グループワークとは?授業に取り入れるメリットや
進め方のコツをご紹介
グループワークは、アクティブラーニングの手法の1つです。
生徒の自主性や協調性を育てることができるため、授業に取り入れる学校も増えていますが、そもそもグループワークとはどんなものか、どうやって実践したら良いのか分からない教育現場の方も多いのではないでしょうか。
今回はそんなグループワークについて、メリットや種類、進め方のコツなどをご紹介します。
グループワークとは?
グループワークとは、数人ずつのグループに分かれて、討論や制作などを行う授業方法のことです。授業だけでなく、企業の選考会などでもよく取り入れられています。グループワークと似た授業方法のひとつに、ディスカッションがあります。
どちらもグループに分かれて実施するという点では同じですが、討論をするだけでなく、最終的に成果物として残すという点が、グループワークの特徴です。
現在文部科学省は、アクティブラーニングという学習方法を推進しています。生徒が主体的に授業に参加できるグループワークは、アクティブラーニング型の授業方法のひとつで、今後さらに多くの教育現場で取り入れられるようになると予想されています。
アクティブラーニングについては、こちらの記事を参考にしてください。
関連記事 アクティブラーニングとは?文部科学省が推進する理由とその効果グループワークを授業で行うメリット
グループワークを授業に取り入れることによって、生徒には主に4つのメリットがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
自主的に考え、行動する力が身に付く
自主性は、日常生活においてもビジネスにおいても、必要な能力です。しかし、社会に出てからこの能力を身に付けることはとても難しいため、学校教育の現場で子どもの自主性を育むことはとても重要です。
講義式の授業とは違い、グループワークでは生徒が自主的に考えて行動しなければいけないため、自然と自分自身の頭で考える力が身に付きます。
他者と協力して課題に取り組む力が身に付く
グループワークでは、他者との協力が必要不可欠です。同じグループのメンバーとコミュニケーションを取りながら、ひとつの目標に向かって努力することは、人生において重要な経験となるでしょう。
協調性にくわえて、他者と協力して課題を解決する経験を繰り返すことで、「やればできる」という自己効力感を高めることができます。
また、普段接することのない生徒同士がコミュニケーションを取る機会が生まれることで、クラス全体の結束力向上の効果も期待できます。
自分の意見を伝える力が身に付く
自分の意見を相手に伝えるためには、まず自分の考えを自分自身で把握し、それを頭の中でまとめ、さらに言葉にするという作業を行わなければいけません。
少人数のグループワークでは、一人ひとりの意見が重要です。それぞれの意見をもとに討論や制作を進めるため、自分の意見をしっかりと伝える能力を身に付けることができます。
意思決定をする力が身に付く
仕事や人生を左右するような大きなものから、日常生活の中での小さなものまで、人生には意思決定をしなければいけない場面が多々あります。グループワークでは、まず課題に対して自分自身が意思決定をし、さらにほかの人の意見を聞いた上で、グループとしての意思決定をします。
意思決定するためには、そうすることでどんなメリットがあるのか、どんなリスクがあるのかを考えなければいけません。
そのプロセスを積み重ねることで、日常生活での意思決定もスムーズに行えるようになるでしょう。
グループワークの種類
グループワークには、「プレゼン型」「作業型」「ビジネスケース型」「ゲーム型」という4つの種類があります。
プレゼン型
プレゼン型のグループワークでは、テーマについてグループで話し合い、最終的に結論をまとめて発表します。
自分の意見を伝えつつ、他者の意見にもしっかりと耳を傾け、さらに限られた時間の中で発表できるようにまとめなければいけないところがポイントです。いわゆるグループディスカッションは、このプレゼン型のグループワークに当てはまります。
作業型
作業型のグループワークは、与えられた目標の達成を目指し、グループのメンバーと協力して作業を行うという形式です。
ポスターを作る、画用紙を使って決められた時間内にできるだけ高いペーパータワーを作るなど、作業の内容はさまざまですが、どの場合でも目的を達成するためにはメンバー同士の協力が必要です。そのため、プレゼン型のグループワークよりもさらに、チームワークが重要となります。
ビジネスケース型
与えられたテーマについてグループで話し合い、たどり着いた結論や解決策を発表するという点では、プレゼン型と同じです。ビジネスケース型のグループワークの特徴は、与えられる課題がビジネスに関するテーマであるという点にあります。
例えばプレゼン型のグループワークのテーマが「無人島に1つだけ物を持っていくとしたら何か」「日本にサマータイムを導入するべきか」など日常的なものであるのに対して、ビジネスケース型のテーマは「売り上げを伸ばすにはどうしたら良いか」「10年後に流行する新サービスとはどんなものか」など、直接ビジネスに関わるものです。
ビジネスケース型のグループワークは、主に企業の採用試験などで用いられます。
ゲーム型
ゲーム型のグループワークは、その名の通りゲーム形式で行われます。
中でも代表的なゲームがコンセンサスゲームとブロックゲームの2つ。ほかのグループワークと比べるとゲーム感覚でできるため、取り組みやすいという特徴があります。
コンセンサスゲームは、与えられた課題に対して、仲間とコンセンサス(合意形成)を行いながら、課題を解決するというゲームです。
例えば、宇宙船の故障で月に不時着したという状況でゲームがスタートします。手元にある15個のアイテムのうち、どれを残すべきかをグループで話し合って優先順位を決めます。
プレゼン型のグループワークとも少し似ていますが、このゲームには模範解答があり、それに近いほど高得点となります。
また、ブロックを使ったグループワークにはさまざまなパターンがあります。中でも多いのが同じお題に対してグループごとに協力して作品を作るというものです。その他、制限時間内にブロックをできるだけ高く積み上げるという競争形式のワークもあります。
グループワークの進め方
グループワークの進め方についてプレゼン型について、4つの手順に分かれます。それぞれ詳しく見ていきましょう。グループワークの代表例であるプレゼン型の進め方をご紹介します。
テーマを設定する
まずはグループワークの根幹となる、テーマの設定です。
グループワークに関する本やWebサイトの中には、グループワークの種類ごとにテーマ例が紹介されているものがあるので参考にしてみると良いでしょう。
議論する
設定したテーマに対して、議論を行います。
初めはなかなか議論が盛り上がらないという場合もあるため、その場合はグループ内で役割分担をする、教員が発言のきっかけを与えるなど、工夫する必要があります。
結論をまとめる
議論で出た意見を、最終的にはグループの意見としてひとつにまとめます。
出た意見の中で多数決をとる、制限時間が迫りなんとなくひとつの意見を選ぶ、というやり方は好ましくありません。
全員の意見を尊重しつつ、さらにアイディアを煮詰めて発表に持っていけるよう促す必要があります。
発表する
最後はグループごとにまとめた意見を発表します。
ただ単に出た意見をまとめているのではなく、きちんと論理的思考に基づいているかどうかがポイントです。
グループワークを活性化させるコツ
グループワークを有意義なものにするためには、開催する側の配慮が必要です。ここでは、グループワークを活性化させるコツをご紹介します。
テーマを明確にする
テーマを決めることは簡単そうに思えますが、最も重要なポイントと言っても過言ではありません。
特に、テーマは明確にすることが大切です。「○○についてどう思うか」ではなく、「○○について××という意見があるが、賛成か反対か」など、意見が出しやすいテーマにすると良いでしょう。
必要な資料などは事前にしっかり準備する
活発な議論を行うためには、資料などの事前準備が鍵となります。
また、グループワークを行うためには、複数人で話し合うための広いスペースや机・椅子などが必要になる場合もあるため、早めに準備をしておきましょう。
おわりに
今回はグループワークについてご紹介しました。グループワークにはさまざまなメリットがあるだけでなく、楽しみながら取り組めるところがポイントです。授業への導入を検討してみてはいかがでしょうか。
グループワークを行う際は、プロジェクターなどのツールを使うのがおすすめです。
資料などを投写することができるため、テーマ・課題の共有やグループごとの発表がよりスムーズに行えるようになります。
また、エプソンのプロジェクターの中には、電子黒板機能が搭載されているものもあります。デジタルホワイトボードとして使えるほか、投写した画面をそのまま共有することもできるため、グループワークをより活発に進めることができるでしょう。
グループワークを授業に導入する際は、ぜひプロジェクターもあわせてご活用ください。
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