1度とは限らないため、今後行うプレゼンテーションに今回の収穫や反省を盛り込むためにも、事前のヒアリングに加えてプレゼンテーション後のフォローアップも行っておくと良いでしょう。
プレゼンテーションの目的は「聞き手に行動してもらうこと」であると分かりました。しかし、プレゼンテーションによって聞き手にスムーズに行動への意思決定を促すことの難しさを、現実的に感じている方も少なくないでしょう。
ここでは、プレゼンテーションの目的=具体的な行動をどのように聞き手から引き出すかについてご紹介します。
「あなたが抱えている問題を解決するために行動しましょう」と話すだけでは、実際の行動に至るきっかけとしては若干弱いでしょう。具体的な問題点と、それを解決するための行動の大切さを納得してもらうには、「行動することで聞き手にどのようなメリットがあるか」を具体的に伝えることが重要です。
伝わりやすい説明を心がけ、聞き手の行動で問題が解決されると説明することはできても、行動する必要性が感じられなければ目的の達成は難しいかもしれません。聞き手のニーズや悩みをしっかり把握した上で「問題解決を手伝うためにこの説明をしている」ことを、聞き手の目線や理解度に必ず沿って伝えましょう。
プレゼンテーションで聞き手に具体的な意思決定を促すには、説明内容の分かりやすさに加えて「説得力」を持った話ができることが重要です。
そのためには、盛り込む話題に必ずストーリー性を盛り込み、その中に一定の論理性を持たせながら聞き手を最終的に納得へ導く「物語+論理」での話題展開を心がけましょう。
プレゼンテーションの内容に聞き手が共感し、疑問を持たずに行動を決意してもらうには「論理的なストーリー展開」を意識し、話題に説得力を持たせてみてください。
プレゼンテーションを行う上での基本の形は、以下の構成となります。
・主張…話し手がもっとも伝えたいこと
例:今ある問題を解決しましょう
・根拠…もっとも伝えたいこと=主張をする理由や根拠
例:現状にはこのような問題があります。解決できれば、このように大きなメリットがあります
・結論…主張したことを具体的に達成するための手段や方法
例:問題の解決で大きなメリットを得るためには、このように行動しましょう
上記の3要素はプレゼンテーションに不可欠ですが、これらの3つを伝える順序は聞き手に合わせて説得力を持たせるために、前後する場合もあります。
以下の「アンサーファースト」は、プレゼンテーションの代表例です。
まず、プレゼンテーションの冒頭で具体的な行動を推奨してしまう方法です。その後で、その根拠や詳しい説明を肉付けしていきます。限られた短い時間の中で、できるだけ多くの情報量を聞き手に伝えたいときに有効な方法と言えるでしょう。
プレゼンテーションに使用する資料には、あまり多くの情報を盛り込まず決め手となる重要な項目のみを入れるようにしてください。聞き手の視線が、もっとも伝えたい要点に集中するように工夫をしましょう。
アンサーファースト形式のプレゼンテーションは、時間があまりないときに有効な方法です。内容も、極力短時間に要約できるものにしましょう。結論を先に持ってきて話をする場合には、その後の説明はだらだら長くしないことがポイントです。
今回は、プレゼンテーションとは何かをご説明しながら、プレゼンテーションの本来の目的や、それを達成するために説得力を高める方法についてご紹介しました。
プレゼンテーションに慣れてくると、「とにかく実施すれば良い」という意識になってしまうこともあり得ます。特に、現状で成果がある程度出ているという方は、自分のやり方に満足しているということもあるかもしれません。
慣れている方は今一度プレゼンテーションの目的を確認し、苦手意識がある方も聞き手目線に立ったプレゼンテーションのスタイルを考え直してみることで、さらなる結果が得られることもあるでしょう。
ぜひ、今回ご紹介した内容を参考にして、あなたのプレゼンテーションをブラッシュアップしてみてください。